第96話 信頼と対応と反応
朝になって、3人が起きてきた。
「おはよう。」
「「「お、おはよう。‥‥」」」
なんか恥ずかしそうなのが良いね。朝から襲いたくなっちゃうよ。
「シャワー浴びておいで。それから飯にしよう。」
「「「シャワー??」」」
「ああ、風呂の事だよ。お湯が上から降ってくるやつだ」
「「「???」」」
そうか~!トゥミ達には当たり前だったが、アンジェ達は知らないよね。
風呂も知らないか。・・・普段、海の中じゃ必要ないもんな。
裸の3人を連れて風呂に行く。
湯舟にもお湯を溜めて、シャワーの準備もして、説明をすると、
「真悟人も一緒に入ろうよ?」
「ん?3人が風呂の間に朝飯の準備を‥‥‥」
負けた!
4人で一緒にふろに入る。
シャワーを浴び、風呂に浸かって、女体に溺れた‥‥‥
朝から何回したんだ?俺は?
アンジェ達は艶っ艶!で輝いている。
まぁ、いいことだよね。
朝飯にしようか。
普段の人魚さん生活は、朝まずめに魚を食う。夕まずめに魚や貝を食うんだそうだ。「まずめ」って薄暗くなって来た頃って意味で、人魚さんたちの‥‥いや、海に住む者達の食事時って感じだろうか。釣りする人たちは知ってるみたいだけどね。
朝飯はトーストにベーコンに卵。
海とは縁も所縁もないものを選んだ。さらにスープは玉ねぎと卵のコンソメスープ。
さて、彼女たちの反応は如何に?・・・・・
「「「美っ味~~い♪」」」
「なにこれ?なにこれ?」
「すっごい美味しい!これは何なの?」
「う~~っんまい!これって陸のモノ?やばいよ!これは!」
そうかぁ~!良かった♪
「うん。気に入ってくれて良かった。」
な~んて表面上は冷静を装って‥‥よっしゃぁ!!とガッツポーズ!!
大体、彼女たちは火を入れたものが珍しいんだから、焼き肉以外の火を入れたものは初かも知れない。
美味しいと喜んでくれるのは、料理人?冥利に尽きるね。
‥‥‥指輪の声がする‥‥‥
---アンジェリカスから認められました。新しい能力を開放します。---
---フラビタエニアタスから認められました。新しい能力を開放します。---
---ムルティプンクタータスから認められました。新しい能力を開放します。---
お?‥‥3人いっぺんか!!!
そうか、皆、信頼してくれるんだね。
解放された能力は?
--- サーチ(気配探知) ---
--- 隠密(気配遮断) ---
--- 托卵(身代わり) ---
おお!なんか探知関係のスキルだな。
やはり海では、如何に見つからず、如何に先に見つけるか?なんだね。
しかし、托卵って‥‥カッコーですか?
シノドンティス・ムルティプンクタータスってキャットフィッシュが托卵する習性がある。ムルティとは何の関わり合いも無いが、そんな魚も居るそうだ。
楽しい朝食のひと時を終えて、一旦村に帰ると告げる。
え~~!!っと非難轟轟だが、近日中に来るよって言っても前回もそうだったから次に何時来るのか約束させられた。嘘ついたらハリセンボンの~ます!
ん?ハリセンボンって‥‥物理的にあのフグの仲間ですかね?
戦々恐々としながら村に帰る。
日本に帰った時のように家に帰る。
恐る恐る外の様子を伺う‥‥‥前に扉が開かれた!
バーーン!!
「ウッヒャア!!」
変な声を出して尻餅をつく。
「い、いったい何だ?」
扉を開けたのは、トゥミ、サラ、シャルの嫁3人だった。
「さて、何処へ行ってたのか説明しようか?‥‥真・悟・人?」
声に出せずに、コクコクと頷くだけだった‥‥
その後はお約束の正座でお説教コース!
「だから!何も言わずに居なくなるな!と何回言えば分かるの?分からないの?馬鹿なの?」
「‥‥‥‥何の言い訳もございません。」
ボスとアルファとマンガリッツァが、遠巻きに生暖かい目で見ていた。
~~~~~~~~~~~
やっとお説教から解放されて、一番話を聞きたかったマンガリッツァを捕まえた。
「なあ?聞いても良いか?」
「‥‥‥なんでしょう?」
「お前、転移使える?」
お?凄く反応したな。隠しておきたかったのかな?
「‥‥な、何故?」
「ん?使えるのかな?って」
「‥‥‥‥‥‥総長には見せて無いはずですが?」
「ぶはっ!それ、使えるって言ってんじゃん?」
「あ‥‥‥」
「切り札だったんだろ?いいよ。言わないで。」
やはり、使えるのが分かれば、覚えた理由も分かる。
バツが悪そうにしているが、他に言うことじゃないし、気にすんなと宥めた。
マンガリッツァが転移が使えることは分かった。
アルファが身体強化を使えるのも、何となく分かっていた。
だって、あの身体能力は反則だもんな。
今回、人魚さんたちの能力も3っ貰った。
皆のお陰で色んな能力が使える訳です。
こんな恩恵を受けてるのに、返せていない気がする。
何か俺に出来る事で返していきたいね。
俺に出来る事。
村を潤す事、快適にする事、平和な世界、穏やかな暮らし。
その為に、いろんな事を考えよう!やってみよう!
オークたちは、元の村とこの村の両方で暮らすことにしたそうだ。
牙狼村で建築、農作業、牧畜、養殖等を勉強して、オーク村に帰って実践する。
現在はマンガリッツァを中心に、30頭くらいが牙狼村に来ている。
オーク達の住む家もどんどん増築して、牙猿の職人?達に教わって建てている。
畑も拡張して、キノコ小屋も作っている。
キノコ小屋ではハウス栽培を行っていて、魔道具で小屋の中を温めて寒くなってもキノコが育つ環境作りを目指している。
秀逸なのが、窓。
ビニールなんて当然無いし、ガラスも用意できない。
スライム先生が、スライムの皮を使えと教えてくれた。
なんと!スライムって脱皮が出来る??
厳密には違うらしいが、スライムの皮を薄く延ばして広げると、ビニールシートの様になる。
これを明り取りの窓に貼ると、立派なキノコハウスになる訳だ。
菌床にするおが屑は、鶏小屋のおが屑を殺菌して再利用。
キノコの栄養になれば良いかな?と期待している。
池も広げた。
マス池は区画に仕切って、小さいのを最上流にして、最下流は卵採取用に成熟した親を入れる。
卵は、食べるのと人工孵化用を分けて、まだほとんどが人工孵化用である。
まずは、増やさないとね。
知識は、俺が日本から買い漁って来たHOW TO本を教科書に、スライム先生が講義をしてくれる。
‥‥‥‥スライム先生、いつの間に漢字までマスターしたかな?
意味と読み方が違うと指摘された時の驚愕は忘れない‥‥‥‥
牛たちは、オークの村では難しい。
山の中だから放牧が出来ない。
だから、ニワトリを飼う。
後日談になるが、オークの村で育てたニワトリは、どんどん野生化していって、
地鶏と化していった。
山の中で、広大な柵の中、木々に囲まれて、穴も掘るし木にも登る。
オーク達が可愛がって餌もどんどんやるから、鶏も健康で大きく、卵もどんどん産んでくれる。
普通のニワトリだったはずだが、地鶏となり、いつの間にか軍鶏になっていた。
オーク達は自分の軍鶏を育てるようになり、闘鶏が行われるようになり。
世界中に広がってゆく未来は、この時はまだ知らない。
山の中で畑を広げる。
これは、なかなか難しい。なので、山の斜面でも育てられる作物を考えた。
キノコ小屋は、木に合わせてあちこちに作られた。
竹林も周囲を整え、間引きして、春のタケノコに備える。
山の様々な果実も、周囲の邪魔な木を伐採して柵を作り、小屋を作った。
山自体が天然果樹園となっていく。
サトウカエデを発見、保護した時は小躍りしてしまった。
後日、メープルシロップを掛けたパンケーキを食べたときの女性陣の反応と対応は物凄かったと言っておこう‥‥‥
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます