微睡みの夢
南瀬笑音
第1話
手に持つ折り畳み傘からは雫が垂れる。
歩く振動によって新品のスーツに雫が着いた。
ビル街はサラリーマンとOLで溢れかえっている。目の前に見える人たちは、今「歩く」という行動が自分の目に見えているが、勿論見えないところもある。
今、目の前にいる154センチくらいの女性も眠たそうな顔をしている。自分と同じで、夜遅くまで恋人と盛っていたのかもしれない。もしくは、セックスフレンドと一夜をすごしていたのかもしれない。
隣の部長の年代の男性は、仕事で疲れた顔をしているように見えるが、子どものことが可愛すぎて悩んでいるかもしれない。
目に見えているものが全てではないと、教えてくれている。
でも、世の中はどうだろうか。全てが見えていること前提に進んでいるように見える。それは、ウエハースの模様のようにキメ細やかにプログラミングされているような。はっきりいって気持ち悪い。
微睡みの夢 南瀬笑音 @nase_ene_0
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。微睡みの夢の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます