325.アキラ、付ける。

 蒸し暑いある日、彼女らの表情に少し元気がないことに気付く。




自分はスキル「環境適応」、「頑丈」、「自己再生」の効果もあり、あまりバテた感じはなかったが、彼女らは暑さにやられたのかと察する。




これは、何かスタミナの付くものを獲ってきてあげなくてはという考え思いつく。




この時期の暑い時に精がつくものといえば、あれしかない!!




この異世界にいるかはわからないが、探してみる価値はありそうだ!! 




そう思い、そのもをとるために道具から作り始めるのであった!!




 そう考え、近くに竹がないかと探していると、森の一画に竹が自生していた。過去に誰かが植えたのだろうか。と思いながら、その恩恵に与る。




まず、竹を切ったら、そのまま長い棒のようなもので節をくり抜いていく。




これを三本1セットで細い紐で結び、そこに沈める。これを何セットか準備してみる。一応、餌としてミミズを筒の中央に設置している。




さぁて、これを川の底に設置して一晩待つ。




一日目は、警戒されたのか、3つとも手つかずのままであった。




2日目は、ミミズはそのままで何も入っていなかった。




そして、3日目・・・、いつものように罠をあげると、セットしていたミミズが、半分食べられているではないか!!




つまり、何かが罠に入ってきたが逃げられてしまったということだ。




ミミズでうまく誘いこめたが・・・、詰めが甘かったために逃げられた・・・。なぜ、逃げられたのかを考えていると、 




その時、スキル【罠師】に向上するのを僕は感じる。それから、宿主さんが報告に入る。




「宿主、おめでとうございます。スキル【罠師】は【中堅罠師】へとスキルアップしました。」




そう精霊さんが説明してくれると、すぐにスキル【中堅罠師】は先ほどの罠の問題点を洗い直す・・・。そして、判明する。




中堅罠師曰く、




「「返し」がないっすよね。」




返し・・・、なんぞやそれは・・・。




中堅罠師がクソデカため息をつきながら、返しのイメージ図を示してくる。




なるほど、理解した!! つまり、一方通行の入ったら最後、出れない仕組みというわけか!!




さっそく意味を理解したところで、竹筒に返しを取りつける。返しのイメージ図を参考にしながら、それっぽい奴を竹の表皮で作っていく。




まず、竹筒の上に




布を編むように反復動作を繰り返す。




なんだか、伝統民芸細工を作っているような感覚を感じながら、次第にそれらしき形になっていく。




そうして、返しがついた設置罠が完成するのであった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る