第3話同い年、仲良くヨロシク!
「ここは、知っての通り境界線本部。なので、この建物内および周辺は何時であっても誰であっても、魔法は使えません」
カノン隊長の本部内説明を聞きながら、寝床へ向かう四人
「そして……」
カノン隊長が案内した先は、二手に分かれている
「右が女性寮、左が男性寮なので、ここで別れてもらいます」
「でも……」
不安そうなメイナに、カノン隊長は微笑み話しかける
「お兄ちゃんなら大丈夫。暴れても弱いから」
「はあ?」
カノン隊長の言葉に反応し騒ぎ始めるクリル
だが、全く相手にしないカノン隊長
そんな側で、不安そうにノエルが妹リエルを見ている
ノエルに気づいたリエルが、わたわたと声をあげる
「わ、私は大丈夫!」
「私も大丈夫!リーリルも一緒だから」
メイナもつられて、ぎゅっとぬいぐるみを抱きしめ、声をあげる
「女性二人には、後から女性隊員が来ると思います。しばらく、ここで待っていてくれますか?」
男子とは違い、優しく声をかけるカノン隊長
「は、はい……」
リエルとメイナは緊張しながらも、返事をする
「では、男性陣はこちらに……」
カノン隊長と共に、男子寮へと向かうノエルとクリル
残された女子組は、ぽつんと廊下で待っている
「えと、メイナさん?」
先に話をかけたのはリエル
「はっはい!」
話かけられて驚くメイナ
「えっと、私はリエルです。よろしく……」
「私もよろしく……あの、えと……」
「いくつですか?私は10才だけど」
「私も!10才!」
「そうなんだー!よろしく!」
ニコニコ笑顔のリエルとメイナ
男性陣とは違い、ほのぼの感が流れる二人
その時、二人の元に駆け寄る女性がやってきた
「すみません、リエル・ライムさんと、メイナ・バータナさんですか?」
「はっはひ!」
突然の声かけに声が裏返る二人
にっこりと微笑む女性は、細身の綺麗な女性
「私が二人を案内します。カリアと申します。よろしく」
カリアに見とれるリエルとメイナ
「では、参りましょうか。部屋へ案内します」
「お前!ノエルとかいう奴!お前!」
びしっと指差し、騒ぐツンツン頭もといクリルという少年
「僕ですか?」
クリルとは違い、のんびりとした返事のノエル
「そう!いくつだ?!」
「えっ?12ですけど……」
ノエルの年齢に目を輝かせるクリル
「俺もだー!」
そう叫ぶと、ノエルに握手を求める
「よろしく!」
ニコニコ笑顔のクリルに
「よろしくー」
ノエルもニコニコと握手に応じる
「マジで……アゼルのやつ……」
二人と対照的に壁に手を当て、落ち込むカノン隊長
「あの……」
ノエルが話しかけると、あたふたと気を取り戻し、再び部屋へと案内を始める
「失礼、この先の部屋が君たちの部屋だ。相部屋になるが、すまないな。とりあえず、今日は休んでくれ。深夜は、なるべく寝るように法で定められているからな」
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