薄皮一枚で隔てられたヒトと、ヒトでないもの

「表皮の剥ぎ方」という衝撃的な単語が目に飛び込んでくる冒頭から、次第に主人公の置かれた状況と苦悩が明らかになっていきます。

「透明な外皮に覆われた顔に笑みが浮かんでも、人間の目はそれを関知しない」
この一文に、これから先、気付かれることもなく、失われ続けていくものの大きさに胸が痛みました。
もし自分だったらどんな決断を下すのか。
人間らしい決断とは何なのか。
読み終えた後もまだ答えが出ていません。