宝石掘り


この地方で産出される澄んだ蜂蜜色の石は、小鳥石と呼ばれている。

手のひらほどの六角形の結晶は、花に似た甘い香りを放つ。


小鳥石という名の由来を知りたければ、この石を窓辺に一晩置いて、朝、耳を澄ますといい。

石が暖まると共に、結晶の内部に入った目に見えないほどの微細なひびが、小鳥のさえずるような音をたてるのが聞こえてくるだろう。


小鳥石を求めてこの地を訪れる旅人は、毛はまばら、口のあいだからだらりと舌をたらした犬が、人々から大切にされていることに驚くかもしれない。


これは宝石掘りに使われる犬で、犬たちは甘い香りをたよりに土の中から宝石を掘り出す。

この時、犬が醜ければ醜いほど大きく美しい結晶がとれる。


(誇らしげに大きな結晶をくわえた犬の絵)

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