291.アキラ、調理する。

 料理を作ってやるとは言ったが、そんな凝った料理は作らない。なぜなら、料理はそんなに得意ではない。




そんな僕でも、簡単にできる料理を作る。




題して、




「レェェッツ! エンジョイ! ワイルド・クッキング!! 」




略して、ワイ、クッキング。




今回、使う食材は、ジャガイモ! 塩! ハチミツ! 




この三つで簡単クッキング!!




手始めに、ジャガイモを蒸していく。




その間に、残っていたハチの巣を清潔な布で包んで、例の如く圧縮する。




「スゥゥゥゥ・・・ッ!!! ンンン・・・パゥワァァァァアアアアアアアアァァァ!!!  」




そうして、ハチミツを十分絞り出す。残った絞りカスも後で使うので、大切に取っておこう!!




パウワーしている間にジャガイモが良い感じに蒸されたので、適温になるまで冷まして皮を抜いていく。




それから、皮を剥いたジャガイモを潰していく。その時に適量の塩とハチミツ少々を投入して味を調節して混ぜていく。ここらへんはお好みで。




それで、できた練り物をうまいこと一口サイズに分けて、焼いていく。




それとは別に、ハチミツを鍋で焦がして、キャラメルソースを作る。




「ハチミツ、キャラメル、カラメル!! 元はフランス!! 」




そんな韻を踏みながら、茶色になったらハチミツキャラメルソースの完成。




 しばらくの後、練り物も香ばしく焼き上がる。




それに先ほどのソースをかけたら、完成!!




「フッ・・・おまたせしました。デザートでございます。」




得意げに出来上がった品を出す。ガールズ達は、その出来栄えに大層驚いた様子を見せる。




「これ、アキラさんが作ったんですか!! すごい、おいしそうです!! 」




テラは、僕が作った料理に大層喜ぶ。ほかの皆も同様に、僕が作った料理にワクワクしている。そして、皆、デザートを一口食べる。




「・・・・・・。」




皆、無言になって食べ進める。その表情はなんとも言えない表情であった。




僕はその光景に、まずかったのかと冷や汗をかく・・・。




その沈黙をイリスが破る。




「まぁ、私はこれ好きよ。」




その一言に皆も、次々と




「旦那様が、こんな凝った物を作れるとは意外でした。」




「主、これ甘くておいしいです。」




「この甘いソースがなんとも言えませんわ。」




どうやら、好評なようでホッとする。




「ありがとうごぜぇす。(照れ)」




いや、まさかこんなに喜ばれるとは、ちょっと嬉しくて快感なんですよ。と何かに目覚めそうになる。




試しに、自分の作った物を食べてみる。




「うん、おいしい!!(自画自賛)」




その甘さに、ハチミツまた採って来ようかなぁ・・・と思うのであった。


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