第2話探し人は謎の人

 境界線本部にて、取り調べを受けている少年少女の4人

 カノン・メルザ隊長、直々に行われている取り調べは、ちょっと荒れそうな雰囲気である


「そうか、午前レフトの君達は、弱いものイジメ。午後ライトの君達は、人探し……と」


 メモを取りながら取り調べをするカノン隊長

「ちょい」

 隊長の言った発言に反応するツンツン頭の少年

「違うの?」

「ちがーう、断じて違う」

 夜中、大声で騒ぐ少年に、近くにいた人達が一斉に振り向く

そんな様子を構うことなく、カノン隊長は話を続けていく

「んなことより、二人名前は?」


「俺は、クリル・バータナ」

「わ、私は、メイナ・バータナです」

「兄妹?」

「そう」

 ふむふむと、バータナ兄妹の様子をメモを取るカノン隊長

 今度は黒のフードの二人組に話しかける


「そこの二人は、アゼル・ライムを探してるんだっけ?」

 ちょっと不思議そうな様子のカノン隊長


「はい」

 

「なんで?」

 カノン隊長はボリボリと頭をかき、何だか困ったそうな表情

「その人は……」

 黒のフードの少年が話しはじめた時

「おー。カノン、どうした?」

 恰幅のいい中年男性が、話しかけてきた

「バルバ大佐、いやはや不良少年少女の取り締まりですよ」

 カノン隊長は、その男性に手を降る

バルバと呼ばれる男性は、こちらへ歩いてくる

 カノン隊長のその横で

「不良ちがーう!」

 と、地団駄を踏み叫ぶクリル


「はいはい。んで、アゼル・ライムをなんで探してるの?」

 クリルを適当に相手にしつつ、黒のフードの二人に話しかけるカノン隊長

「えっ?アゼル?」

 バルバも、アゼルという言葉に不思議がる

そして、やっと黒のフードの少年が、話しはじめる 


「その人は……」



「僕らの父親です」



「は?」

「え?」


 少年の言葉に固まるカノン隊長と、バルバ大佐


 しばしの沈黙のあと、カノン隊長が話しはじめる

「二人の父親なの?」


「はい」


「兄妹?」

 今度は、バルバ大佐が話しはじめる


「そうです。僕がノエル・ライム、妹のリエルです」


「……えぇえぇぇ!!」


 二人の声が本部に響き渡る

また回りの人々が一斉に、こちらを見ている

そんなことはお構いなしに、あわてふためくカノンとバルバ


「まさかアイツに……」

「まて、同姓同名かもしれぬ」

「あんな変人の名前の同姓同名なんているのか?!」


「君、母親は?名は何だね?」

 慌てて聞いてくるバルバに、戸惑うノエル

リエルも戸惑い、頭を抱えうつ向くカノンを心配している


「マ…マリヤ・ライムです」

 その女性の名前に、困惑するバルバ

「おい、カノン、マリヤ・ライムとは知ってるか?」

「いや……」

「い、急いで応援を呼んでくる!」


 ドタバタと、離れていくバルバ

カノンも、唸りをあげて頭を抱えている


「あのー……」

 ノエルの言葉に、ハッと我にかえるカノン隊長

「し、失礼……君達の父親とは知り合いなんだ」


「まあ、だろうねぇ……」

 クリルとメイナも二人の様子に呆れている

バタバタと、無理矢理取り調べを終了しようとするカノン隊長

「と、とりあえず、四人とも今日は境界線本部に泊まるように。明日また話を聞きます」

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