第3話

俺は駆に、廊下で見た真希のことを伝えた。

「なぁ、やっぱこのままだとまずいよな。どうやったらこの世界を終わらせられるんだっけ…。」

「俺も、思い出そうとしても思い出せないんだ。どうやって、この"謝ったら自分の大事なものが1つずつなくなる"世界を終わらせられるのか。」

こんなことになってしまったのは全部俺のせいだ。俺が生半可な気持ちでこんなことを提案してしまったから、この世界から誰かの大事なものも、大事な人も次々消えていってしまうんだ。俺はどんどん追い詰められていった。

「…おい、…おい、智!どうした?ボーッとして。とにかくどうすればこの世界を終わらせられるか考えるん…」

「…ごめんな、駆。全部俺のせいだ。俺がお前をこんな話に誘ったのが悪いんだ。」

「智、お前今!」

俺は無意識のうちに謝っていた。慌てて辺りを見回したが何かが無くなった様子はなかった。

「智、お前のせいだけじゃない。とにかく落ち着け。今は一刻も早くこの世界を終わらせる方法を考えるんだ。とりあえず今日はもう帰ってゆっくりその方法を考えてくれ。安易に謝るんじゃないぞ。」

「分かった…。」

俺は必死にこの世界を終わらせる方法を考えながら歩いていた。気づけばもう家の前まで来ていた。しかし毎日生活しているはずの家から何故か人気が感じられなかった。まるでこの家に誰もいないような…。

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