第18話

その羽に、手をやる。


「なんだ・・・羽ぼうきか・・・羽ぼうき?」

思わず飛び起きた。


羽ぼうき・・・

消しゴムのカスを、はらう時に使う道具。

でも、僕は持っていない。


なぜ、こんなとこに・・・

しかも、白い・・・


「まっ、いいや・・・」

疑問よりも、睡魔が勝る。

明日考える事にして、今日は寝よう。


「・・・くん」

グーグー


「ゆうくん」

その声に、眼が覚める。

そこには、ナンシーの姿があった。


初めて出会った頃(といのも、おかしいが)のナンシーの姿が・・・


「久しぶりだね。ゆうくん」

「まだ、そんなに経ってないだろ?」

「私は、とても長く感じた」


相対性理論じゃあるまいし・・・


「ところで、プレゼント、受けっとってくれた?」

「プレゼント?」

「ベットに置いておいたでしょ?」


もしかして・・・羽ぼうき?


「うん。それ?」

「何でこれを・・・まさか、これを使うと空を飛べるとか・・・」

「漫画じゃあるまいし、ただの消しゴムはらいにしか、使えないよ」

いえ、もう十分漫画じみてます。


「でも、何でこれを?」

「知りたい?」

「うん」


ナンシーは、僕の手を握る。


「じゃあ、行こう。君の心の空へ・・・」

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