第四章 アダマンタイト級冒険者

第18話 その一

「何処から入ってきた⁉ ドライアードから離れろ‼」

 背の高い男が、部屋の出口に立った。白いアラブの男性が着ていそうな服。長い腕を広げて、出口を塞いでいる。

「侵入者だ! 四階だ!」

 男が下の階に向けて叫ぶ。

(そんなぁ⁉ なぜ気付かれた⁉)

 ユウタはドライアードを背負ったまま、不可視化のローブを掴み、急ぎ袖を通そうとした。

 しかし、白い服の男が素早く動き、ユウタの顔目掛けて拳を振る。

(――速い!) 

 ユウタは慌てて避ける。辛うじて拳はユウタの顔の横を通過する。しかし、突然、男の拳が方向転換し、着ようとしていたローブを掴んだ。

「やはり、不可視化を使っていたか――」

 どうやら、男の目的は、最初からローブだったようだ。

「クソっ! 離せ!」

 ユウタがローブを引っ張り返そうとするが、男の握力が勝り、どんなに揺さぶっても、ローブをしっかりと掴んで離さない。

 逆に男のもう片方の手がユウタの胸ぐらを掴もうとしてきたので、ユウタの方がローブを放し、距離を取る。

(俺のローブ!)

 しかし、取り返す余裕はない。ここで、時間を使えば、他にも敵がやってきて囲まれてしまうかもしれない。幸い、男が扉の前から動いたおかげで、今なら部屋の外に出られる。

 このチャンスを逃してはなるものかと、最短距離で部屋の外に出て、階段へと全力で走る。

(畜生! 俺のローブが――)

 稀少なマジックアイテムだが、今は屋敷から逃げ出すことが先決だ。

 ほぼ全力で動いているので、ドライアードの幼生が振り飛ばされないか心配だったが、幼生はユウタの体にがっしりと抱きついている。

「もうちょっと、スピードを上げるけど、大丈夫?」

「うん! 大丈夫」

 しっかりとした返事だ。

「よし! そのまま掴まっていろよ!」

 ユウタはさらに加速して、階段を降りようとしたが、下から何人も昇ってきているのが見えたので、慌てて、上の階へ向かった。

 五階まで昇ると今度はどこか外に出られる場所がないか探した。しかし、窓らしきものは見当たらず、扉がいくつかあるだけだ。ユウタはそのまま真っ直ぐ走り、廊下の角までたどり着く。そこから廊下は右に曲がっているのだが、その先にも外に出られそうなところは見当たらない。

 そうするうちに、階段の方が騒がしくなってきた。すぐに、五階まで昇って来るであろう。

(どこかの部屋に入ろう。そこに窓があればそこから外に出る。もしなければ……その時はその時だ)

 ユウタは近くの扉のノブを回す。どうやら鍵は掛かっていないようだ。

 扉を開けると素早く入り込み、直ぐに扉を閉める。

 ふぅ……と、深呼吸をして落ち着こうとした……


「あら、かわいいお客様ね」


 初めて聞く女性の声に、ユウタはびっくりして振り向く。

(不味い! 誰かいたのか⁉)

 しかし、その光景は想像を絶していた……


「えーーーーっ⁉」


 ******


 カニージャは下から昇ってきた手下達と四階の踊り場で合流した。

「カニージャ様! 侵入者は⁉」

 下に向かわなかったということは……

「恐らく、五階だ」

 カニージャは上の階を覗き込みながら、合流してきた者達に伝える。

「わかりました! 先に行って捕まえます!」

 そう言って、五階を目指そうとした者達に、カニージャは声を掛ける。

「ちょっと待て!」

「いかがしました? カニージャ様?」

 何故止めたのかと、怪訝な顔をする者達に対し、カニージャは直ぐには応えない。

 カニージャはアゴラから五階に来てはならぬと言われていた。

 さすがに、今はそんなことを言ってられない非常事態なのは理解しているが、問題は何故、アゴラは誰も近付けさせたくないのか? それなのだが……

 カニージャはその理由をだいたい想像できていた。できていたからこそ、大勢を上に行かせたくなかった。

 五人ほどを選び、残りは待機するように言うと、カニージャを先頭に五階へ向かった。


 五階には、侵入者は疎か、他の人影もない。

「お前たちは手前の部屋から、探していけ」

「はい!」

「突き当たりの部屋は……私が確認するので、そこには誰も近寄るな!」

「承知しましたが、それはなぜですか?」

「それは……」

 言い掛けたところで、「さっさと始めろ」と命令する。

「失礼しました!」

 そう言って、手下が手前の部屋に入っていくのを確認すると、カニージャはため息を一つ付き、突き当たりの部屋へ向かった――


 ******


「なっ、なっ、なっ⁉ 何をしてるんですか⁉」

 ユウタは目の当たりした状況に赤面する。

 明かりはほとんどない。珍しく魔道具ではなく、ろうそくの光がぼんやり部屋を照らしている。なので、辺りはオレンジ色に染まっているかと言えば、少し違う。濃いピンク色だ。なぜかというと、部屋全体の壁がピンクなのだ。

 そこには八人の美女が下着姿でいる。全員亜人なのだが、顔立ちはもちろん、そのスタイルも実に魅力的で、豊満な肉体を惜しみ無くさらけ出している。中には上半身に何も身に付けていない美女もいた。

 それで驚いているわけではない……いや、それでも十分驚愕的な状況なのだが、もっとすごいことがそこにある。


 真ん中にベットがあり、そこにはなぜか、この屋敷の主人、アゴラが大きな腹を上向きにして横たわっていた。


 ただ寝ているわけではない――アゴラの着衣は大きなフリル付きのフードを被り、ピンクの花柄の柔らかそうな生地でできた服。その上に、これまたフリル付きの小さなよだれ掛けを被っている。

 口にはおしゃぶりをくわえている……ように見えるが、おしゃぶりの左右から出ているバンドが頭を一周しており、猿ぐつわになっている……

 そして、下半身は……


 何も履いてない……


 良く見ると、アゴラの体はロープで縛られ、身動きが取れないでいる――その周りを美女が囲って、アゴラのいろんな部分を撫でたり、舐め回したりしている――

 ユウタ達の姿を見て、アゴラは目を丸くし、首を左右に振りながら、うーうー唸りなっているのだが、猿ぐつわのために、何を言っているのか聞き取れない……


「見てわからない? 赤ちゃんプレイよ」

 八人の美女のなかで、一際色気のある猫耳の亜人が、ユウタの頬に手のひらを擦り付けながら答える。

 猿ぐつわにロープで縛られる赤ちゃんがいるとも思えないのだが、もう、ユウタもツッコミを入れられる精神状態ではない……

「坊やカワイイわね。一緒に遊ばない?」

 今度は豊満なバストをユウタの腕に押し付けてくるので、「ひぃぃ!」と変な声を出してしまう……

「あら、お嬢ちゃんもカワイイわ! こっちに来ない?」

 甘ったるい香りの息がユウタの耳に当たり、ユウタの背筋に電気のようなものが走った。

「ユウタ? 赤ちゃんプレイ……て、なあに?」

「キミはまだ知らなくていい! そう、あと十億年くらい知らなくていい‼」

 教育的にとても悪影響な状況を見せまいと、ユウタはドライアードの目を手で覆う。

 

 突然、扉を叩く音がして、ユウタは凍り付いた……


「アゴラ様、お休みのところ、失礼します。なにやら、声が聞こえてきましたが、如何なされましたか?」

 先ほど、ユウタを殴ろうとした背の高い男の声だ。

 恐らく、冒険者ならオリハルコン級の攻撃力はある。リーチも長い! かなり厄介な相手だ。

 ユウタは逃げ道がないか周りを見渡したが、この部屋に窓らしきものが見当たらない……

 もう、こうなったら、戦うしかないかと腹を括った時に、猫耳の美女が、外の男に向かって、ユウタが思ってもいなかったことを言う。

「何でもないわ、ちょっと盛り上がっただけよ」

「これはセシリア様……そうでしたか……実は屋敷に曲者の侵入を許してしまいました。どうもこの階に逃げ込んだようなので、大変申し訳ありません。中には入って調べさせていただいてもよろしいでしょうか?」

「ダメよ! 今、アゴラ様はお取り込み中です。この部屋には誰も来ていないわ。きっと、他の部屋よ。早く捕まえてちょうだい!」

「はっ! 大変お騒がせいたしました!」

 そう男の声が聞こえたあと、遠ざかっていく駆け足の音が聞こえた。

 何がなんだかわからないが、とりあえず目の前の危機は過ぎたようなので、ユウタは安堵のため息を漏らす――しかし……

「どうして、助けてくれたのですか?」

 セシリアと呼ばれた猫耳の美女に訊ねた。

「あら、違うわよ」

「……えっ⁉」

「あの人達って、警備のために雇われているのでしょ? なのになぜ私たちが手助けをしなければならないの? 高いお金払っているのだから、その分、働いてもらわないと――そうでしょ?」

 そういうものか? とユウタは苦笑いする。

「あの……もしかして、あなた達って、アゴラが村から連れてきたという……」

「あら、そんなことも知っているの? 坊や?」

 セシリアはまたユウタに頬に手を擦り合わせながら、耳元で囁く。

「いや……なんか……無理やり連れてこられたと……」

「――私たちが⁉」

 そう言うと、セシリアは思わず吹き出してしまう。他の美女達も、「フ、フ、フ」と笑っている。

「その逆よ」

「えっ?」

 ――逆ってなんだ?

「私たちがは村の生活が嫌で、アゴラちゃんに街に連れて行ってほしいって頼んだら、妾になるなら、屋敷に住まわてくれるって言うから、付いてきちゃったのよ」


(……なんか、聞いていた話と違うような……)

「それでいいんですか? その……妾って……」

「なぜ? アゴラちゃん、こんなにカワイイのに?」

 セシリアはユウタから離れ、今度はアゴラの頬に胸をを押し当てる。すると、血走っていたアゴラの目が、とろんとしてくる……

「ハ、ハ、ハ……」

 どうやら、ユウタにはわからない世界のようだ……

「ユウタもオッパイを押し付けると気持ち良くなるの?」

 後ろから声がして、より密着度が増した。特に胸の辺りが……

「キミは変なこと覚えなくていいの!」

 ユウタはここにいても、何もいいことはなさそう――特に教育的には最悪――だと理解し、部屋を出ることを決意する。

 探索能力を行うと、先ほどの背の高い男を含めて六人がこの階に上がっているようだ。距離にして十メートルほどしか離れてないが、これ以上待っても状況は悪くなる可能性が高い。

 ここは、一か八か部屋を飛び出すしかない……

「それではお世話になりました」

「それじゃ頑張ってね~」

 一応お別れが済むと、ユウタはドライアードを背負ったまま、ゆっくりと扉を開ける。

「いたぞ! 出てきた!」

(げっ!)

 どうやら待ち伏せされていたようだ。

 ユウタは、直ぐさま向かいの扉を開けて中に入る。暗がりだが、正面から少し明かりが見える。

(よし窓だ!)

 直ぐに窓の前に行き、ロックを外すと、窓を全開にする。

 そのタイミングで、追っ手も部屋になだれ込んでくる。

「飛び降りるからしっかり捕まって!」

「うん、わかった!」

 ユウタは窓の枠に足を乗せ、それを蹴り飛び降りる。

「待て!」

 危機一髪、捕まえられる前に、飛び降りることができた。

 ユウタは後ろを確認すると、追っ手が窓から顔を出すのが見えた。

(よし、逃げ切れた!)

 勝利を確信した矢先……

「ユウタ、下……」

「えっ?」

 下には一面の水が張ってあり、ユウタとドライアードは水面へ真っ直ぐに落ちていく。

「わっ! わっ! わっ!」

 ユウタは足をバタバタするが、放物線の方向は変わらない。さすがに、浮遊魔法も使えない。

(いったい、なぜこんなところに水が⁉)

 アゴラの屋敷の周りのは、池のようなところはなかった。

このまま、水の中に落ちたら、怪我はしないまでも、水から上がるのに時間が掛かり、追っ手に囲まれてしまう。自分はともかく、ドライアードは泳げるのか⁉

「もうダメだーーーーっ!」

 そう声をあげだ瞬間、体が浮いたような気がした……

「……あれっ?」

 気が付くと、上昇気流のように空気の圧力で下から押し上げられ、変化球のように、大きく曲がり、水の無いところに着地する。

 ユウタはいったい何が起きたのか直ぐには理解できず、目を丸くして、ぽかーんとする。

「……風?」

「ユウタ、平気か?」

「キミが、やったの?」

「問題ない――ユウタは私が守る」

(あれ? 立場が逆になってない?)

 ユウタは「ハ、ハ、ハ……」と苦笑いをする。

 風系の魔法? いや、そんな感じではなかった。となると……

 そういえば、森の住人は、いろんな精霊の加護を受けているとユグドラシルのNPCが話しているのを思い出した。このドライアードの幼生は、風の精の加護を受けているのかもしれない……

(風の精の加護を受けた森の妖精か……そういうこともあるのか? 風の精霊は確か『シルフィード』……)

「よし! キミの名前を決めた!」

「わたしの?」

「そう、キミの名前はシル! どうだい?」

「シル?……わたし、シル?」

「いやかい?」

「ううん! シル……うれしい!」

 どうやら気に入ってもらえたようで……

 しかし、ここはどこなのか? とユウタは辺りを見回す。

 四方を建物で覆われている。どうやら、屋敷の中庭のようだ……真ん中がプールになっており、プールサイドには観葉植物や折り畳み式のサマーベットが置いてる。

 さすが金持ちの屋敷だと感心すると共に、サマーベットはこの世界にもあるんだと、少し驚く。

 建物は三階建てに見える……元々五階建ての筈なので、ここは三階ということになる――つまり、ユウタ達は三階にある、中庭のプールサイドにいることになる。

(さてどうしたものか……)

 建物の高さは十メートルほど。ユウタ一人なら飛び越えられない高さではないが、さすがに子供一人背負ってでは、飛び越えられそうにない……

 ここは素直に建物への入口を探すしかなさそうだ。

 恐らく、直ぐに追っ手がやってくるだろうが、ここは突っ切るしかない……さすがに厳しいが、他に手はなさそうだ……その時。


「ユウタ……」


 どこからか、聞き慣れた声が聞こえた。

 すると、入口の扉が開き、誰かが手招きをする。

 暗くて最初は良くわからなかったが、近付くと、その人物は猫耳をピクピクと動かし、辺りを警戒しながら、ユウタを招き入れる。

「ラミィ! なんでここに⁉」

「しーっ……」

 口元に人差し指を当てて、静かにするように促す。

「ごめんね。実はユウタが家を飛び出すのが見えて、ずっと付けてきちゃったの……そしたら、ユウタがこの屋敷の前で姿が消えちゃったでしょ? どうしようかと思ったら、今度は屋敷が騒がしくなってきたので、隙を見て、屋敷に入ったの。そしたら、今後はユウタが落ちて来るのが見えて……」

 本当なら、なぜ付いてきたんだと怒らなければならないところだが、正直、このタイミングで助けに来てくれたことに涙が出そうなほど嬉しかった――まあ、ここからどうやって脱出するかという問題は残ったままなのだが……

「付いてきて、裏口があるの」

 そう言って先に進むので、ユウタはラミィの後ろを付いていく。

「ところで、そのコは?」

 ラミィが指差すと、シルは首を引っ込める。

 当然の質問に、この屋敷に囚われていたこのコを救出しに来たことを説明する。

「そうなんだ……でもなんで私達に話してくれなかったの?」

「えーと、それは……」

 どう説明しようかと思ったところで、ユウタの探知能力が人影を察知した。

 ユウタはラミィの腕を取り、隅に隠れると、人影数人をやり過ごした。

「まずは、ここを出よう。詳しいことはそのあとだ」

 ユウタの提案にラミィは頷き、黙って出口へと向かう。

 自信有り気に進むので、迷わず付いて行く――しかし、向かった先は行き止まりだった……

「あれーっ? 確かこっちだったはずなのに……」

(――しまった……ラミィは方向音痴だった……)

 大事なところに気付かず、ユウタは後悔するが、既に遅かった。

「多分、こっち……」

 引き返そうとするラミィの襟元を引っ張る。

 ユウタの探知能力が人影を三つ、こちらに向かっているのを感知した。

 しかし、周りを見回しても、隠れるところは見付からない……

(これは……ヤバイ……)

 策を考える間もなく、退路を塞がれ、袋のネズミ状態になる。

 敵は三人、その一人は先ほどユウタから不可視化のローブを奪った、背の高い、白い服を着た男だ。

「仲間もいたのか……しかし、もう抵抗できないだろう。おとなしく、ドライアードを返してもらおう。そしたら、命は取らない」

 白の服を着た男が、落ち着いた声で、投降を促す。

 しかし、隣にいた、いかにもチョイ役の顔をした男が、ニヤケながら、前に出てくる。

「俺に任せてくださいよ、直ぐに片付けますから」

 ポキッ、ポキッと、指を鳴らし、ラミィとユウタを挑発する。

「待て! 勝手なことをするな!」

 白い服の男が止めようとするが、全く聞こうとしない。

「ユウタ、私が囮になるからその隙に逃げて……」

 ラミィが小声で囁く。

「逃げろって、おい……」


「武技! ネコパーンチ!」


 ラミィが男の顔目掛けて、跳び蹴りをすると、突然のことで、チョイ役っぽい男は防御もできず、まともに食らい、壁に叩き付けられる。

「それ、武技じゃねぇ……てか、パンチでもねぇ……」

 そう文句を言うと、白目を剥いて、床へ崩れ落ちる。

 このタイミングを逃してはなるまいと、ユウタは白い服の男の横で、仲間がやられるのを呆気に取られて見ていたもう一人に素早く迫り、相手の顎に手を当てて、そのまま壁にぶつける。

「うぐぁ!」

 そのまま、壁をずり落ちるように崩れ、動かなくなる。

「逃がせはしない!」

 白い服の男が、ついさっき「シル」という名前をもらったドライアードのブカブカな服を鷲掴みにしようとする。その長いリーチにユウタが慌てて避けようとするが、間に合わない……

「ネコパーンチ‼」

 再びラミィの跳び蹴りが、今度はシルの服を掴んだ長い腕へと向かう。

 白い服の男はシルの服を放し、ラミィの足首を掴む。

 ラミィはそのまま逆さ吊りの状態になり、足をバタバタする。

「ユウタ! 先行って! 私は大丈夫だから!」

「いやいや、ちっとも大丈夫じゃないだろう!」

 ユウタはラミィを助けようとするが、ラミィが暴れているので、男に近寄れない。

 すると、後方から複数の足音が聞こえてきた。このままでは挟み撃ちになってしまう――

「ユウタ行って!」

「ラミィ、直ぐに助けに来るから!」

 後ろ髪を引かれる思いだが、まずはシルを安全な場所まで連れていくことが先決だ。

 そう判断し、その場から離れる。

「ごめん、ラミィ!」

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