193.アキラ、罠を張る。

 敵わないとわかっている敵に、馬鹿正直に挑んでも、しょうがないと割り切り、作戦を練っていく。作戦概要は、拠点、近くに対人用の罠を張り巡らせて、死神を迎え撃つというものであった。




落とし穴から、紐トラップなど思いついて設置するだけの罠を用意して奴を待ち受ける。奴は、幽霊なんかじゃない。ちゃんと実体がある奴なんだ! 




ならば、話は簡単だ。相手がどこにいるか、わからなければ、罠を仕掛ければいいではないか! の精神で、スキル【罠師】をフル活用していく。




そして、最終防衛ラインをあのガス洞窟とする。もう駄目だと思ったら、あそこに逃げむ。




 今は、準備だ!急ぎ荷物をまとめて出立する。




拠点に帰還した時には、ヘトヘトであったが、すぐに眠れば、すぐによくなった。そして、一刻を争う戦争が始まった。




僕は急いで、使える道具をかき集め。スコップ、鍬、ナイフ。手始めに、ウサギを罠にかけた応用編で、少し大きめの円を作って、それを木の戻ろうとする力で吊る作戦だ。




次に、紐のトラップ。これは、相手が通るであろう場所に、紐を設置して、相手が踏んだりすると、藪から木の槍が出て来る仕組みだ。




これを至るところに張っていく。次に、落とし穴だ、底には木の枝を刺しておく。これを踏めば、枝が足に突き刺さる仕組みにする。もちろん、予測して配置する。相手は、何人でくるか、わからない。




しかし、この森を熟知した僕と、数多の罠たちが相手になろう。そして、死神が見えない敵であるなら、こちらは不意打ちの攻撃を仕掛けてみせましょう。




拠点と、洞窟周辺の至るところに罠を設置し終えた。あとは、ここにアクリバートンらを誘いこむ。序盤で、一番肝心な任務だ。




それは、もう手を打っている。街を出る際に、ちょっとした大道芸を披露してきた。キノコを手にとり、それを大量増殖させる。




「私は近くの森に住む、異邦人でございます。みなさまに、森の恵みを届けに来ました!! 」




と街の人々に、自分のことを流布して、戻ってきたのだ。何人かのごろつきが、後をつけてきたが、そいつらを返り討ちにする。命乞いしてきたので、このことは内緒にすると、約束し帰してやった。




多分だが、絶対バラすであろう。まぁ、それを見越して、見逃したのだから、こちらの予想通り、口が軽い奴なのを祈ろう。すべての手を打った僕は、腹を満たし、明日に備えるのであった。

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