290.アキラ、入れられる。

 「ハニハニハニハニ、ビーハニ~~ビーハニ~↑、ハニハニハニハニ、ビーハニ~ビーハニ~↓。 」




そんな陽気な歌を歌いながら、家へと戻る。帰宅を心待ちにしていたガールズは、その甘い匂いに気付く。




「クンクン・・・。アキラさんからなんだか甘い匂いがします。もしかして、ハチミツが採れたんですか!? 」




鼻の利くテラが、一番に僕に詰め寄ってくる。




まぁまぁ、そんなに焦りなさんな。そう宥めるように鍋の底を見せてあげる。




「わぁああああ!!! アキラさん! これ蜂の巣ですよね!! 」




テラはそう嬉しそうに喜ぶ。その様子で、イリスたちも何事かと近づいてくる。




「おっほっほっほ〜、舐める? 」




そう聞くと、皆コクリと頷く。そう言われてしまってはしょうがないので、




 それでは、さっそくハチミツ絞り始めます!!




まずは、清潔な布と鍋を用意します。次に、手を綺麗に洗います。そうしたら、ハチの巣を清潔な布で包み、それを両手の中に入れて、鍋の上で




レッツ!! 圧縮!!




すると、圧縮されたハチミツが垂れてくる。流れ出すハチミツに比例して、自分の顔はどんどん赤くなっていく。




「フゥッゥゥゥウッゥッゥゥッゥ・・・パウワァァァァァァアァ!!!!  」




気迫迫る工程、スキル「頑丈」が相まって、圧縮機並みの力を出せれたんじゃないだろうか・・・。




僕は力を使いすぎて、灰のように疲労困憊になってしまった。




その犠牲の上に立つ。新鮮極上のハチミツの原液が彼女らに配られる。




満身創痍な状態の僕は、




「一口だけだからね。」




甘さを感じた少女たちの目はキラキラと輝いていた。果たして効果があるのかと思わないでもないが、まあ、予想はできるよな。




そうして、満身創痍から回復した僕に、待っていたのはハチミツではなかった。




「あんなに絞ったハチミツないの・・・?」 




 そう彼女らを見る。口に何かを咥えているようだ。




そのことに気付いた瞬間、なんとイリスが僕に飛び込んできて、口移しでハチミツの甘さを伝えてきた。




そして、状況が飲み込めない僕は、代わる代わるガールズから、口移しをされてハチミツの味を堪能するのであった。




各個人の評価はここではしないが、テラのは、すごく甘かったのは覚えている。




そのような結果になってしまい、残りの巣は2分3ほどになったため、これ以上、甘味目的、




「だめだめ駄目!! 」 




ハチミツ舐めるの禁止令をだす。




「おいしいハチミツ料理作ってあげるから、待ってて。」




と彼女たちに補足の説明も出すのであった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る