129.アキラ、拉致する。

 仮面を手に取り、それを付けながら男の元へと落下していく。男は着替えている最中に、僕が降りてきたことに気付くが、身動きが取れない状態ですぐに取り押さえられる。口に布を巻き付け、




「はい、元気注入するからね。」




そう言って、僕は電気を男の身体に注入するのであった。男は気絶する。その男をローブでグルグルに巻き、担ぎながら壁を登っていき、屋根を飛び越えながら、人気のない場所へと運んでいく。




 さぁ、皆が大好きな尋問の時間が始まるよ!!そうナレーションを付けながら、男をパチパチとビンタしながら起こす。




「う・・ウグ、イ、イ、イ。」




そう言いながら、男が痛みによって目を覚ます。ひどく怯えているようだ。これは、すぐにゲロってくれそうと期待の眼差しを向けながら、




「合言葉を言え、出なければ元気をまた注入するぞ。」




男は怯えながら、何かを言おうとする。




「喚いたら、元気注入するからな。」




念を押しながら、布を取り外してやると、男は涙声に成りながら、




「合言葉は・・・合言葉は・・・「我が血は抗う為のもの成り。」これが合言葉だ。」




そう言って、ゲロってくれた。さらに、情報を聞き出せそうなので、さらに尋問していく。




「じゃあ、次、集会の目的はなんだ。」




その言葉に、一瞬男は顔色を変えて黙るが、痛みを加えるとすぐに白状する。




「異邦人と思われし者たちの血を集めて、それが本当かどうかの品評会をするんだ。」




「なぜ、そんなことをする。」




とさらに、問い詰めると、




「わからねぇ、詳しいことは幹部しかしらねえ。」




と男は泣きながら、答える。




これは幹部をとっ捕まえるしかないと考える。




「他には、何か知っているか。例えば、あの中で何をしているとか?」




と問い詰めるが、男は




「足場を作っている。あそこは、水が張っていて、そのままだと溺れてしまうんだ。」




そう言いながら、助けを請う。男の顔をじっと見る。




「お前、俺とのこと口外しないこと、もう結社とは縁を切ると約束できるか?」




と問いただす。すると、男は、




「ああ、約束する。アデル様に誓って!!」




そういうので、解放してやることにした。男はそのまま、一目散に逃げていく。その様子を後ろから追いかけながら、男の今後の動向を探るのであった。




 その後、男は城外に向かって一目散に走っていくのであった。やっぱ、ほぉ~~律儀だなと思いながらも、ここからが、正念場と思うアキラなのであった。

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