102.アキラ、痛めつける。

 さて、脅しはこれぐらいでいいだろうと内心思う。普通の女の子っぽいし、この程度でゲロってくれるだろうと思う。


「さぁ、話してでなければまた痛い思いをするよ。」


再度脅す。しかし、少女は僕の予想に反して


「残念ですが、この程度の脅しに私は屈しません。」


少女は頑なな意志を僕に見せつける。まさか、反応に少し動揺するが、すぐに気持ちを切り替えて、傷痕が残らないような痛みで、再度、電流を流す。


「あぁあ!!」


その悲痛な声に心が痛むが、それよりも重要なことがあるのだと、言い聞かせる。


「名前だけでも教えてくれないかな。」


少し質問のハードルを下げてみる。すると、悪態をつきながらも、


「マウです。」


と即答で答える。あ、これ嘘だなと即行で解ったので、再度、電流を流す。


「あああ!!痛い痛い!!ミユ、ミユです!!本当ですから!!」


どうやらこれは本当のようだ。名前を聞いて、次のステップに移る。


「じゃあ、ミユ。他に仲間はいるのかい?」


一応、この質問を投げかける。ハンターセンスで、辺りを探りを入れており、周りに仲間がいないことは確認済みだが、もしものことがあるため、確認する。


「・・・・」


何も答えない。指を握る。


「ああああ、痛い痛い!!!」


相当痛がる。ちょっと痛くし過ぎたか。


「僕もそんなに暇じゃないんだよ。もう寝たいんだよ。素直になってよ。」


恐怖で、顔を強張らせながら答える。


「い、いません。」


彼女の腕を取り、脈を測る。どうやら、嘘はついていないようだ。


 素直に言ったことに対して、頭を撫でてあげる。


「僕もな、君を傷めつけたくないんだよ。」


少し驚いた表情をする。そして口を紡ぐ。


「次の質問。なんで、僕の血を狙った?」


長い沈黙がその場を支配する。その沈黙に耐えきれなくなり、足をトントンと鳴らす。すると、少女が笑いだす。


「あははははは、な、なんであははははは・・・あれ・・あははは。」


はい、電流を流す。


「痛い、あああ!!痛い!!ごめんなさい、ごめんなさい、あははははは・・・あれなんでなんで。」


その後は、笑うたびに電流を流す羽目になった。こっちの良心がズキズキと痛む。彼女もぐったりとした様子になるが、まだ意識はあり呼吸が早くなっているような気がした。


「答える気になった?」


その問いに彼女は、


「くたばりやがれ。」


その一言を投げかける。痛げな少女を一瞬、ぶちのめそうかと考えるものの、良心がそれを許さなかった。


「はい、チクッ。」


肩に触れる。電流が彼女の全身を流れる、それにより、身体がピンと伸びる。絶対、痛いだろうなと思いながら、数秒間流す。もう声をあげる気力もないのだろうか、


「ああああぁぁぁ・・・。」


とうな垂れた声を出す。どうやら、今日はここまでかと思った瞬間、彼女は不吉にも笑みを浮かべる。


「もっと・・・。」


小声で彼女がそう呟いたような気がするのであった。

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