第53話
「それじゃあみんなお風呂もすませたしこの辺でお開きにしようか」
「え〜?まだ夜は長いよ〜?」
「みんな明日も学校だからこの辺にしないと遅刻するよ?」
「そ、それはほら、水面くんが起こしてくれれば解決だよ!」
「えっと、さすがに女の子2人が寝ているところに入っていくのはさすがに、ね?」
「ちょっと紅葉ちゃん、水面を困らせないの!ここはお開きにしてあたしと話しましょ!」
「女子会ってやつだね〜!楽しみだな〜」
赤井さんなんかテンション高くない?大丈夫?寝れないんじゃないの?
なんて口には出せずに
「じゃあ、赤井さんと赤崎さんはこないだから赤井さんに使ってもらってる部屋でお願いね。
赤井さん、申し訳ないんだけど布団敷いてもらっていいかな?」
「お安い御用だよ〜!じゃあ林檎ちゃん行こ!水面くん、和田くん、おやすみなさい」
「うん。おやすみ」
「おやすみ。赤崎、赤井さんに迷惑かけんなよ」
「はぁ!?どういう流れでそうなるのよ!あたしが寝させてもらえなそうな雰囲気なのに…」
ぶつぶついいながら赤井さんに連れて行かれる赤崎さん。赤崎さんも赤井さんには弱いよなぁ……
「それで?俺はどうしたらいい?」
「あの2人みたいに男子会する?」
「お、悪くないな!近くにいたほうが水面のサポートも出来るしそうするか!」
あれ、冗談のつもりだったのに。和田くん意外と優しい?
「なんか、ごめんね?ありがとう」
「困ったときはお互い様だからな」
和田くんも同室ということで、僕の部屋に案内しようとしたところで気がついた。
赤井さんと色々探してそのまま散らかった僕の部屋だと和田くんが寝るスペース確保出来なくない?
「あー、和田くんごめん。僕の部屋に案内しようと思ったけど布団敷くスペース無いや」
「布団一つ敷くスペースもないってどんな部屋なんだよ。かえって気になるわ」
「一応見てみる?」
和田くんに僕の部屋を見せると部屋を一通り見回して……
「思ったよりオタクって感じしない部屋だな。パソコンとそこの棚くらいじゃん。
って、全然スペースあるだろ、これ」
「えっと……片付ければってことなんだけどこの足だとちょっとね…」
「んじゃ、指示してくれれば俺がやるわ」
「和田くん、そういう優しいところを女子の前で出そうよ」
「え?こんなのふつうのことだぞ?」
あ、声に出てた。
「普通でもそういう優しい一面っていうのは女子ウケいいんじゃないかな?僕もよくわからないんだけど」
「そういうもんか。意識してみるわ」
「うん。こういうことは赤崎さんに聞くほうがわかるかもしれないけどね」
「あいつ、いちいち高圧的になるから聞きにくいんだよ。こんなもんでいいか?」
「僕にはそんなことない感じだけどね。じゃあ布団持ってこようか」
「だから、その足でお前がやろうとすんなって。案内してくれよ」
なんだかんだで世話焼きの和田くんだった。
そういえばさっきちっちゃい妹いるって言ってたしお兄ちゃんってこんな感じなのかな。
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