第201話 出撃


「先生!ボス!アルファ!  浄化すんぞ!」


「「「サー・イエス・サー!!!」」」



 ルバン王国 執務室

「イエス・サー!」

「皆!真悟人が動いたよ!?準備OK?」


「おお!先生ついに!始まりましたか!?」


「フォーメーション浄化!アーユーレディ!?」 


「「「「「イエッサー!!!!!」」」」


「牙狼戦隊、出撃します!」

「ルバン騎士隊、出撃します。」

「ルバン魔道隊、出撃します。」

「ルバン冒険者組合、出撃します。」

「ルバン商人隠密隊、出撃してました。」


「レッド、OK」

「ブルー、OK」

「イエロー、OK」

「ピンク、OK」


「ナイト・レッドOK]

「ナイト・イエローOK]


「グリーン、NG、離脱」

「管制室、グリーン、OK」


「ナイト・グリーン、OK」

「ナイト・ブルー、OK」

「ナイト・ピンク、OK]


「グリーン、OK]

「管制室、グリーン復帰、OK」


 ーーーーーーーーーー

 ーーーーーーー

 ーーーー


 ルバン王国 管制室。

 真悟人の案で作られたこの部屋、大規模通信システムは、各部隊の動態登録と指示制御を行い、これにより牙狼戦隊を始めとする治安維持部隊から商人部隊までの位置と状況を把握出来るようになっている。


 流石にGPS位置情報は無理だが、通信による報連相を行う事で正確な動態登録が出来るように頑張ってる。

 主に通信室担当者が…


 この世界の文明レベルで通信が出来る事がトンデモナイ事なんだが、恐るべし魔道具と言うとこだろか。

 地球の技術よりスゲェんじゃね?と真悟人は思っている。魔道具何でも有りでしょ。通信機然り、監視カメラ然り。

 これ、頑張ればきっとZoom会議出来るよね。


 通信内容は極力簡潔に。場所はチェックポイントNo確認で、状況は決められたコードで行う。

 例えば、OK=準備OK、GO=行動開始、FA=ファイア(戦闘開始)、ST=接敵等などだが、結構ごちゃごちゃになってて、分かれば良しの様である。



「レッド、FA」

「レッド、クリア」


「ぴゅ~!さすがNo1!」


「ピンク、FA」

「ピンク、クリア」


「ナイト・レッド、FA」


「ナイト・グリーン、FA」


「BO・レッド、ST」


「SO・レッド、クリア」


「SO・グリーン、ST」


「ん?冒険者たちがBOでSOは?」

「商人・隠密」

「ああ!」


「ナイトたち時間かかってない?」

「戦隊と比べないで下さい。」


「グリーン、GO」


「SO・グリーン、クリア」

「あれ?SOのレッドよりグリーンの方が早かった?」

「本来、SO達が接敵しちゃイケないんです!」


「ピンク、GO」


「BO・イエロー、ファイア」


「ナイト・イエロー、FA」


「ナイト・ブルー、ファイア」


「ナイト・ピンク、ファイア」


「BO・ピンク、ファイア」


「ナイト・レッド、クリア、ファイア]


「ナイト・レッドは連戦か?」

「本隊ですから。」


「ナイト・グリーン、クリア、GO」


「SO・ブルー、GO、クリア」


「ナイト・イエロー、チェンジ、GO」

「チェンジ?なんだ?」

「隊長が負傷したので交代です。」


「グリーン、アウト、バック+3」


「BO・グリーン、後詰め入ります。」


「BO・ブルー、イエロー後詰め」


「イエロー、アウト、バック+1」


「え?何??どういう事?」

「グリーン、任務完了+3名捕獲」

「冒険者グリーンがサポート」

「イエロー、任務完了+1名捕獲」

「冒険者ブルー、イエローのサポート」

「えっ?捕獲?有力貴族って事?大丈夫なの?」


「あ~~!!もう!シモン殿下!いい加減にして下さい!シモン!ハウス!」

 管制室でアレコレ聞いて邪魔していたシモン王子殿下は犬扱いされて近衛に捕獲されて行った。


「あの臨場感がたまらないね。僕は中々現場出してもらえないし。」

 懲りない様である。



 ロレーナ公爵と神田辺境伯のGOでルバン王国は隣国への侵略を開始。

 ルバン王国から隣国王都までの間と海にかけて侵略を開始する。

 大義名分は圧政により虐待されている民間人の開放。


 各方面から突っ込まれそうな大義名分だが、隣国の現状は周辺各国も理解していて煩わしく思っているので、ついに動いたか!との見解だろう。


 ただ、ルバン王国が動くと追従して各国も動くだろうから、それぞれが隣国を切り取って行く為の大義名分に動く事になるだろう。王都が陥落してしまえば、抗戦出来る有力貴族も少ない筈だから、もう隣国は解体される様になるだろう。


 商人の隠密部隊は先行して侵入。拠点と輜重兵の確保。民間人の誘導を行って被害拡大を防ぐ。また各証拠の確保。


 牙狼戦隊は最前線の戦線維持と有力貴族の確保。

 こんな国で真面に領地運営できる有能な貴族を逃す訳は無い。

 無能な輩は粛清まっしぐらだが有能な人材は幾ら居ても足りないんだ。

 だから全力を持って確保する。


 ルバン騎士隊はルバン軍本隊。最精鋭軍隊。

 この世界は剣と魔法の世界なので、剣がメインの騎士隊と魔法がメインの魔導隊が存在していたが、真悟人がちゃちゃを入れてから魔剣隊がメインに変わった。


 真悟人自身がエクスカリバーなんて非常識な剣を周囲に浮かべるので、そりゃみんな真似したいですよね。

 あんな非常識な真似は出来なくても、剣と魔法の両方が使えて当然の流れになる訳で、騎士隊の戦闘力は大幅に上がった。


 よっぽどの剣豪でなけりゃ魔剣隊に太刀打ちできない。

 当然だが魔法の詠唱する奴なんて居ない。剣技がヘッポコでも魔法と併せられたらそうそう敵わないもんで、魔法発動しながら切り掛かられるなんてどうしろと?



 そんな中でルバン冒険者組合は遊撃隊。ある意味では最強軍隊と噂される。

 内情は牙狼戦隊に鍛えられた者たちで、剣も魔法も熟せないと迷宮魔女の森どころか、普通に魔物の居る森に入るには厳しいとされるのを易々と熟す熟練者多数。

 一緒にゴルフツアーに行ったダグラスくらいの腕でようやく熟せる位のレベルである。実はダグラスは凄かった?

 そんな冒険者の中には牙猿タイマン上等と気張る奴も居るとか居ないとか?

 まぁ、蹴散らされてゴメンナサイってのがいつも通りです。


 表立っては動いていないが、牙狼村自衛隊と言うのが在って、通称、村隊。

 これはオークキングのマンガリッツァ率いる牙狼村自衛隊。

 実体は全くの闇だが、牙狼戦隊レッド達が簡単にあしらわれる戦闘力だと言う。


 今回は出番無しだろうと思われている。

 が、幹部連中がスポット参戦したとの噂もある。好きなやつは好きだからね。


 そんな好きもの達だが、

「よーし!今日は此処で野営とする。各自分担して野営準備と食料確保に走れ!」


「「「「「おぅ!!」」」」」


 あれ?彼らは何処に?何故か楽しそうである。

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