第51話
それから2時間…
「ああ、今度は主人公が身代わりに!!!違うわ!そんなの求めてないのよ!」
「うぅ~、みんなでハッピーエンド迎えたいよ~」
女性陣は感情移入しすぎじゃないかな…このゲーム始めてからずっと泣いてる気がする。
でも、このエンドにたどり着いたってことは、そろそろアレがでる。
僕がこのゲームで伝えたかったこと。トゥルーを迎えるための最後のフラグ。
『また、失敗しちゃったね。でも、悪いのはキミじゃないんだ。ね?そこで見てる傍観者くん。
いいかい?人生っていうのはね、やり直しが出来ないんだ。それはこの繰り返しのことじゃないよ。あのとき、こうしていれば。そういう途中からのやり直しのこと。
そう思ったらやり直せるなんてそんな都合のいいことってないよね?嫌なこともあるけど、全部が経験なんだ。それをよく考えて最初からやり直してほしいな』
そしてタイトル画面に戻る。
「は?なによこのうさぎ。突然現れて意味のわからないこと言って何様よ」
「いや、時計を持ってるしこのうさぎがタイムリープしてくれてるんだろ?」
「そういう設定なんだね~。でもこの言葉にもきっと意味があるんだよね?水面くん」
「僕に確認するのはルール的にどうなの…?でももうこんな時間だし、ヒントあげるよ。このうさぎの言葉、よく考えてみて?
これまでエンディングを迎えたあとにやってた行動はなに?」
これ、ほぼ答えなんだけどね。
「エンディング迎えてからやってたこと…?」
「そりゃ、選択肢でとこからロードしてやり直してたよな?」
「「「あ」」」
「え、なに?最初からってまさかそういうこと?」
「やり直しなんて都合のいいことってセーブのことだよね!」
「んじゃ、”はじめから”を押してみるか!」
さすがにわかっちゃうか。
「うん。正解。さっきのうさぎが出たことでルートが開放されてる。ただ、またセーブから始めたら永遠にたどり着かないんだけどね」
うさぎが現れる前に”はじめから”を押すとプロローグの、事故発生当日から物語が始まる。
だけどルートが開放された今だと7日前の、ループ初日からゲームがスタートするのだ。これまでの全部の記憶を持って。
そして主人公はこういうのだ。
「これが最後のループだ。人生にセーブなんてものはない。救うぞ、彼女を!」
気がついたら、みんながこっちを向いていた。あれ?
「~~~~~~っ、まさか生でこの声が聞けるなんて最高だわ!!!」
「え、あれ?僕声に出してた?」
「うん、ばっちり」
そして画面から聞こえる僕のさっきのセリフ。
「うわああああ、はずかしいいいいいい」
赤井さんと和田くんはめちゃくちゃ笑ってたし赤崎さんはなぜか顔を赤くしていた。
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