第101話 現実社会

「皆さん、おはようございます。」


「「「「「おはようございます!!!」」」


「社長をやらして貰ってます、神田真悟人です。」


 朝の時間、朝礼をやってみた。

 各部署での朝のミーティングはやっているが、全体朝礼と言うのは初めてである。

 会社として統率する立場の自分が居ないことが多いので、代わりを行う者も居ない。その代わりの者も作りたいが、簡単に都合の良い者が居る訳ではない。


 しかし、異世界で行った事が現実社会の日本に反映されるなら、人事も反映されるかな?と、単純に思った訳である。

 その理由は‥‥‥‥モテたから。

 モテた事の無い俺がモテた。社長という地位と、金銭的な裕福さでモテてるのだが、異世界でトゥミを筆頭に相当モテているから、日本でもモテるかな?といやらしい事を考えたのである。

 トゥミ達が日本に居たら!!‥‥‥‥‥連れてくれば良いのか。

 でもね!

 ボス、アルファ、マンガリッツァの代わりがこの現実社会に居たら、かなり楽できるんじゃね?それを期待するのは無茶ですかね。


 そんな、いやらしい理由から社員さんの事をもっと知りたいと思って、皆さんのデータを確認してみた。

 他にファンクラブの名簿を入手したのだが、思った以上に濃いメンバーが在籍しているようだ。


 これって、ボス達が♂だから、日本でも優秀な補佐は♂と思いがちだが、実は♀女の子たちが優れているってオチか?

 それを、どう判断しようか?‥‥‥話すしかないよね。


 皆と話してみよう!!


 朝礼の続き‥‥‥

「今まで僕は、ずっと外を出歩いていました。故に、会社内の事をあまり知らないのですよ。特に会社の基本となる、皆さんの事を知りません。そこで今度、皆さんと話す機会が欲しいなと思いました。」


 皆を見回して、反応を見てみる。

 こいつは何を言い出したんだろう?って反応が殆どですね。


「皆さんと話すことによって、明日の会社に必要な人材に新たに出会えるかも知れません。あ、当然皆さん必要ですよ?僕が言いたいのは、皆さんの人となりと言いますか、考え方などが分かったらと思う訳です。皆さんの時間を、ほんの少し僕に分けて下さい。嫌だと思う方には無理強いはしませんし、断ったからって不利益を生じたりしません。それはお約束しますよ。是非、よろしくお願いします。」


 後を山際さんが引き取ってくれた。

「社長、ありがとうございました。」

「え~、ただいまの社長の話、人事より詳細はメールします。以上となります。」



 ~~~~~~~~~~



「山際さん、ありがとうございます。」


「いえ、今まで社長は余り内部に干渉してきませんでしたが、やはりファンクラブの件が発端ですか?」


 まぁ、誰が考えても分かるか。

 今後、日本と異世界での2重生活をするに当たって、祖母ちゃんだけでなくフォローしてくれる人間が欲しい。

 特に俺はメンタルが弱いので、支えてくれる信用できる人が欲しいのである。

 例えば、今話している山際さん。この人に異世界の話をしたらどうするであろうか?

 デートした富岡香、案内してくれた井坂京子、皆どんな反応するだろうか?


 ‥‥やはり、ラノベの俺Tueeeeee~~!!を想像するだろうし、男ならハーレム!女ならチートからのイケメン王子様との愛だろうか?それとも悪役令嬢かな?

 人間の本性は分からないから、早々教えないけどね。


 異世界でもっと頑張って、会社をもっと大きくして、それなりの地位と金銭があれば、何とかなるかな?

 焦ることは無いが、今回の件は現実社会に係わっている事を再認識する良い機会でした。



 ~~~~~~~~~~



 皆さんとの触合い企画の案が提出された。

 ・基本的に1回に4、5人。女性率が高いので、女3男1~2の割合で進める。

 ・時間は遅くても11時まで、店は2件までで訪問する店は希望があれば申告する。内容はお任せ。好き嫌いある場合は、申告すること。

 ・経費は会社負担とする。(社長もポケットマネーは出さない。)帰りのタクシー代は領収書清算とする。

 ・直前に都合が悪くなった場合は、無理せず申告する事。メンバーの変更か日程の変更を検討する。

 ・メンバーの希望があれば申告する。申告無い場合は、企画で選定する。

 ・社長の都合により、日程の変更もあり得る。

 以上。

 申告及び質問は企画部まで。

 フォーマットがダウンロードできます。

 指定のフォーマットで申告及び質問してください。


「へ~!これっていつから?いつまで?」


「そうですね。人数的に週25人くらいで、1~2カ月で終われば良いですね。」


「ん?週25人って毎日か?」


「毎日ですね。土日は抜きますが。」


「せめて間に休み取ろうよ。1日置きでも良いくらいだよ。」


「そうすると、かなり長期に渡ってやることになりますよ。」


「それもそうか‥‥自分で言い出した事乍ら、人数の多さは考えていなかったよ。」


「準備に1か月以上はかかるので、実際は来年になってからですね。」


「そうか、分かった。じゃあその間、また出掛けてくるよ。」


「そうですか?了解しました。」



 ~~~~~~~~~~



「ねえねえ!社長との飲み会どーする?」


「メンバーどうしよっか?男の子も好きな子誘って良いんでしょ?」


「お父さんとの飲み会?あひゃひゃひゃ!」


「え~‥‥あたしやだなぁ。パスしようかなっ?」


「気に入られたら秘書室直行で愛人コース?」


「なんかエロい思惑が見え隠れ?」


「1回の飲み会で人となりなんて分からないでしょ~」


「飲みにケーションなんて流行らないよね。」


「断ってもお咎め無しって本当かなぁ?」


「お咎め無しなんてありえないでしょ!だって業務命令だよ?」


「これで、既成事実を作れば‥‥‥」


「単純に社長と飲めるの嬉しいけどね!」


「普段食えないような物が食えるかも!じゅる。」


「やっぱメンバー次第だよね。」


「週末が良いなぁ。月曜はやだな」


「歯医者だし、痛いし憂鬱だ。」


「酒飲めないし‥‥」


「カオスだ。」



 ~~~~~~~~~~



「祖母ちゃん、一旦帰るよ。」


「お前さんも無茶言い出したねぇ。ちょっと反響が大きくて、どうなるか分からないよ?」


「そうだな。ちょっと後悔してるよ。今更無しには出来ないし、向こうで頑張ってくるよ。」


「ああ、何かあったら行李に手紙入れな。お前さんもちゃんと確認するんだよ。」


「うん。分かったよ。じゃあ、またね。」


 ‥‥‥‥‥‥覚悟ヨシ!

 ・・・・・・・・・飛べ!・・・・・・・・・・・

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ふう。」


「真悟人おかえり!「「おかえりなさ~い~」」」


「ただいま!珍しいね?待っててくれたの?」


「「「・・・・・・・・」」」


「何か企んでる?」


「「「うん!」」」


「それ、否定する処じゃないの?」



 何のことは無い、お土産を待っていたと‥‥‥‥違うな。明らかに何か隠している。

 自分達から言い出すまでは、放っておくか。


 この後、早々に分かるのだが、意外に衝撃的だった。



 倉庫に行って、資材の整理を頼む。

 今回は、特に建築資材と工具関係が多い。


 後、考えてることがある。

 昔ながらの祖母ちゃんの家だが、俺、トゥミ、サラ、シャルの4人で暮らすには狭すぎる。彼女たちは迎賓館にも部屋があるので、毎日俺のところへ通い妻をしている。


 そこで、祖母ちゃんの家は飛ぶのに必要だから残しておくが、隣に俺らの住む家を作ろうと思う。

 他にも、もっと住宅を増やさないと手狭になって来ている所が増えている。


 もう一度、区画から考えて住宅用地を増やす。

 水回りも十分に確保できるし、木材も十分だ。土地もまだまだ広大な面積があるので、村から街に発展させて行こう!


 そんな企画会議の後、グッチとディオが俺のところにやって来て、

「お話があります。この後お時間よろしいでしょうか?」


「ああ、構わないよ。」

 この二人から話‥‥ピーンと来た!

 先走っても恥ずかしいので、言い出すのを待つ。


「実は、私たちそれぞれ、「結婚しようと思います。」」

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