第8話 パーティ結成、魔法を撃ち込まれるのはトラウマだ

 次の日の朝、登校すると、壁にパーティ分けが貼り付けられていた。以下俺のパーティは、


 第3パーティ

 ゲイツ=グルー=アーガルド、剣士

 エレナ=テスロット、槍士

 グリュウ、タンカー

 ライル、弓士、斥候、単一使い

 ファニー、魔法使い


 この5名だ。そして魔法使いがいるのは第3パーティと第4パーティのみである。俺を含めて単属性使いが二人、複属性使いが二人の計四人だ。ちなみにファニーは複属性使いの女性である。っておい、魔法を使うってだけで目立ってるじゃないか。


 そんなことをパーティメンバーが集まるまでの間に考えていた。既に一人を除いて集まっている。大剣を背負った男性、槍を持った女性、それに杖の持った女の子(この子は小柄で幼いため女性と言いづらかった)だ。そして俺の出で立ちの基本は旅装と変わらないが、剣と短剣を腰に差し弓を背負っている。剣の質も以前よりも良い奴だ。以前は、お金を持っていると思われたく無かったから安物を差していたのだ。三人の様子を見ていると、盾を持った獣人がやってきた。


 「すまない。遅くなった。ここは第3パーティであっているよな?」


 (耳の形から猫? いやどうだろう、獣人のことは分からん)


 そう獣人族である。獣人族は更に猫族、狼族などなどと細かく分かれいる。この聖王国では、そこまで差別が酷くないため獣人が結構いる。差別については、貴族に獣人族が居ない点でお察しである。獣人族は遺伝具合によって、見た目がかなり変わる。さらに先祖返りなどもあるため、更にややこしい。この獣人は血を濃く受け継いでいるのか、獣顔をして、爪が鋭い、見えている範囲ではそれくらいだが、腕や足は毛が濃いかもな。ほかの特徴としては眼が黄色で尻尾があることだな。相手を観察しつつ俺は返事をする。


 「はい、そうですよ」


 「よかった。なら遅れた俺から自己紹介をしよう。名前はグリュウ、虎の獣人族でタンカーだ。耐久力と俊敏姓には自信がある。だが字が読めない。ここに来るのが遅くなったのもそう言うことだ。まあ、その、よろしく頼む」


 グリュウは虎の獣人だったか、虎獣人は筋力や俊敏姓に優れた種族である。獣人自体の特性である高耐久も組み合わさって、隙のないタンカーになれるか? 体格は身長が180センチを越えている。スラッとしつつも、ガッシリした雰囲気もある。そして今がチャンスとばかりに、こっそりと<分析>を使用する(別に堂々と使ってもバレない)。ちなみに字が読めないことは珍しいことではない。貴族や商人など以外はその手の管理者くらいしか字が読めなかったりする。それでも最近は私塾なども開かれており、都市部では読める人が随分多くなった。



名前:グリュウ

職業:冒険者見習い  種族:虎獣人族

年齢:14歳  性別:男

クラス:タンカー

レベル:18

状態:健康


ボーナス ()内はBP補正/スキル補正。ユニークや固有は除く。

耐久:+182(+0/+71)=253   S

魔力:+36(+0/+0)=36   E

体力:+126(+0/+47)=173   S

筋力:+50(+4/+16)=70   A

器用:+27(+5/+21)=53   C

敏捷:+60(+5/+11)=76   B

精神:+28(+0/+5)=33   E

知力:+9(+0/+5)=14   E

感覚:+18(+3/+11)=32   C

幸運:+0(+1/+0)=1   D


スキル:剣LV3、短剣LV1、槍LV2、盾LV4、大盾LV2、棒術LV2、格闘LV2、メイスLV3、投擲LV1、防御LV4、頑強LV2、受け流しLV1、魔法抵抗LV1、挑発LV3、不動LV1、ランニングLV4、鍛冶LV1、木工LV1、細工LV2、看破LV2、気配察知LV2、追跡LV2、魔物知識LV2、動植物知識LV1、サバイバルLV3、農業LV1、解体LV2、耐久体力回復促進LV2/3、耐久体力強化LV1/1。


残りスキルポイント:54

ユニークスキル:俊敏、根性。

固有スキル:なし

称号:なし



 ステータスの横の評価は、例の魔道具での評価である。およそ俺の予測でもある。うん。獣人の宿命か精神と知力がとても低い。まずは字を覚えさせたいが難儀しそうだ。


 「次は俺だ」


 大剣を背負った男性が前にでる。身長は180センチ弱ほど、グリュウの方が僅かに大きい。ただし、グリュウと違って非常にガッシリしている。もう見た目から。髪は茶髪で眼は青い、精悍な顔立ちをしている。


 「俺の名前はゲイツ=グルー=アーガルドである。父は準男爵だ。見たとおり人族で剣士だ。特技はこの大剣で敵をぶった斬ること。趣味は剣を振ることだ」


 そう言って背負った大剣を抜きはなった。なかなかの剣速だ。そして<分析>を使用する。



名前:ゲイツ=グルー(シア)=アーガルド

職業:冒険者見習い  種族:人族

年齢:15歳  性別:男

クラス:戦士

レベル:16

状態:健康


ボーナス ()内はBP補正/スキル補正。ユニークや固有は除く。

耐久:+112(+0/+41)=153   A

魔力:+80(+0/+2)=82   C

体力:+112(+0/+16)=128   B

筋力:+83(+14/+25)=122   S

器用:+24(+0/+15)=39   B

敏捷:+21(+0/+5)=26   C

精神:+16(+1/+7)=24   D

知力:+16(+1/+9)=26   C

感覚:+16(+0/+3)=19   D

幸運:+0(+0/+0)=0   E


スキル:剣LV3、短剣LV1、槍LV2、大剣LV5、盾LV2、格闘LV1、防御LV3、受け流しLV1、挑発LV1、不動LV3、剛腕LV4、ランニングLV2、礼儀作法LV2、ダンスLV1、乗馬LV2、指揮LV1、鍛冶LV1、交渉LV2、計算LV2、鑑定LV1、魔物知識LV2、耐久回復促進LV1、魔力操作LV1、耐久強化LV2、体力強化LV1。


残りスキルポイント:10

ユニークスキル:怪力、狂化。

固有スキル:なし

称号:なし



 正しくパワー特化だな。一応貴族出身だから計算、読み書きはできるな。ユニークスキルの狂化がなんか怖いな。それ故の幸運E判定なのか?


 「次は私ね」


 槍を持った女性は、杖を持った女の子と少し視線を合わせた後、自分が進み出た。均整のとれた身体で長い赤色の髪を後ろで纏めている。青い眼で少し吊り目気味、そして不機嫌そうなオーラを出している。もしかすると、先ゲイツの挨拶が気に入らなかったのかもしれない。不機嫌オーラさえなければ、文句なく美人と言える。体つきはスレンダーな感じで胸は普通くらいある。


 「私の名前はエレナ=テスロット。人族で槍士……槍を使う戦士ね。私の実家はこの都市で商売をしているわ。よく家の手伝いをしていたから、交渉事は任せて頂戴。半年間だけどよろしくね」


 そう言った後チラッとゲイツの方を見るが、当の本人はまったく気付いていない。俺も気にせず恒例のステータスチェック。



名前:エレナ=テスロット

職業:冒険者見習い  種族:人族

年齢:15歳  性別:女

クラス:槍術士

レベル:20

状態:健康


ボーナス ()内はBP補正/スキル補正。ユニークや固有は除く。

耐久:+120(+0/+6)=126   B

魔力:+100(+0/+4)=104   B

体力:+100(+0/+44)=144   A

筋力:+55(+10/+14)=79   A

器用:+45(+4/+40)=89   A

敏捷:+50(+8/+26)=84   A

精神:+20(+4/+20)=44   C

知力:+20(+6/+27)=53   B

感覚:+45(+3/+28)=76   A

幸運:+0(+5/+0)=5   C


スキル:短剣LV2、槍LV7、棒術LV4、格闘LV2、弓LV4、投擲LV3、防御LV2、受け流しLV3、魔法抵抗LV1、先制LV2、加速LV1、ランニングLV3、ジャンプLV3、礼儀作法LV2、乗馬LV2、指揮LV1、戦術LV1、経営LV2、鍛冶LV1、交渉LV4、計算LV4、鑑定LV4、危険感知LV4、演技LV3、遠見LV2、軽業LV3、魔物知識LV3、動植物知識LV2、調理LV2、絵画LV1、地図LV2、解体LV1、体力回復促進LV3、瞑想LV1、魔力操作LV2、体力強化LV2。


残りスキルポイント:21

ユニークスキル:反射神経、闘気。

固有スキル:なし

称号:なし



 ステータスが全体的に高い。レベルも20と高い。欠点と呼べるところは、レベルの割りに低めな耐久値くらいか。そして槍LV7がすげーな。知力も高いし、交渉事は任せて大丈夫そうだな(自分でやるの面倒だし嫌だ)。


 視線を感じたので顔を向けると、杖を持った女の子が心配そうにこちらを見ている。お先どうぞのジェスチャーをしたら、少し安心したように喋りだした。最後が嫌だったのかもしれない。


 「つ、次はわ、わたしが」


 それでも噛み噛みだったが。


 「ふ、ファニーと言います。は、ハーフエルフです。火と水の魔法を使える魔法使いです、趣味は裁縫と料理です、苦手なことは運動全般です。足を引っ張るかもしれませんがよろしくお願いします」


 噛んだ後は早口気味で駆け抜けた。ローブを来ていて体型はよく分からないはずだが、合間に見える胸は大きかった。身長は140センチ以下、長い金髪で碧の眼をしている。今は可愛い系だが、成長すれば間違いなく美人さんになるだろう。そして恒例のステータスチェック。



名前:ファニー

職業:冒険者見習い  種族:ハーフエルフ

年齢:12歳  性別:女

クラス:魔法使い

レベル:12

状態:健康


ボーナス ()内はBP補正/スキル補正。ユニークや固有は除く。

耐久:+36(+0/+2)=38   E

魔力:+194(+0/+62)=256   S

体力:+36(+0/+22)=58   E

筋力:+6(+0/+3)=9   E

器用:+6(+3/+19)=28   D

敏捷:+29(+0/+0)=29   C

精神:+24(+2/+31)=57   B

知力:+46(+7/+39)=92   A

感覚:+12(+0/+12)=24   D

幸運:+10(+0/+0)=10   B


スキル:杖LV1、魔法抵抗LV3、礼儀作法LV2、裁縫LV4、指導LV2、経営LV2、細工LV1、交渉LV3、計算LV4、魔力感知LV3、動植物知識LV5、薬学LV4、調理LV4、農業LV3、酪農LV2、診察LV2、魔力回復促進LV4、瞑想LV3、魔力操作LV5、属性魔法(火/水)LV3/4、生活魔法LV5、強化魔法LV2、魔力強化LV2。


残りスキルポイント:36

ユニークスキル:魔法の素質、妖精の加護。

固有スキル:なし

称号:なし



 魔力一点特化過ぎる。耐久の低さがヤバイ。ハーフエルフでもエルフ寄りのステータスなんだろうな。だからグリュウと同じパーティにしたのかもしれない。素早く守れるように。12歳でレベル12にしては知力も非常に高い。将来が楽しみだな。逆に武器スキルが杖LV1のみ、筋力E。うん、絶対に近接戦させてはダメだ。気を付けよう。


 「では最後は俺だな」


 「名前はライル。人族の斥候で、メインの武器は弓、サブは剣だ。一応、風魔法だけ使用できるが期待しないでくれ。趣味は散策。苦手なことは魔法を撃ち込まれることだな。そういう分けで、よろしく頼む」


 ちなみに現俺のステータス<隠蔽>バージョン。



名前:ライル

職業:冒険者見習い  種族:人族

年齢:14歳  性別:男

クラス:斥候

レベル:15

状態:健康


ボーナス ()内はBP補正/スキル補正。ユニークや固有は除く。

耐久:C

魔力:C

体力:B

筋力:D

器用:C

敏捷:B

精神:C

知力:C

感覚:B

幸運:A


スキル:剣LV3、短剣LV3、格闘LV2、弓LV4、投擲LV2、防御LV2、受け流しLV1、魔法抵抗LV2、ランニングLV2、鍛冶LV1、交渉LV2、計算LV4、鑑定LV4、看破LV2、気配察知LV3、隠密LV3、探索LV3、罠LV3、遠見LV2、軽業LV2、魔物知識LV3、動植物知識LV3、調理LV2、解体LV2、魔力回復促進LV4、魔力操作LV4、風魔法LV3、生活魔法LV3、強化魔法LV3、魔力強化LV2。


残りスキルポイント:5

ユニークスキル:第六感。

固有スキル:なし

称号:なし



 ステータスは劣化エレナだな。スキル完全に斥候使用である。


 「あれは恐ろしい。ホントに」


 なんか頻りグリュウが頷いているが、魔法抵抗付ける訓練でもしたのかな? 獣人って総じて精神低いし、そりゃ恐ろしいわな。ちなみに俺は母様を何度か怒らせて、その際に撃ち込まれた。手加減されてたが痛いし怖かったよ。


 そうして少し雑談をしていると、


 「よし、皆自己紹介は終わったな? 終わってないところはさっさとしろ。これからお互いの実力を知るために、いくつかグループに分かれて模擬戦をしろ。グループは――」


 そう教官の指示がきた。



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