第2話 天使のような自称神
目の前には一人の天使がいた。しかし、その天使に負けないほど周りの景色はすごかった。幻想的な大自然の中に開けてある場所がありそこにポツンと机がありよく海で見るパラソルのようなものが立ててあった。
「あれ?、私よりも景色が気になるわけ?」
天使が口を開いた。
「・・・・・・」
つばさはそれを無視する。
「なんで無視すんのよ!」
ちょっと怒りながらほっぺを膨らませる
「・・・・・・」
それすらも無視する。そうつばさはこの出来事を夢だと思っている。
「すげぇな。なんだここ」
思わず口に出てしまうほどの絶景だ。
しかし、夢というものは夢とは思わない。そのことにも全く気付かない。
「あんた夢だと思っているわね」
天使があきれながら問いかける。
「ここは、まぁそうねあんたたちの世界の言葉に合わせるなら、裁きの間」
「裁きの間、、?」
思わず口から言葉が出た。
「ようやく会話ができそうね。そうここはあなたを裁く所よ。あなたを裁くためにここに呼んだの」
そんなことを言われても重大にとらえることはないだって夢だと思っているから。
「なんで俺を裁くんだよ」
普通に答える。こんな綺麗な人から話しかけられたらだれでも誰でも答えてしまう。それがこの世の中なのだ。
「そうね。ゆっくりお話はしたいけども本題を先に話した方がいいわね。あなたは大罪を犯したのよ」
「大罪?俺なんもしてねぇけど」
そう。大罪と言われても特に何もない生活を送っていて、特に悪いことをしているという自覚も全くない。
「たしかにあんた達の世界が想像している罪とはちょっと違うかもね」
「は?どういうことだよ」
「こっちの世界ではね、」
「っていうかあんな誰だよ」
「話を遮らないの。そういえば自己紹介してなかったわね。私の名前はアマテラス一応日本担当の神よ!」
「?????」
つばさは呆れたような顔でアマテラスの顔を眺めていた
「なによ!信じてないの!」
またしてもほっぺを膨らませながら怒る
「いや、神っていうより天使に見えるからな」
そう見た目は神様には見えない天使の中の天使のような見た目なのだ。
「まぁたしかにそっちの世界に天使っていう存在があるのは知ってるわ」
「ん?、なんでいきなり顔が赤くなってもじもじしてるんだ?」
そう天使みたいと言ってからなんか照れているのだ。
「お前、まさか、天使のコスプレしてるのか!」
「わ、わ、悪い!?いいじゃん私がどんな格好したって!」
「いや、別に悪くはないけどさ。まぁ。に、似合ってるし、い、いいんじゃないか」
「まぁそのことは置いといて」
恥ずかしげに顔の前で手を叩く
「今回は神の仕事としてあなたを裁かないといけないの」
「だからなんだよ裁くって俺なんかしたか?」
「天界にはルールがあってね。1週間ごとに変わる罪を用意してるのよ」
ティーポットからお茶を出し、差し出してくれた
「それで今週の罪があんたに適用されたっていう話」
「は?なんだよその罪って」
「えっと今週はね、将来の目標をニートにするって決めた人。だったわね」
「なんだそれふざけんなよ。っていうか俺ニートじゃないしふつうにこうこういってうるんだけ普通に高校行っているんだけど」
興奮気味に言う。夢だとまだ思っているが、なぜか頭の中では夢ではないという感じもする。
「だから目標をニートって言っているでしょ。今ニートの人じゃないのよ」
「なんでだよ。だったらもうニートになってるやつでいいじゃんかよ」
夢のはずなのになぜかすごい反抗してしまう。
「知らないわよ。天界が決めた罪なんだから。私が決めたわけじゃないもん」
プイッっと目をそらし自分のお茶がなくなったのか、ティーカップから注いでいる。
「じゃあ、1週間ごとに罪が変わるって言ったな。先週の罪は何だったんだよ」
つばさは怒りながらそう言う。そう自分の脳は夢ではないと思っているのだ。
「えっと・・・確か先週は・・・溶岩に頭からダイブした人だったかな。それでその前は学校の数学のテストの前に、私全然勉強してないんだよね。って言って本当にテストで0点取った人だったな」
「最初のほうは絶対ないだろ!そして2つ目も、大体勉強してないんだよねっていうやつは勉強してるじゃんか」
「そうなのよ。この罪はできるだけ適用されないような罪にしているのよ。ここ3年間は誰も裁いてないからね」
「ふざけんなよ。俺の時だけ罪が軽すぎるだろ。普通にニートを目標にしている奴なんて・・・
いねぇわ。ニートって目標じゃなくて勝手になるものだ・・・・・・」
「そういうことよ。だからあんたがここに来るって聞いてそんな奴いるんだってちょっと引いたわ」
「悪いかよ!いいじゃねぇかニート。何でも自由に生きていけるんだぞ。本当は誰だってニートを望んでいるはずだ」
大きな高笑いをしながら頭の中で自分を肯定する。
「まぁ悪いかどうかなんて私には知ったこっちゃないわ。どっちにしろあんたを裁くんだから」
「さっきから裁く裁くって言っているけど、俺に何しようっていうんだよ」
「そうよね。日本で裁くっていうと地獄に行くっていうイメージがあるからしら。それとねあんま変わらないかもね。ウフフ」
二やつくような顔をしている。この顔は人類にとって最もイラつく顔だ。
「地獄に行くって俺まだ死んでないからそんなこと無理だろ」
そう。つばさは寝てるだけ。地獄に行くのは生前に悪いことをしていくというイメージが頭の中にあるが、つばさはまだ死んでないのだ。
「あぁ、あんたもう死んでるわよ」
ティーカップを口に運びながら、さらっとそんなことを言った。
「え?、俺が死、死んでる?」
頭の中が真っ白になる。
「ま、まぁ夢だしな。そんなのどうでもいいわ」
そう。普通ならば夢なのだ。だって寝ていただけなのだから。けど頭の中では夢は自分で夢だと思わないそのことが頭の中の片隅にあるのだ。そしてなぜかわからないが夢じゃないという感じがする。
「裁くためには死なないとここには来れないからね。そうだ映像見せてあげようか?」
「は?映像ってなんだよ」
そういうとアマテラスは
「仕方ないなー」
そう言って親指と中指で指をはじいた。
「え?こ、これ、俺か?」
さっきまで幻想的な自然と目の前には天使のような自称神がいたのだが、目の前に広がっている景色は自分の部屋を天井から見ている景色だ。そこにはベッドで寝ている自分が見える。
「なんだ。普通に寝ているじゃねえか」
安心してほっとする。死んだといわれていたが普通に寝ていたので安堵の息を漏らす。
すると景色がさっきまでいた場所に戻った。
「なんだよ死んでねぇじゃねぇか」
自称神に笑いながらそう言う。
「あの姿はもう死んでるのよ」
アマテラスが言う。
「あんたの心臓を停止してもいつも引きこもり気味だったから家族がなんとも思わなくてね。死んでるのが発見されるのは1週間後になるのよ1週間後になるのよ。」
アマテラスは、当たり前でしょ。とでも言いたいような顔で言う
「そ、そんなの信じられねぇよ」
つばさは慌てながら言う。当たり前だ。普通に寝ている姿が死んでいるといわれてもそれをそのまま信じるやつはいない。
「仕方ないわねぇ。面倒くさいけど死んだ後の映像流すか」
そう簡単に言う。
「は?なんだよそれ」
つばさは困惑しながら言うが返事を聞く間もなくまたしても違う映像が見えてくる。そう。葬式をやっている映像だ。目の前には家族や家族や高校の先生が葬式に参加している映像が見える。だが友達が高校にいなかったようにその葬式には同級生の姿は見えない。そして家族の会話が自然と耳の中に入ってくる。
「まさか。ゲームが好きなのは知っていたけどゲームのやりすぎで心臓が止まるなんて、信じられない」
そう聞こえた。
「は?ゲームのやりすぎで死ぬわけねぇだろ」
そう思いながら10分ほど自分が死んだことを確かめるような場面が流れていた。
「どう。信じた?」
また目の前には自称神のアマテラスがいる。
「まぁ確かに俺は死んでいた。だが夢だろ。夢だったら別に死んでも関係ねぇ」
そうだ。夢だったら死んでも、人を何人殺しても許されるのだ。
「はいはい。まぁすぐ信じれるとは思ってないわよ。あっちの世界に行ったほうが早いわね」
そういいながらチョークみたいなものを出し地面に何か書き始める。
「お前何書いてるんだよ」
当たり前だいきなり地面に落書きする人など普通はいない。
「まぁまぁちょっと待ってなって」
そう言いながら書き続ける。
「あー終わった」
腰を伸ばしながら疲れたといいながらさっきまで座っていた椅子に座りなおす
「お前、これ」
そう。自称神のアマテラスが描いたのは魔法陣のようなものだった
「まぁあんたならわかるでしょ魔法陣よ」
ティーカップを口に運びながら疲れた感じを醸し出している。
「これであんたを転生させるのよ」
「転生?」
さっきは地獄と一緒みたいなもんと言っていたので転生という言葉は良いというイメージしかない
「あんたへの裁きは、他の世界への転生なのよ。まぁこれ以上おしゃべりしていても時間の無駄ね。あっちの世界に行けば分かるでしょ」
そう言って何かをぼそぼそと喋っている・
「おい、お前何言っ」
その瞬間魔法陣から青白い光が放っている。そうアマテラスは提唱のようなものをしていたと翼は悟った。すると体が浮き始める。
「あなたに裁きを与えます。これからはあっちの世界で世界を救う働きをしなさい。そうすれば元の世界に戻れるでしょう」
もうすぐ転生するんだ。つばさはそう思いながら
「俺は、世界を救えばいいんだな?そうすれば元の世界に戻れるんだな?」
そう言うと神アマテラスは首を縦に振った。
そのあとつばさの意識はなくなった。
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