第2話 それでは脱出ゲームのスタートです

 各部屋の問題をクリアすると次の部屋に行けます。各部屋の問題を解いて出口を目指してください。

 プレーヤーは複数人配置されています。プレーヤー同士協力するも競い合うも自由になっています。

 なお、このゲームをクリアされた時の報酬として1億円用意しています。このお金はクリアした人数で分割される事となります。例えば、5人がクリアした場合はひとり2千万円ずつということになります。

 くれぐれも、絶命することの無きよう、慎重に行動する事をおすすめいたします。


「現金が貰えるゲーム?」


 現金が貰えるゲームアプリなんて聞いた事が無いな。っていうか、そもそも、俺の記憶が当てにはならないんだけど。


 この説明によると、部屋にある問題を解くと次の部屋に行けるってことか。プレーヤーは複数人。オンラインゲームってことかな?


 クリア報酬は1億円。


 この1億はクリアした人数で等分するってことか。という事は、他のプレーヤーを妨害して自分だけが一億を手にするって事も可能なのか。

 そして、最後の一文に書いてある「絶命」って文字だが、たかがスマホのゲームで絶命って大袈裟過ぎるだろ。


 まあ、このゲームを終わらせれば、アプリが閉じれて、このスマートフォンの中にある、俺の個人情報が見れるようになるかもしれない。


「とりあえず、スタートボタンを押してみるか」


 俺はこのゲームのスタートボタンをタップした。




 ん?

 何の反応も無い。


「このアプリ壊れてるのか?」


 そう呟いた瞬間、スマートフォンの方じゃなく、今、俺がいる部屋の壁に文字が浮かび上がってくる。

 と同時にスマートフォンから声がする。


『それでは脱出ゲームのスタートです』


『これから、問題を出題します。これに答える事が出来た場合、この部屋の扉は開かれます』


 なんだなんだ? これってスマホのゲームじゃないのか!


 壁に浮き上がった文字は


 1+1=□


 はい?


 えーと、ひっかけ問題じゃないよな。それとも、俺のことを馬鹿にしてる?

 少し考えてみたものの、どう考えても答えはあれしか出てこない。

 まあ、これ以上考えても無駄なので。


「答えは2だ」


『ピンポン!』

『正解です! これからこの部屋の扉を開放します』


 声と同時に真っ白の壁の中央が、自動ドアの様に左右に分かれて開いた。

 高さが2メートル位で、幅も2メートル位だろうか。


 俺は恐る恐る隣の部屋を覗き込んだ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る