ぬいぐるみたちの国
色褪せたぬいぐるみたちが通りを行き交う。
ちぎれた耳や、すりきれた布地を直そうとする者は誰もいない。
「どうして直すの? あの子が愛してくれた証なのに」
ポップコーンみたいに綿の実をほおばるぬいぐるみたちのために、街の外には綿の畑が広がっている。
もっと刺激が欲しい時は、裏通りでスチールウールが手に入る。
時々、ぬいぐるみたちは湖で体を洗いあう。
そして体が乾くまで、蟻の行列を見つめる子どもみたいにじっとしている。
(抱きしめあって眠る子どもとぬいぐるみの絵)
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