第148話 屋敷の攻防 その後の世界
魔王の屋敷での出来事。
あの後、再び魔王の行方は分からなくなった。
胴体に風穴を開けられて生き続けていられるのだろうか? それも人目を避けた逃亡生活の中で……
秘密裏に魔王の亡命を支援したマシロ姫は幽閉された。 今は城の塔に隔離されている。
かつての魔王討伐の英雄。 正統なる王位継承者。 それらの立場から重い刑に処される事はないだろう。
しかし、彼女の口から真実が世界に向けて語られた。
「どうして、私が魔王を保護して国内に匿っていたいたのか? みなさんは不思議に思うかもしれません。 しかし、彼は魔王と同時に勇者でもあるのです」
勇者の体は魔王に乗っ取られた。 ――――その事実が公言されたのだ。
結果、世論はマシロ姫に同情的になった。
それと同時に世界は1つの目的に向って動く。
『勇者を取り戻せ』
生死不明の魔王には多額の懸賞金がかけられた。
有力情報1つで、一生遊んで暮らせる金額だ。
それを目的とした専門の冒険者も生まれるほどだ。
恐ろしい事に、これらは魔王の屋敷の出来事から2週間足らずの話だ。
・ ・ ・
・ ・ ・ ・ ・ ・
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
「それでは行ってくる」とベルトはでかける準備をすました。
この2週間、メイルと一緒に行動していない。 万が一を考えて単独行動を行っている。
なぜなら魔王は、この付近に潜伏している事はわかっているからだ。
生死不明のダメージを受けて、長距離を移動したとは考え難い。
それに、おそらく協力者がいる。 そうベルトは考える。
いくら、姫であるマシロが亡命の手助けをしていたとはいえ、あんな屋敷に魔王1人で……正確にはカレンも一緒に暮らしていたのだろうが……住んでいたとは思えない。
従者のような存在がいて、今も匿っているのではない?
魔王を匿うような人間がいるのか? と思うかもしれないが魔王信奉者は以外といる。
例えばー―――
「あぁすいません。どうやらお出かけのようですね」
そう言って訪ねてきたのはギルド職員であるソル・ザ・ブラッドだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます