中学時代③


 公立一期や私立の推薦入試を終え、友達と帰っていた日に、

「私は五時間も勉強しているのに受からない。なぜ、勉強していないあいつらが受かるんだ」

 と愚痴を言われた。

 彼女の家は経済的にあまり裕福とは言えない環境だと自分で言っていた。だから、私立を滑り止めで受けてはいない、公立一本で行くと。

 その公立の一期入試に惜しくも落ち、勉強していない人達が私立に推薦を決めたのが腹立たしかったのだと思う。


「本当は私立に入りたい学科があった。けれど我が家にはお金が無いから私立なんて入れない」

 そう語る彼女の話を聞きながら罪悪感に苛まれたのは言うまでもないだろう。


 当時の私は一日一時間勉強したら良い方だったのだから。

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