6
心配な気持ちを抱えたまま迎えた週明け。
登校するなり、待ち構えていた
「落ちついて聞いてほしいんだけど」
そう言う実鈴こそ顔色が悪い。いつもは冷静な親友の見慣れない表情に、花帆はごくりと
「旧図書館で
そんなやつ、聞いたことねーな。坊城なんてめずらしい名字、一回でも聞いてたら忘れねーと思うんだけど。
交友関係の広い野川先輩が、首を傾げたらしい。
「2-Bで間違いない?」
「うん」
「もう一回確かめてきてもらう」
ポケットからスマートフォンを取りだした実鈴は、ものすごい速さで親指を上下左右させる。スマートフォンはすぐに何かを受信したのに、実鈴は口を開かない。
「ねえ」
答えを
結果は想像の通りだった。
「2-Bまで行って
いったいどういうことなのか。
呆然とする花帆の
こんなに思いだせるのに、いない、だなんてありえない。
けれど状況を適切に表す言葉も見つからない。考えれば考えるほど、目の前が暗くなるようで息が苦しくなっていく。
実鈴のスマートフォンが再び震える。
「野川先輩が協力してくれるって。二年生探すなら同学年に頼んだほうがいろいろわかるよ。いい?」
二人を前にするとうまく
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