即売会で出会ったコスプレ少女はクラスメイト

第52話

「よかった、よかったよ〜」

「ほんと、救われてよかったわね…」

女性陣のすすり泣く声。

僕のゲームでここまで泣いてくれるんだなぁ……

「こんなにループして助けてるのに彼女は何も知らないのよね」

「ね〜！なんかかわいそうだよね」

「そういうゲームだからって納得してくれないかな……」

ループ物だし、もしかしたら記憶がって表現入れたんだけど、表現弱かったかな。

「とにかく！これで雰囲気掴めた？」

「バッチリよ！学園案内のシナリオ、あたしが書いてもいい？々 」

まさかの提案。そんなに、よかったのかな。

「赤崎さんがやりたいなら止めないよ！じゃあみんなでプロット決めようか」

「プロット？」

「簡単に言うとどうやって進めてどうやって終わるかのあらすじみたいな」

「ふーん、そう言うものなのね〜」

僕らが作ろうとしてる内容的にはいらない気もするけどあれば美咲先生に確認もしてもらいやすいだろうしね。

「その辺は、明日にして今日はもうお開きにしようか」

「あ！もうこんな時間だったんだ〜」

「ほんとね。そんなに熱中してたかしら」

「僕としては嬉しいことだけど明日も学校だからね。順番にお風呂入って寝ようか」

「風呂か……」

お風呂という言葉で女性陣をチラチラ見る和田くん。

気持ちはわかるけどそれ赤崎さんに怒られるよ…？

「ちょっと男ども何考えてんのよ！！！」

ほら。というか僕も巻き添えなんだね……

「な、なんでもねえよ！」

「本当かしらね、身の危険を感じたわ！」

「林檎ちゃん、少なくとも水面くんは平気だよ！これまで何もなかったもん……」

あの、赤井さん？なんでちょっと残念そうなんですか…？

「紅葉ちゃん、それはややこしくなるからやめてね？」

「あはは〜、冗談だよ〜！それより林檎ちゃん一緒にはいろ！」

「ったく、しょうがないわね〜」

あ、赤崎さんあれ喜んでる。

「覗いたらどうなるか分かってるわね？」

「そ、そんなことするわけねえだろ！な、水面？」

「う、うん。さすがにね？」

「ならよろしい。じゃ、行きましょ紅葉ちゃん」

「はーい、行ってくるね〜」

本当に二2人で入るんだ。狭くないかな……

2人がお風呂に向かったのをながめつつ、パソコンの片付けを進めていると

『紅葉ちゃん、やっぱいいモノ持ってるわね〜！どうしたらそんなに育つのかしら…』

『ちょ、ちょっと、林檎ちゃん！？やめてよ〜』

そんな声が響いてきたので思わず和田くんをみると彼も苦笑いをしていた。

「和田くん……」

「言うな。さすがにこの展開はな……」

そして男2人黙ってお風呂場からの声に耳を澄ますのだった。