第28話 エルフのお仕事

 チャ〜ンチャンチャ チャ〜ンチャ♪

 ラ〇オ体操第1~‥朝礼の時の何かを考えているが、ど~もそれしか浮かばない。

 ‥‥と、言う訳でラ〇オ体操をやることにした!


 40過ぎても覚えている体操なんて、日本の教育恐るべし!だな。

 さすがにラジオは持って来てないし。(持ってても受信できないのである。)

 今度帰ったら用意しておこう!(だから受信出来ないってば!)

 チャンチャンチャ‥‥まだ時間が早いかな。


 みんなでやるにはまだ早いので、一人で口ずさみながら体操を始めたら、


「真悟人さん!体操ですかぁ~?」


「ん?サラだっけ?体操知ってるのか?」


「はいっ!サラです!覚えててくれてありがとうございます♪」


「あ、あぁ、体操、何で知ってんだ?」


「前にトゥミと仲良くなった男の人が教えてくれたんですよ~!よく二人で一緒に体操してましたよぉ。」


「そうかぁ~‥‥」


 体操の第1を何となく口ずさみながら終わらした。

 トゥミの事を聞いて、胸がチクッとしたが、まぁ、実年齢45じゃ何も無い方がおかしいやね。

 まぁ、そこは置いておいて、トゥミと仲良かった体操を知ってる男‥‥何処から来たのか?今はどうしたのか?‥‥今度、トゥミに聞いて見るか。


 サラは小首を傾げて見ている。


「どうしたの?」


「あ!イヤイヤ、何でも無いんだ。そろそろ皆、集まってきたね。」


「そうね。私も皆の所に戻りますね。」


 皆が集まってきた。

 ボスを呼んでラ○オ体操を教えて皆で一緒に体操しよう!と提案する。


「それは一体何をするんで?」


「体操と言って、皆で一緒に身体を動かすんだが、コレをやっておくと身体が動きやすくなったり、怪我し難くなったりするんだ。」


「おぉ!それはいいですね。」


 と、言う訳でラ○オ体操を始めるのだが‥‥コイツら、めちゃめちゃ身体柔らかい‥‥

 そりゃそうか。野生の猿が体操出来ない訳無いよな。


「ん〜〜〜はぁはぁ‥‥ウゥ〜〜〜はぁはぁ」


 俺が一番固い。いくら異世界来て都合良く身体が締まっても、そこまで動ける様になってる訳じゃ無い。だから身体も固い。

 こりゃ柔軟体操もしないと駄目だな。


 エルフ娘達も柔らかい。前屈してペッタリ身体が脚に着く。

 護衛二人も、新護衛二人も、それに近い。例外は‥‥


「ん〜〜〜はぁはぁ‥‥ウゥ〜〜〜はぁはぁ」


 ヴィトンは似たようなモンだった。

 ちょっと親近感。


 今日から、ちゃんと朝礼して規則正しい毎日を送る。

 エルフ娘たちも自分の部屋を決めてから、朝礼に参加する。

 昨日泊まった迎賓館から、エルフ長屋に引っ越ししてある。

 トゥミを筆頭に5人居る訳だから、それぞれの得意分野で仕事をして貰う訳だが。


 これまでの仕事は、日々の糧を賄う狩り部隊。圧倒的に牙猿(♂)の仕事である。

 畑の開墾や収穫を行う農業部隊。これは牙猿(♂)達も牙猿(♀)達も協力して行う。

 日頃の衣類を賄う、服飾部隊。ワフワンがリーダーとして牙猿(♀)達を仕切る。

 経理・事務担当、今はまだ、いわゆる雑用全般と牙猿(♀)を仕切るワフトゥ。

 そして、牙猿(♂)(♀)統括。酒に弱いワフスリである。‥‥拗ねてしまった。

 ゴメン!ゴメン!余計な事言ったね。ごめんね!


 こほん!。エルフ娘たちは何が出来るのか?

 一人ずつ教えてくれるか?


 トゥミ‥‥剣が得意。回復魔法も少々。エルフ娘たちの中で一番強いらしい。


 サラ‥‥水魔法と畜産系が得意らしい。家畜飼って、モフモフ大好き♪ここにもモフモフ?牙猿達を獲物を見る目で見ないように‥‥


 シャル‥‥なんでもイケます!敢えて言うなら‥‥子作り?キャハハ♪


 もう、オジサン真っ赤です。チョーーお願いしたい。言わないけどね!。


 ユナ‥‥土魔法が得意!農家に引っ張りだこ!一家に一人ユナが欲しい!らしい。


 カレン‥‥火魔法が得意!攻撃魔法お任せあれ!だけど、実は料理が得意♪

 新しい料理には目が無いらしい。



「まずは、トゥミ!牙猿戦隊を仕切って周辺警備を頼む。なんだかんだ言ってもあいつらは子供だから、お姉さんのトゥミが色々教えてやってくれ。」


「はいっ!了解しました!」


「じゃあ、頼むな。(イイ返事だね)」


「はいっ!(真悟人に頼まれたお仕事だから頑張ります!)」



「サラ!まだ家畜が居ないんだ。そこで頼みがある。トリ(鶏)、豚(猪)、肉牛・乳牛(バッファロー?)を飼える小屋と設備を牙猿(♂)達と協力して、準備して欲しい。必要な物とか、必要な力はドンドン言ってくれ。お願い出来るか?」


「うふふ。良いよ!場所はどうする?」


「家の南東の草原で、牙猿(♂)達から目の届く辺りにしようか。広さは言ってくれれば、柵を回すよ。」


「うん。了解だよ。」



「シャル。」


「な~に?子作りする?」


「うん。頼むよ!」


「えっ??マ、マ、マジで?‥‥」


「マジで。ちょっと待っててな。」



「ユナ。農地を広げようと思う。どの位広げられる?」


「ん~~~‥‥見渡す限り?アハ♪」


「おぉ!頼もしいな!んじゃ、南の草原を見渡す限り農地にしてくれ!東側は放牧地にするから、その辺はサラと相談してな!人手は牙猿(♂)達に頼んでおくから、お願い出来るか?」


 ユナは目を見開いて、マジですか????と言いながらコクコクと頷いていた。



「カレン!料理イケるか??」


「あ、あぁ、新しい料理にゃ目が無いんだけどね、エルフも人間も似たようなもんばっかりで飽きてたんだよ。でもあんたの作る汁やお握り?って奴はイイね♪単純だけど奥深いってのか?久々に熱い物を感じるよ。」


「そりゃ良かった。カレンには牙猿(♀)達と協力してみんなの飯を頼むよ。後は迎賓館の厨房を任す!料理は俺が新しい料理をバンバン教えて(ネットで調べて)やるから期待しててくれ!」


「マジかよ?そんなに新しい料理がバンバンあるのか?ちょっと信じられねぇぞ?」


 俺は、ニヤッと笑って、(ネットの知識)楽しみにしてろ!

 早速、牙猿(♀)達のトコ行くか。

 後、シャルもお出で。と、3人で牙猿(♀)達のトコに行って、


「よぅ!料理番は今日は誰だ?」


 料理当番は週ごとに変わるように言ってある。全員が作れるようになって欲しいからだが、向かない者達も居る。それはそれで多少の希望を聞いて、仕事を順番に変われるようにしている。

 そこにワフスリが来ていた。


「今日は、ジーワン達の番ですね。」


「そうか、ジーワン居るか?‥‥」


 奥で準備していた様で、呼ばれて出てきた。


「はい。主、なんでしょう?」


「今日からカレンが仲間になる。一緒にやってくれ。お願いできるか?」


「はい。主。お任せ下さい。」


「カレン。」


「カレンだ。今日から世話になる。よろしく頼む。」


「あぁ。ジーワンだ。皆の名前はおいおい憶えてくれ。よろしく頼むな」


 しっかり握手をしている。良い傾向だ‥‥握りしめて汗かいて、何してるかな?

 まぁ、任せたから言わないけど。


「今晩の飯から楽しみにしてるぞ。頼むな。」


「今晩は何作るんだ?」


 真っ赤になった手を振りながらカレンが聞く。

 同じく真っ赤になった手に息を掛けながら、ジーワンが答える。


「ハンバーグだ。」


「は?なんだそりゃ?聞いたこともないぞ?」


「主の料理だ!全員が泣きながら食った。あんなのは食ったことが無い。美味いがなかなかに手間がかかる。‥‥まずは手のチェックだ!」


 公衆衛生道徳は、少しずつ根付いてきている様である。

 この後、カレンは目から鱗の連続で、ジーワンを師匠!と呼ぶようになっていた。



「さて、シャル。お待たせ。」


「え、えぇ‥‥あの?子作りって本気で?‥‥言ってる?」


「ん?子作り得意でしょ?」


「あ、あの、それは‥‥」


「子供ってどうして出来るか知ってる?」


 シャルは真っ赤になりながら‥‥


「そ、そんな事、今更言われても‥‥」


「子供はね、お父さんとお母さんが一緒に居る、一番の理由なんだよ。だから二人で作るんだよ。‥‥」


 牙猿達の長屋まで来た。


「ここにはね、そんな家族がいくつも居るんだ。」


 牙猿の番になって子供が生まれるかどうかの者たち。

 もうすぐ出産ラッシュになるだろう。

 お腹の大きな牙猿(♀)達、気遣って仕事の合間に見に来る牙猿(♂)達。


「シャルにはさ、彼女たちの面倒を見て欲しいんだ。聞けば、回復魔法も使えるでしょ?‥‥ここを任せられるのはシャルしか居ないと思ってさ。」


「あ、あ、アハ、アハハ!あたしったら、アハハハハ♪うん!面倒見るよ!任しといて♪」


「うん、ありがとう。頼むね。」


「はいっ!‥‥‥あっ真悟人!」


「ん?なんか忘れ物?」


「うん、ありがと。そのうちあたし達の子供も見たいね♪」


 えっ??問い返す間もなく彼女は長屋に行ってしまった。

 なんか、つい呆気に取られてしまったが、仕事は納得してくれたようで、良かった。


 しかし、俺の子供かぁ?‥‥自分の惨めな子供時代を思い出した。

 俺が幸せになるってことは、子供も幸せになるって事だよな!

 がんばろう♪

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