第5話 生まれ変わり

ティフォンの生まれ変わり。頭が真っ白になった。最強の能力がほしかった。異世界生活を満喫したかった。「ティ、ティフォンの生まれ変わり?」




これしか言葉が出なかった。言いたいことは他にもある。聞きたいこともたくさんある。けどこれしか言葉が出てこないのだ。今自分の顔を鏡で見るとどんな顔をしているだろうか。だが自分でも自分がどんな顔をしているかはなんとなくわかる。そう今自分の顔は・・・にやけている。




「なんでそんな気持ち悪い顔でにやけてるんだ?」




そう自分がほしかった能力は最強の魔法を使うことかまぁエクス化リバーでも許してやろうっていう感じだった。しかし罪を犯してきた俺にそんな能力を与えてくれない。そんなことを言って、はっきり言ってもうこの世界には絶望していた。しかし、罪と言われたのに、100年前の最強の魔導士の生まれ変わり?最強じゃないか!国を滅ぼしたこともあるという魔導士。能力としては最強に決まっている。




「だって国を滅ぼした事もある奴の生まれ変わりだろ?国を亡ぼすこともできるくらい強いんだろ?そんな能力最強じゃないか。さっきまで不安だったけどこれで充実した異世界生活を満喫できるぜ」




フラグという言葉を知っているだろうか現代の日本人(10代から20代くらいの人)なら絶対というくらい広まってる言葉。もちろんつばさもその言葉は知っている。というか、ゲームをやっているとき愛用していた言葉だ。「フラグたてんなよー」よく言っていた。ほかの人はふざけて言っていると思っていた。もちろんふざけて言う人もたくさんいる。というかふざけてしゃべる人のほうが多いだろう。けど無自覚に言ってしまった。


最強の魔導士その生まれ変わりと聞いてテンションが上がっていた。




「まぁ生まれ変わりはあっているんだけどね。あんたが思っているのとはちょっと違うかもしれないかな」




「たしかにあんたはティフォンの能力を受け継いでいる。魔力とか身体能力まぁ運動神経かなあとセンスそして創権それを受け継いでいるわ」




「なんかわかんない単語は出てきたけどそれは置いといて、俺の知ってる限り大体の能力を受け継いでいる気がするんだが」




そう魔力とか受け継いでるならめちゃくちゃ強い魔法も使えるはず。創権?はわからんがでもこれは思っていたより異世界でいい生活ができるそう思った。




「そう最強の魔導士ティフォンの能力は受け継いでいるけど、あんたは今魔法を使うことはできない」




「え?なんでだよ。なんか冒険者ギルドに行かないといけないとかそういう感じか?」




この世界にギルドがあるかどうかは知らんが、何か手続しないと魔法を使うことができないなら手続してしまえばいい。そう考えていた。




「違うんだよねそんな冒険者とかはないし。じゃああんた炎の魔法使ってみ」




「え?あぁ普通に魔法は使えるのか。でもどうやって魔法使うんだよ」




そう炎の魔法って言ったってどうやって魔法を使うかわからない。詠唱する系なのか。まぁ最強の魔導士となれば詠唱する必要もないと思うけど。杖とかで魔法を使うのか。それすらわからない。




「まぁそうだよね。そういうことだよ」




「どういうことだよ」




全然わからない。そういうことといわれてもどういうことなのかが全く分からない。




「能力は受け継いでいるけど魔法の使い方もわからない。まぁ簡単いうとティフォンの記憶は受け継いでいない。つまりどういう風に魔法を使ったらいいかとか、ティフォンが創った新しい魔法まぁ今となってはほとんどが禁術だけど。そういうの全部1から自分で勉強しないといけないよ」




「ん???????????」




頭の中が高速で回転しているが全く頭が追い付かない。自分で勉強しないといけない?俺が魔法をか?




「はぁ、ふぅ、はぁ」




大きく深呼吸をする




「いや、でも、まぁ大丈夫か」




落ち着いて考えてみた。まぁ勉強するといってもその最強の奴だって最初から魔法を使えるわけではないそいつも自分で勉強して強くなったはずだ。そして、その能力を俺は授かっている。つまり俺も最強の魔導士と同じくらい強くなれる。そう考えたのだ。




「強くなるためだ。勉強して俺は最強の魔導士になってやるぜ」




世界を救うためにこの世界に来た。けどまず目標は最強の魔導士ティフォンと同じ位に強くなること。世界を救うのはそのあとでもいいだろう。というか強くならないと世界救うこともできないしな。




「あ、うん、あ、うん、頑張って」




ん?どうしたんだ。急にたどたどしくなって。まぁいいかこれから異世界で強くなって女の子にモテ・・・じゃなかった。世界を救うんだった。

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