第36話 帰還3
エルフの里から戻った。
トゥミとワフワンに先に帰って貰って、迎えを頼んだ。
俺と裁縫女子は、牙猿達に乗って帰る。
反乱軍たちは、見張りを付けて徒歩で頑張って貰おう。
先に帰ると言ったら、絶望した顔をしていたが、牙猿の護衛2頭付けるし危険は無い。
野営の道具と食料と水を渡して、道は牙猿が教えてくれるからと反乱軍を残して、先に帰った。
裁縫女子は、最初、牙猿の背中に乗るのにおっかなビックリだったが、牙猿達のフワフワな毛並みといい匂いに取り付かれた様だ。
背中に乗りながら、シャンプーの話などで盛り上がっていた。
エルフの里は昼前に出発したが、夕方には牙猿村に付いた。
先にトゥミがサラ達に事の顛末を説明していてくれたが、反乱軍を連れて来るのは反対の様だ。
しかし、彼女たちと一緒にやっているジーワン達の小間使いとして厳しく躾けて欲しいと頼むと、嫌々?‥‥イヤ、嬉々として受け入れてくれた。
下に付けて扱き使って良いというのが気に入ったようだ。
因みにグッチはカレンとやっているジーワンの下である。
カレンは、あいつの事コキ使えると思うと楽しみだと、ワクワクしていた。
サラ達の所には、二人ずつ配属する。特性を見て分けるようにと。
特にシャルのトコは妊婦さんたちの世話である。これから赤ちゃんも生まれるのだ。ダメそうなら直ぐに他に替えると言っておいた。
まぁ、妊婦さんのトコに男が居てもダメだろうから、サラとユナの所に振り替える事になるのだが。
今晩は、トゥミとゆっくりして、明日の朝に日本に行くことにする。
エルフの里で買い取った毛皮や、品物を売って稼いだ金を葛籠にいれる。
鑑定で見て、大体の金額は分かるが、本当にその額になるかはまだ分からない。
トゥミにお土産なども考えているが、それとなくビックリさせたいので、敢えて言わない。欲しい物と言っても、どんなものがあるか分からないよね。
「トゥミ。ババ様の許可取ったら、次は一緒に行こうな。」
「うん。約束だよ!」
「トゥミ‥‥‥」
「真悟人‥‥‥」
今晩も夜更かしになりそうである。
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では、行くか!
‥‥‥‥‥‥覚悟ヨシ!
・・・・・・・・・飛べ!・・・・・・・・・・・
酩酊感と浮遊感・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ふぅ。着いたか。」
「ああ、お帰り!」
「ただいま。ババ様。」
「今回はちょっと長かったねぇ。」
「うん、話す事たくさんあるんだ。」
「そうかい。じゃあ、お茶でも入れてゆっくり聞こうかね。」
いつものちゃぶ台で、専用の湯飲みを出してくれる。
「そう言う訳で、トゥミを嫁に貰ったよ。」
「そうかい。あの娘なら大丈夫だろ。今回は連れて来なかったんだね?」
「うん。ババ様の許可を貰ってからと思ってさ。」
「いい判断だね。次は連れて来る準備しておくかね。‥‥所で、お前さんのババ様呼びは気持ち悪いね。いつも通りに呼びな。」
「婆さんは、やっぱりお祖母ちゃんだったんだね?」
「ああ。お前さんの思った通りさ。あたしは魔法使いとして転生したんだ。それなりに大成したからね、こうして隠居生活を楽しんでんだよ。」
「もう、向こうには行かないのか?残して来た物とかあるんじゃないか?」
「そうだねぇ。今さら要らないかね。欲しけりゃやるよ。ただ、今のお前さんじゃ辿り着けないねぇ。」
「ど、どんな所に隠したんだよ?」
「隠した訳じゃ無いよ。そこに住んでたんだ。」
「えっ?あそこに住んでたんじゃないのか?」
「あんな、あばら家に住めるかい。山の上に屋敷を立てたんだよ。」
「山の上?‥‥何処の?」
「目の前の山に決まってるだろ!」
「マジか‥‥昔より随分高い山だなとは思ってたけど、霧が掛かってて頂上見えないし、そんな事になってるなんて‥‥祖母ちゃん何やってんだよ。」
「ヒャッヒャッヒャッ!お前さんに言われたくないよ。」
「はっ?俺、そんな事してねーぞ。」
「何言ってんだい、トゥミを嫁にして、後4人控えてんだろ?エルフの舎弟も確保したし、あとは人間を攻略するのと、他種族との交流かね?嫁は何人になるかね?」
「うっ‥‥まぁ確かに嫁候補だけど、まだ分かんないだろ?」
「何情けない事言ってんだい!ドンドン攻めて行かないと女は待っちゃくんないよ。そんで、今回は少しは稼げたのかい?」
あっ!そうだった。まだ葛籠を確認していなかった。
今回も買い物は大量にあるので、その分を補ってどんだけ残るか?
先ずは、小さい葛籠から開けて見る。
‥‥大体予想通り。まぁ、換金レートが分かってれば大きく外れることは無い。
次は、大きい葛籠。毛皮などは嵩張るので、ぎゅうぎゅうに詰めて蓋が持ち上がってる状態だった。
では、ご開帳!‥‥ん?‥‥ぶっ!!1千万円オーバー!小さい葛籠と合わせたら、2千万円近いぞ!あの毛皮、そんなに価値あったか??
あっそうか!異世界と日本じゃ、そもそもの価値観が違うからそうなるのか。
此方じゃ、毛皮何て世界的に入手が難しいもんな。特に毛皮の美しい動物は乱獲で絶滅さえ危ぶまれてる位だ。
あちらでは、狩らないと自分たちに被害が及ぶ程だから、まだバランスが取れてるのかな?
この金で買い物して、残りは銀行に入れないとな。
「祖母ちゃん、買い物いってくるよ。」
「ああ、行ってらっしゃい。周りもちゃんと確認しておくんだよ。」
「??はい。行ってきます。」
周りの確認?家庭菜園の貸し出しとバーベキューサイトと‥‥
自分のやった事を思い出した!!
家庭菜園!‥‥‥大幅に拡張!週末農家の方にスタッフのお手伝い導入!
BBQサイト‥‥‥竈、増設!予約が取りやすくなりました。
牙猿長屋!‥‥‥ペットと泊まれるバンガローサイト設置!。リス猿園あり!
放牧場!‥‥‥小さなミニ牧場として近日オープン!
放牧場と畑の間の湧き水池と水路!‥‥‥マス釣り場。釣ったマスをBBQで!
迎賓館!‥‥‥小規模ホテル。都会を離れてリラックス。ビジネスにも!
エルフ長屋!‥‥ペンション村。ペットは各ペンションにお問い合わせ下さい。
か、観光地となっている‥‥
こんなトコに小規模とは言えホテル立てて採算合うのか?
てか、土地はうちのだから、金は入るのか?‥‥祖母ちゃん恐ろしいな。
土地も随分広くなってる気がするが‥‥
家の横の倉庫が拡張されて、スタッフの詰める事務棟になっている。
どんだけの人数雇ってんだ?
もしかして、俺が稼がなくてもやっていけるんじゃないか?
後でパソコンで検索したら、【都心から気軽に行ける週末の憩いの場】として紹介されていた。アハハハッ!!
気を取り直して‥‥
厨房用品関係は全て問屋にネットで発注。倉庫に入れてもらう。
服飾関係も同様。全て問屋にネットで発注。
確認の電話と銀行への現金振り込み。
牧場や農場で使う用品もそう。
前回歩き回って疲れたがネットで注文出来ることに気付いた。
後は、食料品や香辛料関係を注文する。
他にも種や、苗や、魚の稚魚まで、ネットで買えるなんて!
刃物類はまた前回と同じ刃物工房にお願いした。出刃包丁から菜切り包丁、刺身包丁、牛刀まで大小様々な包丁類と解体用のナイフ合わせて20数点。合計200万円位のお買い物です。前回から引き続き2回目で大量購入なので、かなり勉強して頂いた。ありがとうございます。
後は、さすがにこれは直接行って買おうと思う。
車で、都会までやって来た。
有名なジュエリーショップ。そこで結婚指輪を買おうと思う。
トゥミにどんなのが似合うのか、サイズはどのくらいか、予算的には‥‥
エンゲージリングは高価なのが並んでいるが、マリッジリングはまだ、良心的価格である。それでも、ダイヤを埋め込んだものや、プラチナとゴールドが合わさって凝った物は、それなりの価格がする。
じー~~っと見て行って、これかな?と思うものが有ったので、店員さんにお願いして出してもらい、サイズを聞いたら、二人ともに思ったサイズがあった。
包んで貰ってる間、どうやって渡そうか考えてたらニヤけてしまってたようで、店員さんから生暖かいような、微笑ましいような目で見られて赤面してしまった。
後は‥‥ヒヨコや子牛、子ヤギや羊は買えるのか?異世界に連れて行っても大丈夫なのか、祖母ちゃんに聞かないとな。
そんなことを考えながら、高速道路を走って帰った。
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