第8話

夢を見た。

それが夢だとわかる、明晰夢。


僕は、ベランダにいた。

「今日は飛べるか?」

空へ向かってテイクオフ・・・


でも、落ちた。

でも、ふんばった。


まるで、溺れている人がもがくかのように・・・


「だから、太りすぎだって」

「夢でも、関係あるのか?」

「もちろん」


昨日の天使が、そこにいた。


「やあ、ゆうくん、また会えたね」

「会いたくなかったけどね」

「つれないな・・・昨日はあんなに燃えたのに・・・」

「ウソはつかないように・・・」

「やっぱ、わかるか・・・」


手を差し伸べてくる。


「じゃあ、行こう。ゆうくん」

「OK.リャナン・シー」

「長いから、その名はいいよ」

「じゃあ、何て呼べばいの?」

「エリザベス・キューピット・ゴンザレス・・・∞」

「長い。じゅげむじゃあるまいし・・・」

いたずらっぽく笑う天使。


何なんだ・・・


「ナンシーでいいよ」

「OK.ナンシー」

「さあ。行こう。君の見たい空の上へ・・・」

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