第4話
「あんたさー紅葉ちゃんとどういう関係なわけ?同じ学校とは聞いたけどこういうところにいるってことはオタクなんでしょ?
もしかして漫研のメンバー?」
睨みつけながら責めるように口調の赤崎さん。
これはもう僕が赤井さんにとって害をなす人だと誤解されているんだろう。
友達思いなのかな?
「「あ、あのっ!」」
きれいにハモった。
声をあげた赤井さんを見ると任せて!と言わんばかりに頷いていたため任せることにした。
「えっと、誤解してると思うんです!彼、メー…じゃなくて水面くんは同じクラスの友達なんですっ!」
と、友達!?まさか教室でもほとんど話したことがなく、ここで話したのが過去最高の長さだったにもかかわらず赤井さんは友達と言った。言い切った。
嬉しさのあまりにやけそうになる顔を抑えつつ僕は赤井さんに同意した。
「そうなんです。たまたまコスプレ撮影してたらそれがクラスメイトの赤井さんだったのを知ったから自己紹介してたんです!」
きっと僕だけがそう言ったなら信じてもらえなかっただろう。
今回は赤井さんのおかげで納得してもらえたようだ。
「あ……そうなの……」
あっちゃー、またやっちゃったと呟く声が聞こえた。
またって、常習犯なのか?過保護かっての。
「水面だっけ…。誤解してごめんなさいっ!」
「赤崎さん、顔を上げてください。それだけ赤井さんのことが大事なんですよね。
いい友達関係でうらやましいくらいです。」
誤解は解けたがなんとも言えない重い空気。
なんか言うべきなのか悩んでいると……
「よ、よし!誤解も解けたみたいだし、親睦を深めるためにこのあとみんなでご飯とかどうかな?わたしも着替え終わってるし!」
こんな重い空気なのに発言できるなんて赤井さん頑張ってくれてるんだなぁ…
「俺は構わない」
「あたしも」
和田くん、赤崎さんも同意する。
「水面くんは…?」
「僕はサークルスペースの片付けとかあるから後から合流でもいいかな?」
どのみちこの空気の中で赤崎さんたちと一緒に歩くのも中々辛いものがある。
ボッチでオタクの僕にいきなり突っかかってきた女子と仲良く話すなんてそんなコミュ力はないです。
「えっと〜、そしたら林檎ちゃんと和田くんは先に行っててもらっていい?わたしは水面くんと一緒に行くようにするよ〜」
「ちょっ…赤井さん!?」
「い・い・で・す・よ・ね?」
あまりの迫力にたじろぐ僕だった。
「はい……えっと…赤崎さん、和田くんまた後でよろしく!」
「紅葉ちゃん、あとで連絡するね〜」
「よろしくね〜!またあとで!」
こうして、僕と赤井さんは赤崎さんたちを見送った。
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