250.アキラ、木の家を作る。

 家を作るよ。やるからには、とことんこだわった家を作ることにする。この世界には和が足りない。




家の中だけでも、和の快適空間を作ってやる。




そう思い、家を建て始める。




まずは、焼いた丸太の根元を4つの穴に埋めて、柱を建てる。崩れないように、しっかりと土で固めて、一日待つ。




その間に、丸太をクサビで割っていく。ロングボウを作った前よりかうまく割れる。上達を感じながら、4つの梁を作っていく。そして、束、棟木もきれいにできる。




そうして、垂れ木を完成させたら、屋根の部分の材木は完成する。




 翌日、早速それを取りつけていく。まずは、4つの柱を点としたら、4つの梁を線で、正方形ができる。釘を打ち込む固定。




その真中ら辺に束を立てて、その上に棟木を置いていく。しっかり、釘を打ち込んで固定していく。




「宿主、スキル【職人】が発現しました。おめでとうございます。」




説明は聞かなくてもわかる。なぜなら、飛躍的に作業効率が上がったから、そういう系のスキルなのだと理解する。




あとは垂れ木を固定していけば、屋根の部分が完成する!!




あとは、下の部分も同じような感じでやっていけば、完成!! そこに少し詫び寂を入れて。あとは壁に泥を塗って突貫工事をすます。




今は、壁を作ってしまおう。そうして、しばらくすると、突貫工事だが壁ができて、家が完成するのであった。




寝ころぶと、不格好な棟木が見えるが、ここはこれで、いとをかしかな!!




「嗚呼、ほしかった。自分の部屋が手に入った!! これで、誰にもプライバシーは侵されない!! 」




そう意気込んだ数秒後、




「アキラさーん!! おうち出来ましたか? 」




「主、おうちは出来た? 」




「アキラの家、なかなか良いじゃない。」




「アキラ様の家は見たことのない作りですね。」




「旦那様、お湯入れますね。」




無垢な少女たちが来客してくる。し、仕方がない。もてなそう。というか、まゆきはなんで、この家の造りが分かっているのか、お茶の準備をしてくれている。




そういえば、まゆきの村は和風建築多かったっけ? だからか、と納得しながらも、来客者に白湯をお出しする。




皆で、この趣深い空間で一服する。




「ああ、なんだか、私の家と違い涼しいです。それになんだか、落ち付きます。」




ミユはまゆきの膝の上で寝ていた。イリスとアルテシアは白湯を優雅に飲んでいる。




あれ、僕だけの憩い空間だったはずなんだけど、という主張はよそに、この家は、皆の共有スペースとなってしまったのであった。

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