不思議で、品があり、エロい

よく分からなくて不思議だけれど、置いてきぼりにもされない。全体を通して一貫性のある上品な読み味があり、突拍子のなさをうまく緩和している。
キルケーの存在には男性の欲求と罪悪感を疼かされた。下世話な表現がないのがありがたい。自分も一度は首を折ってみるだろうかなどと考えながら楽しめた。
「分解」が何を表しているのかはよく分からなかったが、正にSFという感じで好ましい。