出ておいでね と祈りを込めて

出ておいでね と祈りを込めて

やわらかな土に そっと埋める


水をあげましょ

柔らかい陽にあてて


風の吹く日は守ってあげるよ


そうしてやっと目を覚ました君

小さな体で 大きく伸びをする


両手いっぱい 陽を浴びて

どんどん 背丈が伸びていく


そして ふっくらとした宝物を

ある日 こっそり見せてくれる


あとは 時を待つばかり


一片 二片 ベールをほどいて

君が いちばん輝く朝


祝福のキスは 蜜蜂から

歓喜の舞いは 蝶々から


私も見るたびトキメキながら

君の姿を心に刻む


しばしの春を謳歌して

やがて 君は静かに目を閉じる


亡き骸からは 君の命の証


私は大事に摘み取って

また来年の夢を見る

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