311.アキラ、パウワアップする。

 小石に食欲と言う欲望を、全力で込めて投げつける。欲が詰まった石は、モノスゲーーーイ!! 勢いで水面を走っていき、




「バッシャアアアン!! 」




と水しぶきを上げると、同時に




「ガッツーーーンッ!! 」




石と石とがガチンコした音が川に響く。




すると、なんということでしょう。先ほどまで、泳いでいた川魚が浮かび上がってくるではないですか!!




「フォオオオオオオオオ!!!!  フォッ!! フォーッフォフォー!!! 」




その光景に思わず、声を上げてしまう!! これ、シュゴーイ!! モノスゲー魚が獲れる。また、再び小石君に己の欲望を教え込み、全力で投げつける!!




今度は、石は音を立てて、大石君にダイレクトヒット!!! それと同時に、振動大納言様が、近くを泳いでいた川魚をなんやかんやして、浮かび上げる。




多分、なんやかんやの部分は、水の振動で魚の身体に脳しんとう的なものが起こってると考える。詳しくはわからないから、まぁ、いいかっ!!




 気付いた時には、腕いっぱいの川魚が獲れていた。




「宿主、おめでとうございます。スキル【頑丈】が向上しました。」




そう精霊さんがスキルアップを報告してくれる。




スキル【頑丈】、別名パゥワァァァアアアさんがスキルアップしたことに、驚きと喜びが込み上げてくる。




「おお、パゥワァァアアさん、スキルアップする頃かと思ってたけど、やっとしたんだ。」




どれくらい、スキルアップしたか、気にならない? 気になるぅううううう!!




それでは、皆さんご起立ください!! 今から、そこらへんにある木の幹を潰したいと思います。




「スゥゥゥゥ・・・ンンンンンンン・・・・パゥゥゥウウウウウウウウウワァァァァァァァァァァァァァァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!! 」




その掛け声と共に、木の幹は




『ミキッ・・・、ミキミキミキミキ・・・ベキベキベキバキバキバキバキ!!! 』




そうしてグッシャリとなる。その光景に一言。




「ヤッベーイ・・・。」




自分で粉砕しておいて何だが、このスキル最終的にゴリラ並みの怪力を持ちそうな予感がする・・・。




その意見に宿主さんも




「同意です。」




と答える。まぁ、害はないし、まぁ、いっか!! 




何はともあれ、漁労で得た川魚の捌いていく。先ほど粉砕した木の切れ端も有効活用して、棒のように加工したものを次々と魚の口に突き刺していく。




これだと、持ち運びしやすいし、何よりすぐに料理できる!!




そうして、川魚の下処理を終えて、やっとこさイリスの元へと戻るのであった。


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