第11話

案の定、冷やかされた。

普段は無関心でも、女がからむと首をつっこむのは、人としての性か・・・


特に女は、ひどい。

将来は、ワイドシュー好きな、おばさんになることは、まちがいない。


詳しく説明も出来ないので、「いとこ」と言っておいた。

ああいう冗談が、好きなのだと・・・


そうすると納得していた。

あんたらも、経験あるんかい?


こうして、帰宅する。

ナンシーがいないことを願い・・・

鍵は開いてない。

鍵を開け、部屋に入る。


出かけた時のまま。

あちらこちらを探したが、隠れていない。


手紙もなかった・・・


「なんだったんだ・・・」

どっと疲れた。

もう寝よう・・・


お休み・・・


でも、腹減ったな・・・

いつもなら睡魔が勝るが、不思議と食欲が勝る。


「適当に食べようか・・・」

冷蔵庫を開ける。


見事に何もない。


「仕方ない。出前を取ろう」

電話機の所にいった・


「ピザでいいか・・・」

えーと、パンフレットは・・・


「はい」

「ああ、ありがと」

差し出される。


「ピザもいいけど、私はお寿司がいいな」

「贅沢いうな、ナンシー」

「じゃあ、ラーメンは?」

「それなら、カップでいい」

「身体壊すよ」

「もう壊れてる」

「だから、メタボになるんだよ。ゆうくん」

「ほっとけ・・・」


沈黙がながれる・・・


「・・・って、ナンシー、いつから?」

「ゆうくん、気付くの遅いよ」

「・・・って、不法侵入だろう?」

「いとこなんでしょ?それに私は人じゃない」

「そういう、問題じゃない・・・って、どうして、現実にいる?」


ナンシーは、人差し指を僕の口にあてる。


「女の子には、秘密があるの」

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