第4話 暗き森の中で

都市郊外の森

俺はこの森の中で解放された。

あの皇帝、俺が能力持っていないとわかるとすぐに人を捨てやがった。どうやら捨てた理由はせめて色々情報が欲しかった。

兵たちも俺をここで降ろしてすぐに帰るし。

ここから先どうしようか。まず衣食住が必要で、衣、服は買うもしくは作るしかないだろう。

幸い馬車で連れられてくる時に道を覚えたのだ。だから森を出るのは簡単だ。

次に食。近くにキノコが生えてるがそのキノコは真っ赤だ。まるでカエンタケみたいだ。3g食べたら死ぬ。触れただけでも皮膚がただれるやばいキノコのトップあたりにくるやつに似た者なんて食べたくもない。そもそもキノコは素人が採取していいものでは無い。

他の植物も同様だ。日本でよく見るアジサイや彼岸花も実は毒がある。ましてやここは別世界。毒があるのかすら分からないんだ。無闇に食べていいものでは無い。

となると動物か。


と森の中を見渡すとイノシシに似た動物がいる。だが大きさはイノシシの約5倍。なんて大きさだ。とりあえず頭をこのs-carでぶち抜こう。まず銃口に何か物が詰まってないか確認し安全装置を解除。そしてイノシシみたいなやつの頭に狙いを定めて、発射!


5発撃って全弾頭に命中し、イノシシみたいなやつは倒れた。上手くいったようだ。

「よし、後はこいつを解体して焼肉パーティーでもするか。本当は罠で捕まえたかった。まぁ時間もどんな動物がいるのか分からなかったから仕方ないか。」


こいつをその辺の鋭い石を使って解体したのち焼く。

塩や胡椒があれば良かったのだが無いものは仕方ない。ただの焼いただけの肉を食べる。


お味は、昔食べたイノシシの肉だ。というかあれより酷い。臭みをとりたいからお酒か香辛野菜が欲しい。

そんな時、森の奥でドスンという重い音と悲鳴が聞こえてきた。


食事をやめ、音の原因を突き止めるべく森の奥へ進むとそこで先程のイノシシみたいなやつより一回り大きいやつが赤髪の人を襲っている。助けなくては。


急いでs-carを向け、人に当たらないようセミオートにし、注意しながら発砲。4発くらいやつの頭を撃ち、倒した。

イノシシみたいなやつの側で座っている赤髪の女は、人間では無さそうだ。なぜなら、耳が通常の人より大きく、背中に白い翼がある。


「君、大丈夫?あ、言葉分かる?」


と手を差し伸べた時、女は驚いて俺の顔面を殴った。それは綺麗なストレートパンチで吹っ飛び、後に生えていた木に頭をぶつけ俺は気絶した。



「ん..ここは?どこだ?」


目が覚めると俺はベットにいる。

確か女に殴られて気絶してここまで運び込まれたのか?

横に赤髪の女がいる。その奥に先程俺を殴った女がいる。


「ここはアルカンレティアよ。私はヘイリス族族長のルーンよ。森で瀕死のあなたを拾ってここまで運んできたのよ。」


なるほど。さっぱりわからん。アルカンレティアって何処だよ。とりあえず質問するか。

「俺は安田 照男助けてくれた事には感謝するがいくつか質問したい。いいか?」


「いいわよ。」



「まずなぜあなたは日本語が喋れる?能力とやらのおかげか?それとこの世界はどうなっているんだ?能力がどうのとか、悪魔がいるだのとか、それにあの王女、何かおかしいぞどうなってやがる?」


その問いに彼女はこう答える。


「あなたと会話できるのはあなたの手につけているそのお札の力よ。それは翻訳の札と言ってこれを使えば異種族でも会話ができるのよ。次の質問に答えるわね。実はこの世界は今崩壊に向かっているのよ。たったひとつのウイルスが原因でね。その事実を信じれなかったこの国は、悪魔に滅ぼされているという作り話を作り広めたのよ。能力というものもね、そのウイルスの副産物よ。」

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異世界無能力者の成り上がり @kokorolink

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