174.アキラ、計算する。
効率的に、レベリングをしていく方法を、いろいろと模索する。夕食の肉を焼いている時でも、筋肉を使わないようなことをする。
それで、異能のSaga(賢さ)をあげるために、九九を暗唱したりする。
「精霊さん、これでちょっとは、何かが上がっている?」
と聞くと、
「その努力は認めます。しかし、覚えているものを暗唱では、微量しか上がりません。それよりも、こちらがランダムな数字を提示しますので、それを計算してみては、いかがでしょうか。」
改善策を精霊さんから、提示される。もちろん、僕は、即決でそれを了承する。
「では、19・25は。」
「えぇ・・・っと、95+380だから、475!! 」
そんな感じで、計算していくのであった。おかげで、1000問近く、計算する頃には、新しいスキルが発現する。
「宿主、おめでとうございます。スキル【計算】が発現しました。これにより、少しではありますが、結果や成り行きを予測することが、できるようになりました。」
と精霊さんが報告してくれるが、
「つまり、どういうこと?」
僕は、抽象的な説明に、疑問符がつく。すると、精霊さんが、
「それでは、宿主、そこにある石を投げてみてください。」
と言われ、石を投げる。すると、その石がどういう軌道を描き、どこにぶつかるか、ほんの一瞬先のことがわかる。
精霊さんが、
「おわかりいただけたようですね。」
と言い、
「ああ、わかったよ。これはすごいね、ちょっとした予測じゃないか! 」
と僕は呟く。このスキルは、伸ばしていけばすごいことになると、確信する。今は、ほんの一瞬先のことで、効果がないようにも思えるが、伸ばしていけば、それこそ、相手の動きを読めるようになると、僕は考える。
そうして、石を投げては一瞬先のことを感じながらを、繰り返す。しかし、問題点も浮かび上がってくる。10回に4回は、予測が外れるので、あった。
う~~ん、確率60%・・・まぁ、使い続けて確率を上げていくしかない。
そうして、夜は更けていくのであった。
翌日、徐々に減っていく食料を見て、あることを思いつく。今までは、獲物を追っていたが、今回は、新しいことを始める。
つまり、罠を仕掛けてみることを考えついたのだ。新しいことに挑戦することにより、何か得られるのではと、思いながら、どんな罠にしようかと模索する。
仕掛けるからには、獲物をいっぱい取って、余った毛皮や肉は、街で売ろうと、仕掛ける前から、とらぬ狸の皮算用をする、アキラなのであった。
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