第173話 やっと落ち着いたが
SNSなどのネットで悪意に晒されて、現実の人間関係でも悪意をぶつけられた。
嫁たちや、自分を取り巻く人々のお陰向かっている。
本当にみんな、ありがとう。
悪意の張本人はルバンに連れて行って地獄ツアーご招待させてもらいました。
もう暫くはそんな輩に係り合いたく無い。
ルバン王国ゴルフツアーから始まった一連の事件なども一旦収束して、平和な日常に戻った。
子供たちから鬼のような質問攻めを受けたが、お付きのメイドさん達から今回の事に首を突っ込むと子供で居られなくなると脅されて慄いていた。
まぁ、父親のスキャンダルなんて聞かせたくない。
みんな成人したら話すことがあるかも知れないね。
ただ、あんな嘆きの肉塊を見せる事は無いし、見せたくも無い。
因みに祖母ちゃんがくれっ!て言うので持って行った。
何に使うのかは知らない‥‥‥
平和になった事で最近の牙狼村の話をしよう。
イチバンの変化は住民達だろう。
全てはキャラメルのせいかもしれない。
一粒で知恵などが爆上がりした例のキャラメルである。
ルバンの世界から見て異世界産であるお菓子を褒賞として与えると様々な能力が上がるのは分かっていたが、容姿も変わって行った。
牙猿を例に挙げると、一粒で猿から類人猿へ変わり、二粒で人間と同等の思考力、三粒で猿よりの獣人、四粒で人間よりの獣人へと進化した。
一粒で服を着るようになり、三粒で獣人、四粒超えのボスやワフワンたちは見た目は人間である。ワフワン達、ボスの嫁たちなんてボンキュッボンのハリウッドスターのようである。
ボスはムキムキでシュワちゃん状態だし、アルファ達はそれこそイケメンアイドルなので日本でのあの騒動に繋がる。
ゆっくりとした変化だったので、俺も意識していなかったが、よく考えたら恐ろしい進化を遂げていたんだね。
お菓子類を与えたら、皆進化するのか?って訳でも無いらしい。
キャラメルを箱でポンと与えても何も変わらない。
褒賞として特別に与えると変化が起こる。
スライム先生なんて、今じゃ賢者として君臨しているが最初は言葉も通じなかったと皆に話すとどよめきが起きる。
先生はそれが自慢らしいので良いのだけどね。
試しに他のスライムたちに年1回の褒賞を与えても、先生の様に進化する者はほとんど居ない。
100匹に1匹くらい知恵を付けて工夫するスライムや、言葉を話せるようになる奴が居る位である。ほとんどは言葉の理解と多少の判断力が付く位だから、スライム先生の希少性と言うか知恵の高さが伺える。
それでも四粒超えのスライムたちは、スライム先生の助手などが出来るようになる奴が出てくるので、侮れないのである。
マンガリッツァ達、オークの連中は見た目が金剛力士の様である。
そう、お寺の入り口で睨みを聞かせている阿吽の像で、仁王様ともいう。
ハッキリ言って怖い!
そんな見た目のもんだから、つい相撲を教えてしまった。
北の湖や千代の富士のビデオを見せてしまった俺は悪くない。
奴等は相撲に嵌まった。
手軽に狭い場所でも出来る戦闘訓練?
足腰鍛えてなんぼだろ!って、農業で鍛えた肉体でぶつかり合う。
牙狼村の一大イベントにもなった相撲大会。
詳しくは語らないが、マワシも付けるし土俵入りや弓取り式も行う。
格闘技となると牙猿たちも闘争心に火がついて参戦する。
魔狼たちは一歩引いている。体格が全然違うからね。
想像してくれ。
身長2m超えのゴツイ千代の富士や、でかいマイク・タイソンたちがぶつかり合う時の音と迫力を!そこには鳥肌が立つくらいの興奮があった!!
熱狂的なファンが出来るのも頷ける。
現在の横綱は、東のマンガリッツァ丸、西のボス山。
相撲では東の方が格上となるので、頂点にはマンガリッツァ丸が君臨している。
オーク達は、相撲は自分たちが本家と思っているのでボス山を引きずり下ろしたい。牙猿たちは格闘技は自分たちがイチバンと思っているので、頂点がオークと言うのが許せない。
互いに相撲特化した奴らが切磋琢磨しているが、横綱は高い壁の様だ。
つーか、ボスとマンガリッツァは別格だから挑んでも難しいと思うけどね。
それでも頑張る彼らを素直に応援しよう。
初場所が終わって、春の番付改定が楽しみの様だ。
オーク達で言えば、相変わらずの闘鶏も盛んである。
オダーラの商人のトリネコさんや奥さんのナターシャさんと遠征も行っているようだし、人間の街でも闘鶏はギャンブルとして浸透している。
トリネコさんは相撲も同じようにギャンブルとして広めようと考えている。
ならず者などが多いスラムから、腕っぷし一つで上がってくる奴をヒーロー扱いして多額の賞金を与える。
絶望するな、夢は在ると示したいそうだ。
良い方法かも知れないね。
身体を張って立身出世も良いが、頭を使って昇る方法も考えてみようとも計画している。
発明品の発表の場や、特許品の模倣厳罰化などを考えている。
魔道具も真似されるまでが命なんて、勿体なさ過ぎる。
それに、平民でも成り上がれるアメリカンドリームは必要だと思う。
他の国では絶対に在り得ないらしい。
貴族は貴族。よっぽどの功績が認められなければ平民が授爵される事は無いし、周囲も先ず許さない。
う~ん。その辺りから壊してやらないと認めないだろうな。
ルバン王族やマウントフジ辺境伯は味方としても、その他の係わりない貴族たちは絶対に反対する案件だな。
牙狼村からの恩恵に預かってる貴族たちでも、機会があれば成り替わろうと寡作してるのは一目瞭然。
面白いから端から潰してやろうかな?なんて事も考えてた。
ニヤっとしてると、シャルたちから止めなさい!と怒られる。
何故分かる?彼女たちには何が見えるのか聞いてみたいもんだ。
そんな時に王都からの知らせが届いた。
なんと!マウントフジ辺境伯が陞爵されて侯爵に上がるという。
辺境としての脅威となっていた迷宮魔女の森も入り口にエルフシティが出来て少しずつ身近に馴染んで?きたし、まぁ森の脅威自体は変わらないのだが、エルフとは和平を結んでいるし交流も盛んであるから辺境のイメージは薄れてきている。
迷宮魔女の森自体も牙狼村が出来て、一番の脅威とされていた牙猿たちも魔狼たちも仲間と言っても差し支えない程溶け込んでいる。
もうマウントフジは辺境じゃ無いんじゃね?と言う訳だ。
だからと言って伯爵では爵位が下がってしまう。当然、少しだけ立ち位置が上の侯爵に陞爵と言った流れなのは容易に想像がつく。
まぁ、あのゲイのおっさんも頑張ってたから良いんじゃないかなと思ったんだが、式典をやるから王都に来いと?
‥‥‥メンドくせぇ。
アーサー・マウントフジが侯爵となると、んじゃ辺境伯は?そりゃオダーラだろ?
一緒にオダーラの街を奪還したのは懐かしい‥‥‥
あのリアム・オダーラも辺境伯とは!?‥‥ん?今までのあいつの爵位ってなんだったっけ?まぁ俺には関係ないし、まったく興味も無かった。
しかし、もう一枚の手紙があった。
ロレーナ公爵家?なんだっけ?‥‥ん~??
あっ!?スティングとイネスのご学友さんか。
彼らのじゃなくて、彼らがですけど。
そのロレーナ公爵家が何の用で?‥‥‥マジか!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます