第129話 嫁問題
時は遡り、まだスティングもイネスも生まれていない頃‥‥
「姫~!どちらに行かれますか?」
「じぃ(シュナウザー)、私は‥‥」
「また真悟人様の事で思い詰めておりますか?」
「だって!トゥミさんもアンジェさんもお腹大きくなって、もうすぐ元気なお子が生まれます‥‥そうしたら、そうしたら私なんて、もっと相手にされなくなってしまいます‥‥」
「姫様、よくお考え下さい。今は真悟人様に相手にされてないですか?」
シャマルは黙って首を横に振る。
「真悟人様と一緒に王都に行ったりしてませんでしたか?一緒に海に遊びに行ったり、一緒に食事を作ったり、スライム先生とも一緒になって色々教わっているんじゃありませんか?」
「そう、だけど‥‥」
「姫様は何がご不満なんですか?」
「まだ‥‥‥まだお嫁さんにしてくれない‥‥‥」
じぃ(シュナウザー)は大きく溜息をついて、
「姫様?姫様はいくつになられましたか?」
「10‥‥‥‥」
「は?じぃには聞こえませんな?」
「14ですぅ!まだ成人してませんぅ~~!!」
「ご自分でお分かりじゃないですか?まだ成人していない姫様を娶る事は真悟人様だってしないでしょう。」
「でも、でもさ、真悟人の私を見る目がお父さんなんだよね。‥‥子ども扱いなんだもん。」
「姫様、成人していない者は子供ですよ?それが証拠に、お尻もオッパイもまだまだ成長途中じゃないですか。」
シャマルは自分の胸を両手で隠しながら、
「なによ!ほっといてよ!これからアンジェさん達みたいにナイスバディになるんだから!」
「だから、それからでも遅くないじゃありませんか?ナイスバディになれば真悟人様もイチコロですよ!」
なんとなく遠巻きにしていた牙狼戦隊の男衆はウンウンと頷いている。
何人かは女性隊員に蹴りを食らっていたが‥‥
「私は早くお嫁さんになりたいんですぅ!それに、そうすれば‥‥合法ロリとか言う事も聞きましたし。」
「は??」
「合法ロリからナイスバディへの変化も楽しめるじゃない!」
姫様、とんでもない事を言い出しました。
「‥‥姫様?そ、そんな言葉、誰から聞きました??」
血走った目で姫様を問い詰める。
「そ、それは、乙女の秘密です。」
シュナウザーは血走った目で、周囲の牙狼戦隊を見渡すと、口には出さずに手を振った。(犯人を捜せ!)と。
姫様こと、シャマル姫(なぜか影の薄い魔狼の姫様)は耳年増である。
恋に恋するお年頃。
本当に真悟人に嫁ぎたいと思ってるのかどうか?それも疑問だと真悟人は思っている。
嫁いでしまったら、傷つくのは女性の方だとも真悟人は思っている。
だからこそ慎重に、精神的にも大人になってからの方が良いと思っている。
色々考えてはいるのである。
しかし、それは伝わらないし、伝えられない。
14歳なんて、日本で言えば中学2年生。
「右手に封印されたナンタラがぁ!」とか、「左の魔眼がぁ~!」とか言ってるお年頃である。
実際にそんな奴、見た事無いが‥‥
そんなお年頃の少女たちが集まって、エロ話をしていても不思議じゃない。
男の子はそういうもんだろうが、女の子だって女子校なんかは、なかなかハードな世界だって言うからね。
そんな話をじぃ(シュナウザー)にしちゃったら、もう大変!!
彼は出来る男だが、こと、姫様に関しては頑固ジジィ一直線!誰の言う事も聞き入れない。
そんな合法ロリなんて、誰が言ったのか?‥‥ん?‥‥俺じゃん!
あ~~!酒の席でそんな事言ったこと在るかも知れない‥‥
誰かの彼女が幼児体形で、胸やお尻が無いとか?
相手が誰だったか思い出せないが、そんな性癖も在ると云う話をした覚えが。。。
そこからそんな話が広まったんだろう。
元々、牙猿も魔狼も野生で暮らしてたから、ちゃんと発情期があって子供が生みやすい環境、育てやすい環境にならないと生殖活動は行わない生活だった。
それが牙狼村で生活するようになって、衣食住が満ち足りると子孫繁栄に走る。
何時でも妊娠しても大丈夫。子供もちゃんと守られる。
食い物も、寝る場所も、確保出来ていれば、産めよ増やせよ。
人間と生活すると淫乱になるというのは、そう言う事なのかも知れない?
これは、牙猿も魔狼もオークもそうだし、牛たちも鶏たちもそうなんだろう。
現実の日本みたいなトコは、衣食住が満ち足りてても、子供が出来ると満ち足りなくなる?根本的に働けなくなるから収入が減る。
すると、食えない暮らせない育てられない訳だ。
子供を育てる負担が大き過ぎるから、出生率が下がる‥‥
子供がどんどん減っていくからピラミッドが逆転する。
年金?払っても還って来ないなら払いたくねーよな。
自分で保険会社に個人年金掛けた方が、どんだけお得か?
真悟人は最近、そんな政治的な事まで考えている。
このまま発展していって、日本と同じような悩みを抱えるのは嫌だよね。
まぁ、文明レベルを考えたら悩みが具体化する前に天に召されてるだろうけど。
閑話休題
シャマルとシュナウザーのやり取りを聞いて、シャマルの焦り?も分かるし、シュナウザーの困惑も分かる。
まだまだ子供のシャマルに余計な事は言えないし、どうしたもんかなぁ?と。
正直言って俺には合法ロリ云々の性癖は無い。
常識的(ここでの常識?)な年齢で、体形も拘り等は無い。
極端な幼児体形や巨乳さんは、人となりですね。
体形に惚れる訳じゃない‥‥が、惚れる指針となる場合もある。
何を言い訳してるんだ!とのお叱りは甘んじてを受けます。
しかし、この種族が入り乱れてる現状では、ねぇ‥‥
現在の嫁は、エルフ5人に人魚さん3人。
これで種族の力関係が変わる訳じゃないが‥‥俺の亡き後はそういう事もあるだろう。
自分の種族を優先するのが当然だろう。
だからと言って他の種族を蔑ろにして欲しくは無い。
魔狼の嫁としてシャマルは一応決定だが、じゃあオークは?って言われても考えられない。
じゃあ人間は?‥‥そりゃあ同じ種族の嫁も欲しいさ!
現実的には難しいけどね。
ここでちょっと話がある。
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