第3話 戦場の中で愛を誓い合った二人

はぁ・・・・・・ようやく落ち着いたね。

 そっちの状況は、ダーリン?

 弾丸は・・・・・・残り10発、か。

 私も同じ。このままだと、二人とも敵にやられちゃうね。

 敵の本拠地を爆破して、さあ撤退だって時に、

 相手の本体が戻ってくるなんて・・・・・・。

 本当に最悪だよ。追われて逃げて、ようやく

 この倉庫で一息つけたけど。

 ・・・・・・最悪、ここで二人ともお別れだね。

 あ~あ。どっかの誰かさんが、

 「この戦いが終わらせたら、僕たち結婚します!」

 なんて盛大なフラグを回収してくれたからね~。

 なぁに?その顔は~?

 ああいうセリフは、勝利してから言うものなの。

 ただでさえ劣勢で、こっちは兵の数が足りないのに

 そこに特攻しかける作戦組んだアホ司令官や

 ダーリンの宣言を聞いて士気を上げる周りのせいで、

 引くに引けない状況作ったんだから、

 誰が何を言おうと、ダーリンのせいだからね!

 そう、そうだよ。反省してくださーい。

 ・・・・・・まぁ、嬉し・・・・・・かったけど?

 お前もじゃないかって?!

 そうだよ、私もだよ!

 訓練生時代から隠れて十年。

 ようやく上官や周りに認められたお付き合いで、

 時代が時代じゃないならすぐに結婚して

 子供2人と幸せな家庭が出来ると

 妄想してたのに! 

 ・・・・・・はぁはぁ。落ち着こう、ね。

 敵に見つかったらただでは済まないだろうし。

 一旦、状況を確認してから、今後を考えよう。

 ・・・・・・! 静かに・・・・・・。

 足音、聞こえた・・・・・・。

 それに息遣いも・・・・・・。ほら・・・・・・また。

 ひゅー、ひゅーって・・・・・・。聞こえない?

 聞こえた?やっぱり、近くまで来てる・・・・・・?

 ――ダーリン、覚悟決めようか?

 ここで二人とも命を絶つか。

 やられるのを覚悟で、敵を倒すか。

 選んで・・・・・・ダーリン。

 私もそれに従うから。

 え? もう一つ、選択肢があるって?

 な、なに。もしかして凄い兵器があるとか!?

 へ? 誓いの言葉を立てる・・・・・・!?

 ダーリン。ふざけてるの?今そんな状況じゃ・・・・・・。

 ふざけてない?最後かもしれないから、

 せめて結婚の誓いを立てたい、て。

 離れ離れになるかもしれない、からか・・・・・・。

 --うん。わかったよ、ダーリン。

 

 『私たちは、いついかなる時も、互いを思い、

 愛し、慈しみ、支えあい、困難を乗り越えていく事を、

 ここに誓います。死が二人を分かつまで、永遠に--』

 

 ――有難う。ダーリン。愛してるよ・・・・・・。

 それじゃあ、行こうか。うん。一緒に。

 足音、来たね。それじゃあ--!


 はぁ・・・・・・はぁ・・・・・・。

 もう、ダメ・・・・・・。弾が足りない・・・・・・。

 ダーリンは? だめか・・・・・・。

 もう。あれもフラグだったんじゃないの。

 まあ、いっか。ダーリンが、傍にいてくれるから。

 うん、愛してる。私も、だよ。

 手、握ってて・・・・・・。そう。

 温かい・・・・・・この温もりを感じたまま、

 あなたと、一緒に・・・・・・。


 あれ・・・・・・生きて・・・・・・る?

 え、なに、爆発・・・・・・! あ、あれ!? 援軍!?

 間に合ったんだ・・・・・・。私たち、助かったんだね・・・・・・。

 ・・・・・・うん。助かった・・・・・・みたい。

 あはは、ちょっと疲れちゃった、ね。

 少しだけ、眠らせて、ね。ダーリン。

 手、握っててね・・・・・・。うん。おやすみ・・・・・・。

 

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