第27話双子同士の再会
眩しい光が、リズル達の目を潰し、強い風が、樹木を吹き飛ばす
「二人とも大丈夫?」
リズルが大声でクリス達に声をかけるが、返事もなく、ただ風の音が漂う
「アリス!クリス!」
リリスの声と共に光が消えていく
光が溶け、クリス達が居たところを見ると、二人の姿がなくなっている
「えっ?」
「何処に行ったんだ?」
取り残されたリズル達
クリス達がいた場所、光があった周りには瓦礫、草木だけが残っている
リズルが二人がいた場所に走っていく
二人がいる様子もなく、ただ足元には荒れ果てた草木が倒れ、人の気配もない
「どこへ行ったんだ?」
「……カフルさん」
ノーツ医師が問いかける
「なんだね?」
「今、魔力は?」
カフルは、ノーツ医師に言われ、手に力を込めるが、なにも起こらない
「無いな、使えない」
カフルは少しホッとしたような表情をする
「じゃあ二人はまだ…」
ノーツ医師が呟く
「そこの隊員!」
リズルが避難指示に来ていた隊員に声をかける
「えっ?はい!」
「私の隊員を数名呼んでくれ。二人の捜索を命じる」
「りょ、了解しました」
隊員はリズルに敬礼をすると走って本部内へ入っていった
リズル達が二人を探している頃、何もない真っ白な場所にアリスとクリスがいた
アリスはクリスの右横に座り込んでいる
クリスは倒れて動けないでいる
「ねぇ、起きて!」
アリスが、クリスを体を揺らして起こしている
「うん……?」
揺らされ目を覚ますクリス
隣にいるアリスを見ると、ガバッと体を起こすと驚いた表情でキョロキョロと見渡す
「えっ?アリス?!」
アリスはホッとした表情でクリスを抱きしめる
「良かった…生きてた」
クリスはアリスの体を少し離し、不思議そうに見つめる
「本当にアリスなの?」
クリスはアリスの頬っぺたを、右手でにぎっと摘まむ
「うん、心配かけてゴメンね」
アリスもクリスの頬っぺたを摘まむ
「良かった!」
二人は抱き締めあい、喜び合う
「ふざけるな!」
そんなクリス達のそばで怒鳴る男の子
「誰だ!僕の邪魔をしたやつは!」
バルドが声を荒げて叫んでいた
ヅカヅカと足音を鳴らし、クリス達の所へ来る
「お前達の仲間か?なんだ!」
「くそっ!もう一度、儀式をしなければ…そして、力を手にしなければ…」
「もういいんだ…バルド…」
声と共にバルドの前にうっすら人が現れた
段々と、見えてくるその人影はバルトに似た男の人
「だれ?」
アリスがクリスに聞く
クリスも首をかしげ、不思議がる
「さあ?でも、あの人たち似てる気がする」
「もう、悲しい儀式なんて終わるんだ、バルド」
バルドにニッコリ笑う男の人
その姿に驚き、涙するバルト
「……ハルドお兄ちゃん」
「やっと会えたね、バルド」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます