第15話 魔女のプライド



 時間は少し遡って、透子が異変に気が付く数十分前。

 智美は三条台の砂利道を歩いていた。

 いつかの魔女装束でである。

 右手に歳月を感じる木製の杖を持っていて、それになにやら荷物の入ったかばんを架けている。

 小さめの身体でどうしてと思うほど、智美は整備されてない道をすたすたと歩いていた。

ふいに、彼女の姿が砂利道から消えた。砂利道から草生い茂る森の中に入っていったのだった。

 普通の人間なら迷ってしまいそうな森の中を、まるで我が家の庭のように歩いていく。

「さーて、どうしてくれるかねえ」

 非常に攻撃的な笑顔を浮かべながら、ほとんど音も立てることなく、しかも獣道すらないような藪の中を、歩道を歩くようにすいすいと歩いている。もしたまたま彼女を見つけられた人間は、幽霊か妖怪を見るように彼女を見ただろう。

 数分と立たず、智美は目的の場所にたどり着いた。杖と荷物を下ろして、百メートルは離れているはずの場所を見た。木々の間、その先に少し開けた直径十メートルほどの広場がある。普通なら木々に遮られ見えないはずだが、森は常に智美の味方だった。日中に確認もしていた。何ら問題なく、智美はその広場を見た。

 そこには石が祭られていた。

 縦横十五センチ、高さ五十センチほどの大理石がが森の中にでんと立っており、その周囲に石が並べられた輪があり、それが三重にその石を囲んでいる。

(まだあいつらは来てないな)

 そう思いながら、音をできるだけ立てないように荷物をほどいた。少しづつ、慎重に。

 智美が今いる場所は、道の魔女が張った結界の境界あたりである。これ以上近づくと、超自然的な警報があの魔女たちに伝えられることになる。

(そうする前にまずは自分の準備だ)

 そう思いながら、音も立てずに取り出した荷物を使えるように組み立てていく。

 まず出てきたのは鉄のノミとハンマーで、次に軍手が置かれた。そして最後に取り出されたのは電動ドリルだった。

 智美の小さな手に握られるにはサイズが大きく見える。その先端に十数ミリの太さを持つダイヤモンドドリルをねじ込み、電池をピストルのグリップにあたるような位置に差し込む。動作を確認はしない。さすがに電動音は森の中でもよく響くからだ。

 それらの道具を確認するのが、伝統的というか古典的な魔女の服装をした少女というのが、この上なくミスマッチである。

 準備を続けながら、智美は石柱に意識を向けた。

「今日だろうな」

 小さな独り言だった。自分に言い聞かせるような声だった。

 今日起こるはずのこと、それは、あの魔女たちによる『儀式』だ。

 実は、この石柱はここの他、二箇所に設置されている。

 一つは光来山の山中であり、もう一つは智美の住んでいる森、その中に設置されていた。

 地図上で見れば、この三つの石柱が置かれている場所は大体正三角形を構成している。中心点は、概ね光来山の神社がある位置になる。

 図面を引いた段階で、智美は彼女らが何かをしたいということに気が付いた。もっとも、何をするのかはわからないが。

 しかし、なんであれ智美は彼女らを邪魔するつもりである。そうするだけの理由が、智美にはあった。これは智美のプライドの問題である。

 自身の領域であるはずの森に無断で立ち入られ、『儀式』を敢行される。

 こんなことを許すと、今後は真実を追究するだのなんだのという寝言を言えなくなる。

 魔女にとって自分のテリトリーは、言うなれば小さな国でもある。その中で無法者が好き勝手することは許されない。だから普通の国であれば無法者を逮捕する。魔女の領域では、それをやった、あるいはやろうとする相手を蹴散らすことが、同じ意味を持つ。

 そうしなければ、今後も自分のテリトリーで好き勝手されることになるからだ。だから、智美は善悪や良心、あるいは相手の思いなどすべて無視して、この儀式を妨害せねばならないのだ。

 智美は三度あの石柱を見た。未だにその場所に動きは見えない。

実際のところ、あの石柱そのものはそれほど重要ではない。重要なのは場所だった。石だけを突き崩しても、警報によってそれを知った魔女たちは、次の日には石を元に戻してしまうだろう。極端なことを言えば、当日にややディティールの甘いものを置いても機能はする。『儀式』の精度に問題は出るだろうが。

 だから、魔女たちのやることを台無しにするには、まさに『儀式』の最中に石柱を破壊しなければならない。

 本当なら自分の住処にして拠点でもある学校裏の森にあるものを破壊するのが楽なのだが、そこを壊すと自身の研究にも多大な影響をもたらす。そこだけ、特別な仕掛けを施したらしい。智美が調査した結果がそれだった。

 なので、次善の策として三条山にあったポイントを破壊すると言うことにしたのだった。

 人数的な不利、少なくとも相手は三人以上ということを考えて、随分と準備には気を使っている。自身に似せた人形をスフレに乗せて、森の石を調査しているように見せかけ、その間に三条山や光来山のポイントを確認したり、日用品を買いに行くと見せかけ、必要なものを買ったり。スフレがいれば尾行はすぐにわかるので、不自然にならないように歩いたり。

「今に見てろ、あのスカポンタンども」

 満月の光も届かない暗い森の中、智美は待ち続けた。

 森の中にいる限り、智美は怖くなかった。

 小さい頃から、魔女であった祖母に憧れて、一応知識はあったが魔女の世界からは抜け出した両親の目を逃れるようにして、祖母の教えを受けた。その教えの中には、現代社会では使わないようなサバイバルの知識もあり、森の中で使える技術は軍隊のサバイバル術にも匹敵した。

 もともと、智美はそういったアウトドアに適正が高かったのだろう。

 祖母が病気で亡くなった後、智美は学校裏の森に住み着いた。両親は引き止めたけれど、強くはそれを止めなかった。

 その生活が大体二年間。

 好き勝手やった二年間だった。普通の人から見るといい生活ではなかったかも知れないけれど、智美はその時すでに普通ではなかったから別によかった。

 そんな生活を、智美はずっと続けたいと思っていた。

 まんまと森に道を通されたとなれば、両親は自分を街中の家に引っ張り込むだろう。心の底からの善意で。

(それだけは勘弁だからね)

 内心でそう思った。あまのじゃくで気分屋な智美でも、両親から、優しく、うちでしばらく休みなさいと言われれば、拒否はできないんじゃないかと思っていた。そこまで人生をひねた目で見ていない。

 だから、今は自分のこれまでの生活を守るためにもあいつらを蹴散らさなきゃならない。

 とりとめなく、相手を邪魔するための理屈を心の中であれこれ並べながら、智美はひたすら待った。


 下生えや枯葉、けもの道に転がった小石を蹴飛ばす音、歩く人間が立てる衣擦れの音。そんな音が智美の耳に入ったのは、待ち始めてから三十分ほど経ったころだった。智美の感覚では、夜八時を回ってもう少し経ったぐらいである。

 智美は慌ててそちらを見るようなことはしなかった。

 見ることは、見られること。見られることそのものを感知する魔術を使っているかもしれない。そうでなくても、視線を向けることは、視線に気付かれる可能性もある。

 その代わりに、それ以外の全身の感覚を使って、音の発生源を感じようとした。

 相手は、智美がいることに気が付いている様子は無い。何も気にすることなく、大きな音を立てて歩いていた。

 意外に身長が高そうだ。

 三人組の魔女、そのうち一週間前ぐらいに襲撃を仕掛けた二人の片方だと、智美は見切りをつけた。確か柚原だ。

 歩いている音がやがて止み、石柱があるであろうあたりで止まったことを智美は感じた。がさごそと何かを取り出す音の後、ピー、という甲高い通信音が鳴った。

「うぃっす、現地到着っ」

 そんなことを言うのが聞こえる。これは感覚を研ぎ澄まさなくても聞こえそうな大声だった。

「異常は?」

「ないっすね。さすがにここは気付かれないでしょ」

 彼女が持っているのは、無線通信機のようだった。この場所は透子が迷ったときにそうであったように携帯電話の圏外だ。だから、基地局電波のいらない無線機を使っているらしい。

(うまいなあいつら)

 魔法での通信をしなかった理由は、智美に傍受されるのを防ぐ意味があるのだろう。この手の無線機は携帯電話の普及もあって昨今あまり見かけないので、そういう意味でも有用だった。

 直接聞かれる、という可能性はさすがに考えづらかったのだろう。

「一応、警戒しなさい」

「はーい、でも、姉さんのところが本命でしょ、気をつけて下さいね」

「ええ」

 そこで無線は切れた。

「さて」

 無線機を切った柚原は、持ってきた荷物を広げ始めた。

 鼻歌を歌いながら、軽快に必要なものを置いていく。ろうそくにライターで火を入れ、適切に並べていく。聞いているだけで手際のよさがうかがえる。柚原は大雑把かもしれないが、この手の儀式はやり慣れている。智美はそう感じた。

(手際はいいな)

 てきぱきと支度を仕上げていく柚原を感じて、素直に賞賛する。この前、目つぶしで煙に巻いたのは正解だったと思った。

 ふと作業音が消えた。魔女は石柱の上に立って動かない。

 そこに、無線の音が聞こえてきた。

「いい?」

 さっき、姉さんと呼ばれた女の声だった。

「うぃっす」

 それに柚原が答えた。続いて、姉さんとは違う可愛らしい声が聞こえてきた。

「大丈夫です」

 これも智美には聞き覚えのある声だ。柚原と一緒にいた鈴井だろう。

「じゃあ、行くよ」

 その言葉が聞こえると、柚原は無線から手を離した。

【繋ぎたまえ、紡ぎたまえ。世界はつながるためにある】

 幾分間が空いてから、柚原が静かに唱えた。魔術を行使するときに使われる、古い言葉だった。

 その言葉と共に、目に見えない力が渦を巻いて動き出すのを智美は感じた。

 少し手を伸ばせば直接介入することができるだろう。

 が、それをやれば、あっという間に介入を悟られるだろう。そもそも、還流しだした魔力の渦に迂闊に手を出せば、自分がどうなるか解らない。さらに、単純な人数で三対一という不利もある。

(まだだ、まだ早い)

 まだ魔女たちは自分の攻撃を疑っているだろう。特に、恐らく学校裏の森にいる姉さんという魔女は、自分が仕掛けて来る事を想定しているはずだ。

 やるなら、もっと取り返しのつかない状態になってからだ。

 それまではじっと待つ。渦巻く魔力を感じながら、智美はそう心に決めた。

【交わるは言葉、信じるは力、言葉の力を持って流れよ】

 歌うような声が聞こえてくる。快活な運動系部活動の後輩と言った感じだった声はもはやなく、観劇に出てくる役者のような声が三条山中に響いている。

 その言葉を聴きながら、智美は渦巻く魔力の流れを感じている。遠く離れた二地点の状態を類推できるほど、その力は澱みなく流れている。

(三人揃えばなんとやら)

 直接戦闘では(智美がまともにやる気がなかったので)あっけなくなんとかできたが、儀式の腕は本物らしい。その様を感心しながら観ていた。

【門を開け、馬車を走らせ、街に新たな品を置け。新たな価値を流通せしめよ】

 その言葉と共に、魔力の流れが一層強くなったことを感じた。

<<ここから先は、一気に行くから間違えないで>>

 智美の思考に、ふとそんな声が聞こえた。

(魔術通信!)

 直感的にそう感じた。

 その瞬間に智美は走り出した。今の思考で相手に居場所を気取られたかもしれない。もっと相手が儀式に集中するまで待つつもりだったが、気付かれればすべておじゃんだ。ほとんど思考することなく智美はそう結論し、反射的に石柱に向かって走り出した。

 一方、相手の通信には少しの間があった。

<<今、何か言った?>>

<<いえ?>>

 その答えを聞いた瞬間に、リーダー格の声が頭に響いた。

<<聞かれている!>>

 その声は智美が走り出してから三秒経っていた。

<<えっ?>>

<<うそ!>>

 四秒。ふたりは戸惑っている

<<まさか>>

 六秒。姉さんの僅かな思考が命取りだった。

<<警戒しろ、森の魔女はここにいない! どちらかに!>>

 八秒。柚原は周囲を見回した。

 ほとんど目と鼻の先に狼のような四足獣がいた。

 その後ろに智美の姿を見た。

 四足獣は吼えることもせずに遥に飛び掛った。

「ひっ!」

 本能的な反射行動で遥が後ろに飛び退こうとした。

 無駄だった。

 四足獣、智美のペットのスフレ柚原を地面に押し倒していた。

「っ!? このっ!」

 柚原はすぐに何がしかの呪文を唱えようとした。

 右腕を持ち上げようとして、その腕に、ツタが絡み付いていた。

「ぐっ、ぐぬぬ!」

 柚原は右腕を持ち上げようとしたが、そのツタは地面にしっかりと根を下ろして、ぴくりとも動かせない。

 どうにかして身体を持ち上げようとする柚原へ、ゆっくりと智美が近づいてきた。

「森の!」

「どーもー」

 旧友に話しかけるように気安く智美は返事をした。そして柚原の左手を取り、地面にゆっくり押し付けた。

 その腕を足で押さえつけると、そっと、右腕で柚原の左手首に触れた。

 左手首に、ツタが這っていた。

「このやろう!」

「汚い言葉を使わない。それが道の魔女でしょ」

 上体を完全に地面へ拘束された柚原に対し、余裕綽々といった体で智美が言った。

「さて、二人が来る前にちゃっちゃと終わらせるか」

 すると、智美は腰に差したドリルを手に取った。

「ちょ、ちょっと、何する気?」

「ダイヤモンドドリルだからよく掘れるよ」

 質問には答えず工具自慢をして、智美はドリルを石柱に当てた。

 石柱からは強い力を感じる。

 それに構わず、智美は電動ドリルのトリガーを引いた。

 最初、石にあるまじき抵抗

「いやー、アイテムひとつ砕いた甲斐があったね。魔力の石でもよく掘れる」

 きゅいいいい……がががががが、と、激しいモーター音と石が粉砕される音が響く。

「やめろ、やめろお前!」

「あははははは! 今更やめられるか!」

 危ない笑い声を上げながら、智美は連続で石柱に穴を開けていく。次々といくつもの穴を開けられ、見た目にも石柱は危険なほど脆くなっているように見えた。

「よし」

 そしてドリルをほっぽりだすと、ノミとハンマーを持った。実に手馴れた手付きだったノミを割れそうな石柱の隙間にねじ込む。

「せーのっ!」

 亀裂に押し付けたノミに向かって、智美は思いっきりハンマーを叩き付けた。

 ごつん、という音を立てて、ノミが亀裂を割った。ギシリ、と割れが拡大していく。

 亀裂がひと回りし、そして、そこで石柱の上部が崩れ落ちた。

 魔力の流れが一気にかき乱れたことを、智美もはるかも感じていた。

「あーっはっはっはっは! ざまみろ!」

 智美は叫びながらガッツポーズを取った。

「も、森の……なんてことを」

「これであんたらの目論見はパーだね!」

 智美は踊りだしそうなぐらいに嬉々としていた。その様子を見て柚原は呆れたような目線を送った。

「野蛮人……」

「なんとでも言え。こっちは住処に手出しされてるんだからね。さて、あと二人が来ないうちにさっさと逃げるか」

 そう言ってくるりと柚原に背を向けて、智美はそこで違和感を覚えた。

「ん?」

 風景から何かが欠けているような気がした。そしてその欠けている所から這い出るように、ピンク色の何かが湧き出して来るのを見た。

「げっ!?」

「ぎゃあああ!!」

 それを認知した瞬間に二人は悲鳴を上げた。

 湧き出てきたのはインカナだった。

「おい、ちょっと、まてこれなんだこれ!」

「ちょっと、ちょっと、これ解け! 解いて! 助けて!」

インカナを見た瞬間にパニックを起こしていた。ほとんど役に立たない言葉を大声でがなりたてあうだけだった。

 そんな二人を無視するように、湧き出たインカナたちは一定の方向へ進んでいった。まるで、大騒ぎしている二人がそこにいることすら知らないように。

「……あれ?」

「……どうなってるの?」

 そのまま一言も言うことなく、影が見えなくなるまで二人はそれらを見ていた。

 呆然とそれを見送って、さらに数分。

 ようやく智美が我に返った。柚原に掴みかかって猛烈に揺すりながら聞いた。

「おい、お前、もしかしてアレを呼び出す儀式だったのか!?」

「違う! この辺一帯調べてたらちょっと流れがおかしかったから調べたのよ。そしたらこことあともう二箇所に封印がされた形跡があったから、それを起動するつもりだった」

 地面に貼り付けられたまま猛烈に揺すられた柚原は、揺られながらそう答えた。

「起動……」

 頭に手を当てて智美が頭を捻った。少しした後、智美ははるかに対して何事かをつぶやいた。すると、柚原の手を拘束していたツタが、自ら意思を持ってその手首から離れた。

「あら?」

「ほどくから言え。一応目星付けてるけど、もう一箇所、光来山の場所はどのへん?」

 小さな地図を広げながら、智美が促した。

「えっと、電波塔と三条台がこう見えるから、大体このへん」

 そして、柚原は地図の一点を指差した。その上と三条台、自分が今いる辺りと、さらに智美が住処にしている森の一点に、智美は小石を乗っけた。

「とすると、中心は光来山の神社か」

 出来た三角形を見ながら智美がつぶやいた。

「でも、そこには何もないはずなんだけど。ただの神社だったから」

「確かに」

 実際、何度か近くまで足を運んでいるはずなのだが、神社から特に何らかの力を感じたことは無かった。のだが。

「……いや、今は違うかな」

 智美が見ている先は光来山だった。

 柚原からは森が思いっきり邪魔になって何も見えない。

 しかし智美には、その先にある光来山から、言いようの無い非物質的な力が立ち上っていることを感じていた。

「儀式は滅茶苦茶にしたし、あんたらはもういいや」

 そういい残すと、智美は森の中を走り出した。

 柚原はその様子を呆然と見送っていた。

「っ! 待て!」

 急に自失状態から覚めた柚原が、もう見えない智美の後を追った。

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