第十七章 渉猟

228.アキラ、申し出る。

 100万どう集めようか・・・。僕はそんなことを考えながら、帰宅の途についた。本1冊に100万って、頭おかしいと思いそうになる。




そんなことを考えながら、小さなブローチや、髪飾りを200リラで、ご購入。




「でも、便利そうな魔術だったしなぁ・・・。」




と呟く。ハンターセンス君もそれに同意する。70頭くらい狩れば買えるやん!! と思うが、シカを70頭・・・そんな半端ない数、生息しているのかと疑問に思う。




まぁ、地道に狩っていくしかない。それに手元には、鹿笛があるのだ。以前と比べれば、楽に狩れるではないか! 




この森の生態系ブチ壊してもいいかと、破壊的思考で100万貯金計画を練るのであった。




そうして、家へと帰宅すると、皆が僕の帰宅を待っていたかのように、駆け寄ってくる。




「おかえりなさいです。」




と皆の目がキラキラしている。ミユが申し訳なさそうに、こちらを見ている。まぁ、そうなるよねと、思いながら買ってきたプレゼントを一人ずつに渡す。




皆、嬉しそうにアクセサリーや髪飾りを着ける。




 さて、ごまはすったぞ。と本題の10000リラの本の話をする。




「皆、相談なんだけど。10000リラする魔術書を買っていいかな? 」




そう告げると、先ほどまでニッコニッコしていた表情から、笑顔が消える。




「えぇ・・・、10000リラする本って、何かの冗談ですか? 」




皆、目が怖い、目が怖い。しかし、ここで引いては駄目だと理性君が、訴える これは長期的な投資だと、皆にわかってもらわなくてはならない。




そのために、説得する必要がある。泣くか・・・、いや、それは駄目だ。ならばどうすればと考える。




すると、ミユが助け舟を出してくれる。




「あ、主、そういえば、今日売ってきた毛皮はいくらで売れたんですか? 」




ああ、そういえば、その報告してなかったなぁ。




「ご報告します。毛皮は800リラで売れました。」




その言葉に、皆からおぉ~~っと歓声がわき上がる。




「そこで、提案なんですけど、明日の狩りで、マシカ10頭狩れたら、魔術書を買うことを了承してもらいたい。」




と提案する。この申し出に彼女らは話し合いの時間を設ける。




「マシカ10頭なんて、そう簡単に狩れますでしょうか・・・。」




アルテシアは心が揺れ動く。




「やらせるだけ、やらせてあげてもいいんじゃないの。それで駄目なら、彼も諦めるだろうし。」




とイリスが申し出を受け入れようと言ってくれる。




「アキラさんは、いつも狩りで獲物を取ってきてくれてます。ですから、好きに自由はものを買ってもいいと思います。」




テラがそう主張する。どうやら、皆、僕が魔術書を買うことに反対はしていないようで、金額に少しびっくりしていたようだった。




そして、長い話し合いの結果、明日10頭狩れたら、魔術書を買う貯金を認めるという約束になったのであった。

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