第134話 日本の状況
スティングとイネスの学校生活は順調の様で、久しぶりに日本の状況を振り返って見る。
小さな貸し農園から始まったカンダ(株)、今では日本有数のテーマパークになっている。
基本テーマは自然と里山。
貸し農園から始まって各種果物(リンゴやナシ、みかんやブドウ、ブルーベリー、イチゴ等々)の〇〇狩り、タケノコ狩りやキノコ狩り、アケビやクワの実、野イチゴ、イチジク、栗、銀杏、サクランボやクルミ、杏子、アーモンド、コーヒー等々あらゆる木の実や、普段なかなか見る事の無くなった果物まで、実として生ってる状態を見る事も珍しい物が採集できる。
他には野草や山菜、食べられる草花農園などもある為、理科や社会科見学の子供たちから意外な人気を誇っている。
ヨモギやナズナなどは雑草扱いされてる物も多いので、本当は食べられると知ってびっくりする子供たちは多い。
一定料金で、収穫したヨモギを使った草餅教室などは予約でいっぱいである。
熟れ過ぎた果物を使ったジャム教室、季節物のタケノコご飯教室や栗ご飯教室など親子で出来る料理教室もあって、自分で収穫した物を使って作る料理は格別だろう。
お魚系では、川の上流からヤマメ、イワナ、ウグイ、オイカワが釣れる渓流域はちょっと料金がお高めだが、お父さんたちの人気が高い。
子供も一緒に楽しめるが難易度の高いトラウト池。ブラウントラウト、キングトラウト、稀にサクラマスまで釣れるしデカい!養殖物のマスは寄生虫が居ないと言われるが、営業的にはお勧めしない。
刺身で食うのは自己責任でお願いします。
その下流には、ワカサギ池。子供たちが落ちないようにお父さんお母さんは目を離さないように!釣ったワカサギは、BBQサイトで天ぷらで食せます。
最下流にはザリガニ池。
キレイな湧き水で育ってますので、一応食べれます!但し自己責任でお願いします。
このザリガニ池が大人気!!お父さんたちの腕の見せ所です。
ザリガニは寄生虫は怖いので、絶対に火を通して下さい。
支流として、サワガニ渓流もあります。素揚げ美味しいです。自己責任です。
その下流には、手長エビ川です。これは唐揚げ美味しいです。自己責任です。
ちゃんとレシピは公開してますが、何度も言います。自己責任です。
パンフレットも配ります。
専門の弁護士さんに相談して監修してもらいます。
企業でこういう事やると、万が一は怖いからね!
因みに、キノコ狩りも個人判断は止めて下さい!と謳っています。
他には食べられるモノだけじゃない。
夏場は昆虫採集も大賑わい!
カブト、クワガタ、蝶やトンボと普段見なくなった昆虫を育てて放しています。
大きいカブトやクワガタを捕った人には、大きさ測ってメダルを進呈!
これも意外と人気あります。
魚やエビ、ザリガニなども、大きさ記録メダルは対応しますので申請して下さいね。
捕獲、収穫物の他には、牧場での搾乳や乗馬体験、BBQサイトでの焼き肉やジンギスカンなどが召し上がれます。
季節物で、羊の刈込見学会など、モコモコの羊がスッキリしちゃいます!
牧場にはアイスクリーム小屋とソフトクリーム小屋を増やしました。
動物触れ合い広場も健在。リス猿小屋もいっぱい増えました!イタズラされます!自己責任でお願いします。(逃げ口上の定番ですな)
ウサギ、ハムスター、犬、猫、いっぱいですが、イジメないでね。
今回、ついに海に進出しました!!
プライベートビーチでのBBQや海の釣り堀!磯遊びなどが解禁!!
専用シャトルバスで移動できます!
「お~~!!遂に海に進出ですか!?」
「そうなんですよ!ただ此処とは飛び地なので、繋げられるかが今後の課題ですな。」
「間にあるゴルフ場込みの山林ですね?」
「はい。中々強気でして、自分が折れなきゃ繋げられないというのが判ってて条件を釣り上げてきてますね。」
「‥‥しょうがないですね。消極的ですが、お願いする方向で進めて下さい。」
「はい。分かりました。営業担当の者を向かわせます。‥‥おい、話の通りだ。」
「あ、分かりました。同じ条件でお願いする方向で宜しいですか?」
「それで頼むよ‥‥話次第では向こうの条件も考えないとな‥‥」
「分かりました。行ってきます。」
「「行ってらっしゃい。」」
「「‥‥‥‥‥行ったか?」」
「それで山際さん。」
「はい。」
「彼と、総務のAさんとBさんはこのゴルフ場の息が掛かってます。筒抜けですね。他にはシステムのRさんと、経理のYさん、受付のZさんは向こうの社長の女です。決して重要事項に触れさせないように。それと、彼らの社内での交友関係を洗って下さい。面白い人たちが出てくるかも知れませんよ?あと、大事な事を忘れてました。弁護士のGさん解雇です。こちらの弁護士の方に損害賠償の相談をしていますので、個人名で連絡して下さい。他には‥‥‥」
創業当時から事務関係を一手に引き受けてくれた山際さん。
彼自身は非常に用心深いのだが、周りの人間から浸食されてる事に気付いてなかった。人の好さが仇になったようだ。
今は専務と言う立場だけに、狙われたんだろう。
流石なのは、ハニートラップには一切引っかからなかった。
これだけでも金一封出したい位だ。
戻って来てから徹底的に調べたら、海との間に在るゴルフ場経営陣関係者が社内に乗っ取り目的で入り込んで来ていた。
息の掛かった者は、泳がせておいて証拠掴んで解雇の方向。
解雇理由も公の文書で秘密漏洩を明記しよう。
弁護士などは直接告訴して、2度と弁護士業は出来ない様にしてやろう。
異世界帰りを舐めんなよ?
相手の経営陣は‥‥くすっ。人間の尊厳を踏みにじってやろうか♪
一族郎党皆殺し!は大げさかな?
最近は、日本に帰って来ても魔法が使える事に気付いた。
祖母ちゃんは焦ってたけどね。
「待ちな!‥‥お前さん、そのオーラは!?」
見えるし使えるようだと言ったら、絶対にバレない様に!命を張って秘密を守れ!と言われた。‥‥俺もそう思うよ。
さて、話を戻すが、ゴルフ場で自然破壊してるような輩が、自然の恵みを生業にする会社を乗っ取った所で経営出来る訳が無い。
一生懸命作った自然が(その時点で自然じゃないですが)ゴルフ場などに踏みにじられてたまるか!?
今日、向こうに行かした営業の若い奴は、分かりやすくゴルフ場専務の甥っ子だった。傲慢な性格で、ゴリ押しの営業を行っているのが発覚。
大まかな客先にはお詫びに回ったが、本人には知らせずに、ゴルフ場対策の担当者として大きな仕事を任す振りして一線から離した。
会社の沽券に係わるからね。
勘違いをした彼は、自分は出来る人間だと思い込みゴルフ場に訪問する。
本来の目的も気付かず、居丈高な態度で訪問してこちらの社名を言うのだから、我社としては頭を抱えざるを得ない。
しかし、彼の優秀な所は受付嬢が難色を示すと、あっさりと自分は専務の甥っ子だと暴露してしまう。
これには、諜報部門一同、腹筋がねじ切れそうだった。
もう、面白すぎる!
あっさりと専務に面会した彼は、こちらの思惑以上にペラペラと喋ってくれて、更にゴルフ場経営陣の関係者氏名から今後の計画まで叔父さんと喋ってくれた。
こんな適役は居なかったなと、ハマリ役ぶりに一同感心する事仕切りだった。
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