185.アキラ、開墾する。

 拠点に戻った僕は、さっそく、畑を耕し始める。




まずは、開墾していくにあたり、日当たりのいい土地にするために、周りの木々を根こそぎ伐採していく。




『コーン! コーン! 』




と辺りに、木を切る音が鳴り響く。気分はまるで、木こりのようだ。




「木を~切るよ~~、ホイ!ソイ!ソ~~イ!ホイ!ソイ!ソ~~イ!」




軽快に、歌を歌いながら、木をどんどん切り倒していく。一振りで、切り込みが、入るようになってきて、小さな木なら、もう楽勝だ。そうして、日当たりのいい空き地ができる。




 さて、空き地には雑草やら、切り株は未だ残っていて、農業にはまだ、適さない。さらに、こういう土地は、雑草などのせいで、栄養分が不足している。




そこでこれから、この土地を肥沃な土地に変えるために、ある方法を実践する。まずは、切り倒した木を空き地に、並べていく。そして、風向きを考えながら、




「ファイヤー!! 」




と言って、電流で、木に火をつける。木に火をつけたのだ。つまりは、焼畑農業だ! 火は勢いよく燃え、木々に移っていく。火が森に燃え広がらないように、管理しながら、どんどん燃やしていく。




火というものは、実にいいものだ。雑草たちや木々をどんどん燃やしてくれる。おかげで、雑草をいちいち、刈らなくていいので、楽だ。そして、まだ焼け残っている木に、火をつけては灰になるまで、燃やしていく。




それを繰り返すうちに、全部の木が灰となる。そして、火の勢いが少し落ち着いた頃には、空き地のいたる所から、白い煙が上がっていた。




火が完全に鎮火して、土の温度が下がると、鍬を入れて、灰と土が混ぜる。これが、また重労働である。




「ヨイッショ! ウ~~~、ヨイッショ! ウ~~~、」




と自然と声を出しながら、空き地を鍬でどんどん耕していく。やっと、4分の1ほど、耕した頃には、身体はくたくたであった。




少し休憩することにする。拠点に戻り、水を飲みながら、一服する。そして、また、鍬で土を掘り返しながら、耕す。合間に休憩を挟みながら、畑全部耕す。その頃には、もう日が暮れそうであった。




最後に、僕にしかできないことをやって、本日の作業を終了とする。手を擦り、電流を土に流していく。雷が多く降った年は、豊作になるといった、言い伝えを聞いたことがあり、それを試してみた。




結果はわからないが、今はやれることは、すべてやっていくつもりだ。そして、この後、何日間か放置すれば、森の畑が完成というわけだ! 今から、何を植えようか楽しみな、僕であった。

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