第2話 3ヶ月から1歳、屋敷探検は危険
3ヶ月が経過し、首が据わった頃、ダ女神が提案してくる。
『そろそろ<魔力操作>のトレーニングをしましょう』
(そうだな。してどうやって?)
『あっれぇ、そんなことも忘れちゃったんですか~?』
勝ち誇った感じでダ女神が言ってくるので、
(どこぞのダ女神のせいでな)
『ぐはっ』
完全に自爆である。俺の所為にするなよ? 3ヶ月付き合って分かってきたことだが、このダ女神ホントにダメな女神である。
ところでこの3ヶ月で家族構成が分かってきた。兄が二人に姉が二人だ。ただし、姉のうち人は母親が違うみたいだ。俺の親父側室がいるとは……ヤリヨル。
そして兄はカイと呼ばれていた6歳の子とクリスと呼ばれていた4歳の子である。カイの方は父の血を多く継いだのか黒髪茶色の瞳だった。クリスは逆で母と同じ銀髪水色の瞳だった。同腹の姉はエーシャと言いクリスと同じ4歳で母親似。銀髪で水色の瞳、ちょっとキリッとしているところは父親似かも。ちなみにクリスとは双子らしい。どちらが上かは分からなかったが、エーシャの方がしっかりとした感じだったので、姉と予測している。異母姉の方は見ていない。リュンカと言う名前で2歳という事だけ、メイドたちの会話の内容から知ることができた。
『どーせ私はダ女神ですよーだ』
回想している間にダ女神が拗ねていた。ちなみに<隠蔽>を使うことで読心されなくなり、念じた部分だけが伝わるようになった。これで悪口も自由に考えられるぜ。前からそうだったが。
(この前、自分で言ってたしな)
そうこの前調子に乗って、『私のことは敬意を込めてダ女神様って呼んでも良いんだからねっ』とか言って自爆していたのである。本人曰く純粋に間違えたらしいが、俺からするともうダ女神なこと受け入れているんじゃないかと心配している。俺からしても真っ当な女神の方が良いしな。
『傷口に塩を塗り込むなんて、貴方は本当に人ですかっ? 鬼や悪魔じゃないんですかっ!?』
(取りあえず、話を進めようか。<魔力操作>ってどうやるんだ?)
『あっれぇ、そんなことも忘れちゃったんデスカー』
うん? 少し訝しんだが、すぐ気付いてしまった。気付いてしまったのだ!
(ダ女神、まさか……『ギクッ』<魔力操作>のやり方分からんのか?)
まあ『ギクッ』とか言っていた時点で確定だろうな。さてどうしたものか。ダ女神は『ギクッ』と言ってから反応がない。もうそっとしておいてと言うオーラを出している。このオーラは雰囲気という奴で、目に見える分けじゃないから、無視して追撃しても良いんだが……(鬼畜)。まあふて腐れると後で困るからやめとこう。
とにかく、ダ女神の事は置いておこう。今肝心なのは<魔力操作>の訓練をすることだ。ここで良いスキルに気付く。<魔力感知>LV7。前世の頃に習得したスキルだが使えるはずだ。そう考えて集中する。
すると自分の体、血液の流れと一緒に魔力が循環しているのが感じ取れた。たぶん自分の身体だからこそ分かるのだろう。ついでに照明からも魔力が感じられた。魔法の道具の一種だろうか? おっと、意識が逸れてしまった。自分の身体を巡る魔力に集中する。
……ところでここからどうすれば良いんだ?
分からねぇ。取りあえず、右手に魔力を蓄える感じにしてみる。すると暖かいモノが右手に集まってきた。魔力の色が見える。紅い色だ。
――スキル<魔力操作>を習得しました――
あっさり習得してしまった。すると――
『これは私の指導の賜物ですね』
突然復活したダ女神が、なんか都合の良いこと言ってるが無視だ。相手をしたら負けだ。右手に集めた紅い魔力を今度は左手に移してみる。時間は掛かったが移すことができた。操作速度が遅いのはまだ身体が慣れていないからだろうか?
『無視しないでくださいいい』
面倒な女神と思いながらも、これ以上放っておくと更にうるさくなりそうなので相
手をすることにする。
(女神様のお陰で無事、<魔力操作>できるようになりました。とっても分かりやすい指導ありがとうございます)
『嫌みたっぷり込めて言わないで下さいっ』
声からして半泣きである。少しいじめ過ぎたか? まあいいか。
(まあなんだ、次は何がオススメなんだ? その辺りの情報は期待しているぞ)
一応配慮して聞いてみる。
『期待!? フフフ。そうですね~、今できる事と言うと魔法関係になりますね。
<瞑想>とか、後は……もう少し<魔力操作>を伸ばせたら、<生活魔法>にチャレンジするのもありですね~』
機嫌治るの早いな。まあそれは良いことだ、俺にとっては。
(<生活魔法>とか赤ちゃんの状態で使って大丈夫なのか?)
『た、たぶん……。できればハイハイできるようになってからが良いかナー』
怪しい……。やはりダ女神は信用しない方が良いな。それでもまずは<魔力操作>頑張りますか。暇だし。
『まあ、今とにかく少しでもスキルを伸ばしてレベルアップしましょう!』
(スキルが上がるとレベルが上がるのか?)
『正確にはスキルを習得したり、上がったりすることで経験値を獲得することができます。その結果レベルが上がるんです』
(なるほどな。なら気合いを入れて頑張りますか。レベルが上がると死ににくくなるしな)
『そうですっ。私のためにも死なないように頑張って下さい!』
このダ女神は基本自分の都合重視だよなぁ。少し呆れる俺であった。
俺は1歳になった。つい先日1歳になったと祝ってくれた。さすがにまだ歩くの厳しいので(捕まり立ちが限界)、基本は高速ハイハイで屋敷を移動している。基本的に父も母、そしてメイドたちも自由にさしてくれている。外に出ようとしたり、危ないところへ行こうとすると拉致されるが。
更にレベルが3になり、スキルも増えた。現在のステータスは――
名前:ライリール=グラン=オーガスト
職業:伯爵家三男 種族:人族
年齢:1歳 性別:男
クラス:魔操士
レベル:3
状態:健康
ボーナス ()内はBP補正/スキル補正。ユニークや固有は除く。
耐久:+195(+0/+0)=195
魔力:+278(+0/+96)=374
体力:+125(+0/+0)=125
筋力:+9.5(+0/+8)=17.5
器用:+8(+0/+21)=29
敏捷:+32.5(+0/+24)=56.5
精神:+44.5(+0/+20.5)=65
知力:+37(+0/+57.5)=94.5
感覚:+47.5(+0/+54)=101.5
幸運:+25(+0/+0)=25
残りボーナスポイント:15
スキル:
(影魔術LV10)、(水魔術LV8)、(風魔術LV8)、(闇魔術LV6)、(地魔術LV6)、隠蔽LV8、隠密LV9、短剣LV8、危険感知LV6、魔力回復量上昇LV8、魔力感知LV7、気配察知LV6、投擲LV6、罠LV7、鑑定LV2、看破LV1、魔力操作LV5、瞑想LV2、魔力回復促進LV2、生活魔法LV1、加速LV1、計算LV7。
残りスキルポイント:24
ユニークスキル:女神アルテナの加護、第六感、魔法の素質、分析。
固有スキル:女神アルテナの寵愛、女神アルテナの贖罪、魔法の才能、暗殺者の心得、転生者、転生者への加護。
称号:なし
ダ女神の読心を防御している所為か<隠蔽>が1上がった。他にも全力でハイハイしてたら<加速>を覚えた。何故なんだ。
それと<分析>使いまくってたら、<鑑定>と<看破>も覚えた。これは<分析>あるから、主にステータスに下駄を履かせる役目だ。
後はレベルが1になったときにクラスが<魔操士>となった。ダ女神曰く固有クラスらしい。レベルがあっさりと3になったのは、<隠蔽>の経験値が高いのと、経験値+20%の補正があるからだと思う。スキルはレベルが高くなるほど上がり辛く、上がった時の獲得経験値は高レベルであるほど大きいらしい(ダ女神談)。
さて今は屋敷の探索の途中、本日は要注意人物の姉、エーシャが側にいる。同腹の方の姉である。現在5歳で赤ちゃんを構うのが楽しいらしい。よく遊び相手になってくれる。
して何故この姉が要注意人物かと言うとだ。あれは姉とメイドさんに書斎へ連れて行ってもらったある日、姉は俺のために本を取ろうしてくれた。この時点で悪い予感はしていた。だが、その時の俺には避ける方法がなかった。
そして問題はここからで……姉の力に対してその本が重かったらしく、案の定バランスを崩すこととなり、持っていた本は華麗に宙を舞い、予感は通り良い感じに俺を下敷きにしたのだった。
メイドさんが目を離した一瞬の出来事であった。とっっても痛かった。メイドさんは慌てるわ。姉は泣くわで大変だった。よってそれ以後姉には気を付けている。
(姉さんはダ女神並みに怖いなー)
『私は女神ですよ。慈愛に満ちてます。怖いはずがありません』
ダ女神、気でも触れたか。そもそも意味を取り違えていないか? いや
ちなみに、屋敷探検中に鏡があったので、それで自分の容姿を確認したところ、髪は黒っぽい銀と言うか、黒混じりの銀と言った言葉に困るような色だった(ダ女神曰くくすんだ銀)。瞳の色は母よりも青に近い色だった。顔はまだ1歳なのもあって可愛らしい感じだった。
階段の方へ行こうとすると――
「だめ、いっちゃだめ」
と姉が通せんぼした。ちっ、メイドさんだけならば、すぐ後ろに控えてくれて登らせてくれるのに……。
少しの間睨みあったが、姉は頑固なので俺が折れて結局別のところへ行くことにする。姉も俺のすぐ後ろをトテトテと着いてくる。
(くっ、姉がいると怖くて書斎に入れない。仕方がない、母のところへ行って姉を押しつけるか)
脳内作戦会議終了。作戦を実行に移す。まずは母の場所だが、この時間(今は昼過ぎ)だいたいテラスでお茶しながら読書しているはずだ。そして問題が発覚。……俺はテラス進入禁止だった! 理由はテラスから外に出ることができ、人の目が少ない、それに動きやすい机や椅子などがあるからだ。終わった。
「あら、エーシャとライル。こんなところで何しているの?」
「う~ん、なんかライルがとちゅうでとまっちゃった」
軽く黄昏れている間に母が登場である。いつも通りニコニコ笑顔である。ここは必死でアピールである。
「まーまー。えーたらりゃしゅー(ママ、エーシャ頼みます)」
はい、まともに喋れまへん。
『くふふふふ、何か面白いことしてますね~~。にゅふふふふふ』
めちゃくちゃ楽しそうなダ女神の声が聞こえる。ぐっ、この性悪女神め……。こちらは必死だというのに。
「うん? ママを探してたの~? なら一緒にテラスに行きましょうか~」
そう言って、俺を捕獲する。マテ、捕獲対象は俺ではなく姉の方で……。
「まふー、あにゃうーだぁーだぁー」
「はーい、よしよし。では行きましょうね~。エーシャも来る~?」
「はい、かーさまいきます。おかしたべたいです」
「あら、少しだけよ」
あー、もういいっす。ぐすん。
逆にエーシャはお菓子食べられてニコニコである。要領のいい姉である。
ちなみにしょげた俺の顔を見たのか、ダ女神かなりご機嫌そうに笑い転げていた(本人談)。
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