世界征服設計図

守株

世界征服設計図

 ほう。

 私がなぜこんな事をしたか聞きたいと。


 いいだろう。私の壮大な世界征服計画を教えてやる。


 まず、諸君らが世界征服をするとなった時にどんな方法が思い付くだろうか。どうせどっかの科学者みたいにクローン人間の軍隊を使って暴力的に支配するとか、大量のスパイを放って国同士を戦争させて国ごと乗っ取るとか、そんな陳腐な考えしか浮かばないだろう。


 しかし、私は違う。

 なぜなら私は無職のニートだからだ。

 いや、この腐った世界を破壊し、創造し直す事が私の仕事だ。

 だがニートなのが故、クローン人間とか作れないし、大量のスパイを雇う金も無い。


 ならばどうするか。一番手っ取り早いのは国のトップを狙ってその座を奪う事だ。その後は流れに身を任せ他の国を侵略するのだ。

 

 ____ここまでは諸君らのその物悲しげなハゲ頭でも理解できるだろう。しかし、難しいのはここからだ。

 どうやって国のトップを狙うのか。


 狙撃?NoNoNo.

 そんな技術は無いし、ここは日本だ。銃が持てるわけも無い。


 賄賂?NoNoNo.

 だから金は無いんだって。


 週刊誌?NoNoNo.

 まずネタ探すのがめんどくさい。


 ではどうするのか。


 そう。_____女だ。

 女が政治を乱し、国を潰したり、危うく潰しかけたりした例はいくらでもある。


 楊貴妃、クレオパトラ、藤原薬子、


 世界三大美女ではないぞ。小町じゃなくて薬子だぞ。

 小野小町は晩年の方残念呼ばわりされてるしな。そもそも小野小町を三大美女って言ってるの日本だけだしな。


 …そんな事はどうでもいい。

 兎に角、女を使えば国家転覆なぞ簡単な事なのだ。それに週刊誌のネタにできるかもしれないし、文字通り一石二鳥なとても素晴らしい方法なのだ。


 だが一つだけ、大きな問題がある。

 

 その女はどうやって用意するか。

 女友達はいない。と、言うよりそもそも友達がいない。そこで俺は考えた。


 俺がなればいいんだと。

 俺は女になる覚悟をし、女になる努力をした。胸パットを入れ、髭を剃り、カツラをかぶり、化粧をして、、、


 そして俺が覚悟を決めて3時間後だった。

 鏡の前にいたのは俺ではなく、可愛らしい女だった。


 これでいける。俺はそう確信した。

 しかし、いきなり本番というのも少し勇気がいる。そこで俺はテストをする事にした。


 自分が見ただけでは本当に女になれているかどうかわからない。なら、他の人に見てもらおうと。

 こう見えても俺は慎重な性格なのだ。

 

 では、誰に見てもらうのがいいか。

 友達に見せてこの計画がバレる訳にはいかない。というかそもそも友達がいない。


 なら一般の人に見てもらおう。しかし男から見たらそれは騙せるに決まっている。

 我ながら思うが男は馬鹿だからな。


 そこで俺は一般の女の人に見てもらう事にした。しかし、沢山の人に見てもらわなければ確証は得られない。ではどこに行こうか。


 沢山の女の人が居るところ。。。



 そう_____________女湯だ。



 こうして俺はこの世界征服の計画の為に、女の格好をして女湯に入ったのだ。





































______以上が被告人の証言となります。

 弁護人は弁護をどうぞ。

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