第3話 回想 旅立ち

 子どもが堕りてしまって私は、夢も希望も失い、途方に暮れてやがて鬱になって仕事も出来なくなった。行く当てはないけれども、ここには居たくない。辛すぎる。


 神社の拝殿の前にうずくまり、ぐしゃぐしゃになって泣いていた。


 そこで、脳裏に声がしました。


 「私の為に泣いてるの。」


 「え」


 耳を疑った。


 が、確かに、また聞こえた。


 「もう一度産んでくれたらありがたいとおもいます。」


 「え、俺はどうしたらいいんですか。」


 「秘密。」


 

 「丑寅へ向かいなさい。」


 家に帰って、さっそく荷物をまとめた俺は、車に荷物を詰め込んで東北へ向かうことにした。


 「ちょっと待ってよ、私も連れてってよ」と脳裏に聞こえた。


 それで、典子のことが気になった。


 典子に電話した。

 「俺、東北に行くけど典子どうしたい。」


 「私も連れてって!!!」


 「わかった。迎えに行く。」


 典子を迎えに行き、私たちは駆け落ちをしました。


 

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